根を作られた「植木」

根を作られた「植木」

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庭づくりとデザイン、植栽の施工を行っております新美園:新美雅之です。

「植木」とは植樹用として根を作られた商品の木であり、「庭木」になる前に流通している姿と言えます。

植木はしっかりと根を作られているのであらゆる場所へ運搬でき、そのまま地面に置かれて商品として販売もされます。
弊社の場合は仕入れた植木をファームへ運んで仮植えし、お客様の元へお届けするまで管理をしております。

植樹用の植木には数多くの種類がありますが、植木はそれぞれ向いている目的や適した場所も異なります。

こちらのページでは庭木として育てたい木、いわゆる植木選びで抑えたいポイントを5つに分けて解説してまいります。

植木を選ぶ5つのポイントとは?

「庭に植木が欲しいけど、種類も個性も解らない。」

弊社へ植樹をご依頼のお客様、DIYで植樹にチャレンジされる方を問わず、多くの方がこの様なお悩みを抱えていらっしゃいます。

植木を選ぶ時には以下の5つがポイントとなりますので、これらを順に考えていくと良いでしょう。

  • 植木を植える目的
  • 常緑樹か落葉樹かの選択
  • 日向や日陰など、お庭の環境
  • 植木と生活環境の兼ね合い
  • 花や実、紅葉などの楽しみ

それではこの5つのポイントを、順番に解説してまいります。

 

ポイント①:植木を植える目的を踏まえる

まず、植木を植えたいと思った時には目的があるものです。

植木を選ぶには、ご希望の木がその目的に向いている樹種であるかどうかはもちろん、樹種選びに先立って抑えておきたい事もあります。

ここでは植樹の目的として代表的な3パターンについて、それぞれ植木を選ぶコツを解説します。

シンボルツリーとして植木を植える

シンボルツリーとしての植木

シンボルツリーとしての植木

シンボルツリーとして植木を植える場合は、その木が単独で目立つ事が考えられますので、樹形を特に吟味する必要があります。

シンボルツリーであれば玄関や門付近への植栽となりますので、この植木がお住まいのトレードマーク、またはその名の通りシンボルとしての存在となります。

つまりシンボルツリーはお住まい・建築物をどの様な雰囲気に見せるかという事に直結する庭木であり、シンボルツリーの場合は植木選びの中で最も重要視されるカテゴリーとなるでしょう。

シンボルツリーは常緑樹でも落葉樹でもお好きな植木を選ぶべきですが、お住まい(建物)と合わせる事を考えますと樹高はやや高い木(3m~)がおすすめです。
樹高の高い木を選べば遠くからお住まいを眺めた際に、建物とシンボルツリーの調和を楽しむ事が出来ます。

しかしシンボルツリーは門や玄関の近く等、特に歩く機会の多い場所が想定されますので、植栽を行う植木の葉張り(植木の幅)はもちろん、成長具合や将来的な許容樹高も予め想定しておきましょう。

 

ピンポイントの目隠しの為に植木を植える

目隠しの為の植木

目隠しの為の植木

狭い部分の目隠しや、フェンスの設置が難しい場所を、植木によって目隠しする場合があります。

この場合は常緑樹の選択が必要となり、中でも葉の密度が濃く、壁際の枝葉も枯れにくい種類の植木を選ぶ事になります。
また、生育に伴って下部の枝が枯れやすい木は避ける事が望ましいでしょう。

目隠しの庭木があれば景観と実用性を両立させる事が出来ますが、植木の選択については特に場所の環境を考慮して、健全な成長によって目隠し効果を維持したいものです。

目隠し目的として植えた木が環境に合わない場合、葉や枝がみるみる内に少なくなってしまい、肝心の目隠し効果を全く持たなくなってしまいます。
植栽の目的を考えればこれは最も避けなければならない事ですので、環境と植木の適合性はしっかり考えておきましょう。

 

植木の組み合わせを楽しむ

様々な植木の共演で作る風景

様々な植木の共演で作る風景

植木を組み合わせるのは庭づくりの基本でもあり、多種多様の植木を使用する事になります。

重厚感を出す為に同種の植木を植える事もありますが、多くは写真の様に趣が異なる植木を何種類か組み合わせる事になります。

基本としては常緑樹と落葉樹をバランス良く振り分け、色の濃淡バランスも考えてレイアウトします。

また、植木の組み合わせで特に面白味を出せるのは「樹高の違い」であり、これは高木と低木を組み合わせるという方法です。

特に低木類は葉の形や色等のバリエーションも多く、植栽レイアウトやデザイン面で大きな役割を担う存在です。
植木の高低差と共に様々な色や樹形を組み合わせて、おしゃれな景観にするのが良いでしょう。

また、樹高だけではなく葉色が異なる植木の組み合わせも楽しいものです。

いわゆるカラーリーフと呼ばれる植木であれば黄・青・赤などの葉色を組み合わせる事ができ、美しい彩りを楽しめるでしょう。

 

