今回は世田谷区のH様邸にて施工をさせていただきました、プランター植栽の様子をご紹介致します。

2階にリビングを持つH様邸は、中庭を望める様に大きな窓が設置されており、2階の窓から庭木の緑を眺められる様に設計をされておりました。
プランター植栽のご相談はご新築工事の段階より戴いており、竣工後に植栽が施せる様に、弊社よりデッキの中に埋め込まれたプランター設置のアドバイスをさせていただきました。

プランター底部に透水用の砂利を敷き込み、植栽の準備を整えます。

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お住まい竣工後、植栽工事にお伺いをさせていただきました。
ウッドデッキにプランターが埋め込まれ植栽の施工を速やかに行える環境が整っておりますので、ここからプランター容積を存分に活かした植栽施工を行っていきます。

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透水砂利の上から堆肥を混合した赤土を入れ、床土環境を整えます。
ここから庭木を植え込んでいきます。

主木(シンボルツリー)となるヒメシャラを植栽します。

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主木、いわゆるシンボルツリーとなるヒメシャラを植え込みます。今回のFRP製プランターは容積が230リットルほどあり、根にも余裕を持たせる事が出来ます。
ご用意致しましたヒメシャラは背丈を綺麗に生長させる事が可能なものを吟味致しており、いわゆる「芯」の通った自然樹形を保った木をお探し致しました。

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植栽位置はプランターの中心にこだわる必要はなく、後々に他の植物を合わせる構図を考えて決定しております。 植え付けは腐葉土をふんだんに混ぜ込み、水による締めの前に手作業で土を程よく押し込んでおきます。

ヒメシャラに合わせるナツハゼの植栽。自然に絡める様に、ナチュラルな植栽を。

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ヒメシャラの足下から芽生えて生長したかの様な雰囲気で、ナツハゼ植栽を添えます。山で見掛ける様な組み合わせを意識し、無造作ながらも幹の傾斜を合わせるなど、あらゆる角度から調整をします。

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ナツハゼの植栽を終え、山間に近い土で締めます。水捌けが良く、適度な湿潤を保つ土が、落葉樹の生長を安定させます。ヒメシャラもナツハゼも、プランターの領域に留まらず気持ちよく枝振りを伸ばす様子がお解かりいただけると思います。

山間のナチュラルな雰囲気を演出する、自然石と下草を配置します。

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石組みではなく景石に近い役割の鳥海石。今回はこの一石のみで自然風の雰囲気を演出致します。この様に据え付けた際は石の存在が目立ちますが、こちらをあえて下草植栽によって隠す事で、双方の存在を引き立て合う風景となります。

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表土の乾燥や流土を防ぐ役割を持つタマリュウ。背丈が伸びない下草として、最前列に植栽します。植栽当初は1つ1つの存在が分かれて見えますが、経年により隙間は自然に塞がり、自然な盛り上がりを見せる様になります。石の下から顔を出すシュンランは、ヒメシャラの株元をぼかして自然味を高めます。

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タマリュウの群生にはヤブコウジを転々と混植しております。ヤブコウジはゆっくりと増えていきますので、後々タマリュウとの馴染みが自然になってまいります。暗い陰地でも艶やかな緑色を保ち、秋には赤い実を付ける姿が見所です。

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色彩の異なる黒竜は角の方へ植栽します。やや背の高い下草を角地に植える事で、見えにくい箇所も景観の一部として有効化させる事が可能です。小さな花は茎の先端部に付きますので、角に植栽をしても良く見えます。

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そして最後部にはセキショウを植栽します。黄金セキショウは特に背丈が高く、立ち木の後ろへ植栽しても鑑賞する事が出来ます。いわゆる景色の背景の役割を持ち、柔らかな草が周囲をナチュラルな雰囲気で包み込みます。遠くから見ても目に入る明るい下草は、日陰地では欠かす事の出来ない大切な植物です。

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5種類程の下草類で構成されたプランターの様子。見る角度によってあらゆる表情を感じる事ができ、色合いも豊かです。領域をぐんぐん広げてしまう下草は植栽しておりませんので、基本的なお世話だけで維持する事が出来るのも魅力的です。

山間の立ち木と下草類が織り成す小さな自然風景が完成致しました。

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2階から緑を望む事がメインとなりますが、低木と下草類による自然な表情を1階から眺める事が出来ます。プランターの持つ限られた面積の中でも、植物の自然な表情を楽しむ事が出来ます。
瑞々しさを感じながらもホッと出来る風景を是非取り入れてみては如何でしょうか。
こちらのプランター植栽につきましてはお庭の施工例-プランターの中へ自然風景を再現した植栽群を-世田谷区H様邸にてご覧戴く事が出来ます。

それでは失礼致します。