今回は港区六本木「風 髙木」様より、オープンに合わせたタイミングにてプランター植栽の設置ご依頼をいただきました。

店先に設えられたプランター植栽

店先に設えられたプランター植栽

当初は緑化や目隠しと言った目的でのプランター設置計画でありましたが、御相談時において植栽には造園的要素を加え、目隠しよりもデザイン性を持たせる方向での設計を承りました。
日本料理店の雰囲気が周囲に伝り、美しい景観として目を引く様な、プランターという限られた空間の中で和庭を構築致しました。

2台のプランター植栽が奥行感を生む

2台のプランター植栽が奥行感を生む

プランターの設置は2台であり双方共に道路に面した位置へのセットとなっていますが、横置き・縦置きという違いを持たせる事で変化と遠近感を演出しています。

横置きプランターのノムラモミジが店先のシンボルツリー(主木)の扱い、奥に見えるドウダンツツジのプランターは奥ゆかしい雰囲気作り、といった所でしょうか。

大切なのは植栽に高低差を付けるという点であり、どうしても横並び一直線のレイアウトとなるプランターにおいてランダム感を出す事が出来ます。

またディテールの柔らかい木としっかりした存在感のある木が混じっている様に見えますが、これは落葉樹と常緑樹の両方を植栽している為です。

足下へのデザインも良く見えるのがプランターのメリットであり、視認性や風通しといった恩恵も受けられます。

お店の雰囲気を外へ伝えつつお客様を迎えるプランター植栽

お店の雰囲気を外へ伝えつつお客様を迎えるプランター植栽

主木であるノムラモミジは樹高が2.5mありながら根を小さく作られていたもので、無理なく大型プランターへ植栽出来ております。
枝振りは出入口方向へやや傾ぐ様にしており、お客様を迎え入れるという主木の役割を担っています。
副木のソヨゴはしっかりとした存在感でありながら透け感は保っており、道路面からエントランスが丸見えになり過ぎない程度の目隠し効果を持たせています。
持ち前の生育の緩やかさがここでは特に役立ち、歩行に支障が出るという事がほぼ無いという点で採用しています。

足下には枯山水・苔庭の様な様子も垣間見られ、一つの坪庭として日本料理店の存在を発信しています。

 

プランターの中で表現する苔庭

プランターの中で表現する苔庭

樹木の枝葉の下に庭石・苔が佇む風景は、歴史ある日本庭園の様な雰囲気を醸し出します。

石については並び・大小等に変化を持たせるという点で造園技法を取り入れており、小さな素材を本格的手法によって引き立てています。

枝葉が被さってくる様な場所の苔は種類も限定されますが、今回の様に陽射しが少ない場所であれば「落ち葉掃除」「時刻を見計らった水やり」によって長らく持ち堪えさせる事も可能となります。

月日が経てば庭石もうっすら緑色に染まる様な環境であり、月日が作り出す変化もまた坪庭の楽しみと言えるでしょう。

 

割烹料理店の雰囲気を高める「奥庭」の様なプランター

割烹料理店の雰囲気を高める「奥庭」の様なプランター

日本料理店の存在を外部へ伝えるプランター側とは異なり、こちらはしっとりとお店が持つ雰囲気を醸し出すデザインに。
刈り込まれた樹形とは異なる、完全な自然樹形を保ったドウダンツツジは広がりが美しく、お店の持つ雰囲気が表現されています。
手前のヤクシマアセビは本種よりも剛健且つ葉密度が高いのも特徴で、和庭で見る様な低木の風情を凝縮させて様な景観となっています。

 

下草・苔・砂利敷きが生み出すコントラスト

下草・苔・砂利敷きが生み出すコントラスト

こちららへの足下の造形は、少しだけ大き目の1石を中心に据えて重厚感を出し、道路側の明るい砂利庭から苔庭、下草繁茂の庭へという流れを表現しています。

柔と剛という言葉がありますが和庭技法の中でもよく使われ、この組み合わせはそれぞれの素材感を高めて一つの坪庭へ融合されていきます。

濃淡がはっきりとした色彩模様も和風坪庭に見られる魅力であり、これを表現するに必ずしも広い面積が必要という訳ではないのがお解りいただけると思います。
作られたばかりの様には見えない、心地よい古さを感じさせるのも坪庭技法の魅力ではないでしょうか。

 

坪庭デザインが植栽を古木の様な雰囲気に

坪庭デザインが植栽を古木の様な雰囲気に

事例写真では近寄った接写を行っておりますので気も石も大きく見えるものですが、実際は非常にコンパクトな素材を組み合わせて作られています。

風情ある坪庭デザインは若木でさえ古木の様な雰囲気に見せる効果があり、歴史ある和庭を眺めている様な構成にしています。

剛健なリュウノヒゲは寄せ植え・埋め尽くしといったイメージを持たれがちですが、その草姿を活かす様にピンポイントレイアウトを行い、自然に下草が育って増えてきた様な雰囲気を持たせています。
また暗くなる奥にはベニシダも添えており、これもまた年月を経た坪庭の様な雰囲気を出してくれます。

今回は日本料理店様の入口での施工事例となりましたが、プランター植栽は場所を選ばず庭造りの様な表現を添える事が出来ます。
店舗様はもちろんご自宅等でも施工は可能でありますので、土の無い場所へ風情を添えられるプランターデザインをご検討されてみてはいかがでしょうか。

この施工事例の動画版はこちら

この施工事例に関連するおすすめコンテンツ

玄関や花壇におすすめな庭木は?植栽のポイントや注意点、代表種類もご紹介
玄関や花壇におすすめな庭木は?植栽のポイントや注意点、代表種類もご紹介
作庭者がおすすめな庭木をご紹介-植栽の目的や樹種毎の特性、葉や花の魅力から庭木を選んでみよう
作庭者がおすすめな庭木をご紹介-植栽の目的や樹種毎の特性、葉や花の魅力から庭木を選んでみよう
坪庭とは?由来やデザインのポイント、小さな庭や狭い庭の実例も
坪庭とは?その由来やメリット、設計上の注意点やデザインのコツも実例写真を交えて解説します
和風の庭の魅力とは?庭園形式やデザインの解説、構成素材もご紹介
和風の庭の魅力とは?庭園形式やデザインの解説、構成素材もご紹介
ソヨゴの特徴や魅力を解説-成長の緩やかさを活かしてシンボルツリーや目隠しにしてみよう
ソヨゴの特徴と赤い実の魅力-成長の緩やかなシンボルツリーや目隠しとして