今回は松戸市のH様邸にて施工をさせていただきました、花壇作りと植栽の様子をご紹介致します。
花壇と申しましても、正確には植木の為の「植栽スペース」となります。

花壇施工前の様子
ブロックの仮置きにて、花壇サイズが決められております。
こちらの部分に縁石と庭石(鳥海石)を組み合わせた「植木スペース」を作っていきます。

今回施工をさせていただきますのはあくまでも植木を植える部分と致しましての区切りであり、施工致しました区切りの外側は、後々お客様ご自身にて下草やグランドカバーを植えていただく事となっております。
地面が緑で覆いつくされた際は、今回施工を致しました花壇や植木植栽もより引き立つ事と思います。

曲線部分を庭石組みで形付けていきます

庭石組みの曲線 コンクリートを入れて頑丈に
マスが集中しております部分は庭石組みの曲線にて形付けていきます。
障害物を避ける曲線を自在に作る事が出来ますが、単調な見た目にならない様に組んでいきます。
大小に組み合わせはもちろん、繋ぐ為の庭石、見せる(景石)としての庭石、それぞれを意識して組み込みます。
内側には基礎となるコンクリートを全体的に使用し、丈夫な花壇を作ります。

庭石のつなぎ
庭石の組みつけは、高さが異なりながらもお互いの窪みや張り出しにしっかりはまり、なおかつ石の上面が安定した角度になる様な向きを探して組んでいきます。
この様にしっかりと噛み合う作りとすれば、過剰な目地セメントも必要なくなり、裏側部分のみセメントを使うだけで済みます。
ほとんどセメントが見えない仕上がりかつ、泥流れが最小限に治まる施工が大切です。

庭石組みから縁石(砂岩)へラインを繋げます

庭石から縁石への繋がり 庭石と縁石の接合部分
今回仕様致します縁石はコンクリート製品ではなく、短冊状に割り出した砂岩となります。
カッター切りの切り口ではなく「割り肌」となっておりますので、鳥海石との違和感もございません。
また、お客様のご要望によりグレー~ベージュの物を吟味してまいりましたので、レンガ色の様な派手さがなく、庭石や植物との自然な相性を楽しむ事が出来ます。

花壇の終了部分までの繋ぎ
途中で再び鳥海石を挟んで花壇の奥行きサイズを変え、最後は向きを変えて花壇の区切りとなります。
見えない部分は植栽に影響が出ない範囲でコンクリートでしっかり全体をつなぎます。
少々の衝撃では縁石や庭石が動く事はございません。

形の整った花壇
全体の形が整った花壇の様子です。
自然素材で繋げた花壇はやはり表情が感じられますし、作り込み過ぎた感じも無く落ち着く眺めとなります。
この他にも大谷石や芦野石、外国産の花崗岩などを使用してナチュラルな花壇施工をする事もございます。
整然とした景観がお好みの場合はやはり御影石などを使用する事となります。

出来上がった花壇内やウッドデッキ前へ植木を植栽してきます

ウッドデッキ前へアロニアを植栽
花壇外にはアロニアを植栽します。
お住まいから眺めた際に、こちらの植木を通して花壇が見える作りとなっております。
アロニアは葉数が少なく上品な植木であり、花や紅葉、実のなる姿はとても風情を感じられます。
下枝が少なく上部が充実した物を選んでまいりましたので、傍を歩く事も出来ます。

ジューンベリー、ブルーベリーを植栽
花壇内へジューンベリー、ブルーベリーを植栽していきます。
アロニアと同時に視界に入るジューンベリーも自然な樹形であり、眺めた際に木立の様な雰囲気を感じられます。
ブルーベリーはノーザンハイブッシュ系の物で葉が厚く実が大きい品種となっております。
枝までが真紅に染まる秋口は、木の大きさを超える存在感を放ちます。

ホンコンエンシスとゴールデンモップ ジューンベリーの足元へブルーパシフィックを
反対側の角には、庭石ラインに合わせる様にホンコンエンシス、いわゆる常緑ヤマボウシを植栽し、足元をゴールデンモップの黄色でカバーします。
濃緑と黄色のコントラストは洋風ガーデンの趣で、先ほどの自然樹形のエリアと違った雰囲気を楽しめます。
ジューンベリーの足元はブルーパシフィックで固め、生長を待ちます。
空間部分はお客様ご自身の園芸スペースとなりますので、堆肥を混合した赤土を客土して仕上げとなります。

仕上がった花壇と植木の様子です

お住まいから眺めた様子
お住まいより眺める植栽の様子です。
ウッドデッキ越しでも庭石や縁石が視界に入り、足元の自然味を感じる事が出来ます。
デッキ近くに植栽したアロニアが遠近感を出し、ジューンベリーと調和しております。
その間に背の低いブルーベリーがちょうど見える配置になっております。
植栽配置につきましてはお客様に幾度とご確認をいただきましたお陰で、視覚的に心地良くまとまりました。

ウッドデッキから眺める花壇と植栽
花壇の外の地面はお客様が草類を植えて下さる為、雑草を除去した土仕上げになっております。
こちらの部分が緑色に染まり、植栽の葉が充実する季節が楽しみなお庭となりました。
花壇内の土部分には、ほふく型の草以外にも、ハーブ類や山野草などの植え込みも合うと思います。
庭石や縁石に草が添えられると、現状と全く違った風景となります。
少しの植物で全体が引き立つ事でしょう。

お庭の面積に関わらず、「境界決め」はお庭づくりの第一歩となる事が多くございます。
もちろん植栽との境界を作らず自然にお庭をつくる事も出来ますが、お庭で歩く、くつろぐ、ガーデニング作業の踊り場としての空間を確保しておく事も大切です。
花壇などの境界によって出来た「非植栽空間」が想定以上に大切となったケースも多くございます。
また、メリットと致しましては植栽部分が明確に分けられた部分は何よりも管理がしやすくなります。
「植えない部分」を予め決めておく事で、将来的に植木過密状態になりにくく、空間は常に風が通る道となりますので、お住まいにも悪い影響が出にくくなります。
特に夏場は木陰で冷やされた空気が風となってお住まいに入る事になり、とても快適になります。

お庭をどうして良いか思いつかず手付かずとなってしまっている方は、まず「境界花壇」という概念を取り入れてみては如何でしょうか。

それでは失礼致します。