季節感を得る為

広葉樹(イロハモミジ)と果樹(ミカン)の組み合わせ

紅葉樹(イロハモミジ)と果樹(ミカン)の組み合わせ

庭木は通年その姿を楽しむ事に加え、花や紅葉、樹種によっては実・果実など、季節それぞれの楽しみが得られます。

庭木には花の咲く「花木」、実を楽しめる「果樹」、秋の色付きが美しい「紅葉樹」があります。

これらをうまく組み合わせて植える事で、一年中季節感のあるお庭にする事が出来ます。

例えば庭へ植える木として、花木・果樹・紅葉樹をそれぞれ1種類ずつ選んでおけば、どの季節でも何かしらの季節感が感じられるお庭になります。

また、冬季が寂しくなると思われがちな落葉樹ですが、あえて落葉した姿を冬景色として楽しむ考え方もあります。

この場合は冬も葉が残る常緑樹をバランスよくレイアウトしておけば、冬の景色も楽しいお庭になる事でしょう。

 

空間を埋める為

特に明確な目的が無く、空いているスペースに緑を添えたい事もあるでしょう。

例えばお庭の角が空間になっていると敷地の直角が目立ってしまいますが、庭木を植える事で敷地の角も柔らかく見える効果があります。

この場合は植栽というよりも緑化の位置付けとなり、出来るだけ安価な常緑樹を選ぶのも良いでしょう。

緑化樹の代表樹種としてはシラカシやマテバシイが挙げられ、これらの庭木は小さなサイズを植えてもすぐに成長してくれます。

ただし住宅地では越境の事も懸念されますので、成長を踏まえた植栽計画を行いましょう。

 

ポイント②:常緑樹、落葉樹の選択

植木は常緑樹・落葉樹のどちらを植えるかによって庭の雰囲気や植え付け後の姿が大きく異なります。

この違いは冬季に葉を全て落とすか落とさないかですが、「半落葉」と呼ばれる寒さで葉を半分~それ以上に落とす常緑樹も存在します。

ここでは常緑樹と落葉樹、それぞれの特性やメリット、注意点などを解説します。

常緑樹はどんな木?

常緑樹は一年を通して葉を付けており、冬は寒さの影響で葉を少なくしながらもそのまま越冬する木です。

常緑樹の印象はしっかりとした存在感であり、仕立てられた樹形によって印象も異なってきます。

多くは枝振りというよりも表面的な形状が樹形として認識される事が多く、言うなれば「濃い存在」といった庭木が多いのも特徴です。

この為常緑樹は遠くから眺めても存在感があり、庭木を目立たせたい場合やフォーカルポイントへの植栽に向いています。

常緑樹のソヨゴ

写真のソヨゴの他、近年に植栽される常緑樹では
シマトネリコ
オリーブ
カシ類
ツバキ類
などが主流となっております。
コニファーなども常緑樹にあたり、これらは寒さに強い特性を持っています。

常緑樹で注意したい寒さ対策

常緑樹の全てが耐寒性を持っているという事はなく、常緑樹でも寒さや霜によって葉の色が落ちたり、葉数を減らす事があります。冬眠をしないからこそ寒さを考慮した植栽が必要です。

寒さに弱い常緑樹を植栽する際は、北風が吹き続ける場所や、広い場所へぽつんと植えたりするのは避けると良いでしょう。

意外にも降り積もる常緑樹の落ち葉

落ち葉の掃除が大変だから落葉樹は避けたい、といったお声をよくお聞き致しますが、常緑樹でも落ち葉はあります。

常緑樹の落ち葉

堆積しやすい常緑樹の落ち葉:写真はキンモクセイ

常緑樹の葉は通年同じ物が付いている訳ではなく、生育期には古くなった葉を落とします。
この葉の数が意外と多く、しかも落葉樹の葉と違って重い為、自身の足下へ堆積するよう溜まります。

生え変わりによって落葉したアラカシ

生え変わりによって落葉したアラカシ

この葉は落葉樹の落ち葉に比べて腐り難くいつまでも残ってしまう事が多い為、掃除などは必須となります。
ただし飛散しにくい為、ご近所迷惑になる様な落ち葉ではありません。

例えばソヨゴは新緑が成長する時期や秋口、古い葉が次々に黄色く染まり、やがてパラパラと地面に落ちます。

アラカシマサキプリペット等は春、葉の入れ替わり時にほとんどの葉が無くなってしまう事があり、目隠し用として選ぶ際には注意が必要です。

尚、新芽展開時期とは異なり冬季の寒さによって葉を半分程度落とす常緑樹もあります。
シマトネリコホンコンエンシスは特にその傾向が強い為、寒さを避ける場所への植栽が望ましい庭木です。

おしゃれな目隠しとしても使える常緑樹

玄関のドアを目隠しするフェイジョア

玄関のドアを目隠しするフェイジョア

常緑樹はその存在感からシンボルツリーはもちろんの事、目隠しとして植栽したり、生垣を構成する事も出来ます。
花を楽しめる物もあり、こちらの様におしゃれな目隠しとして植栽するケースは多いです。

植木に存在感を求める場合や、目隠し効果を兼ねたい場合は常緑樹を選ぶのがおすすめです。

目隠しに使う常緑樹としてはシラカシやウバメガシ、ソヨゴやフェイジョア等が代表的ですが、これら樹種の選択は成長の許容程度や陽当たりなどの環境も考慮します。

 

落葉樹はどんな木?

落葉樹は冬季に全ての葉を落とす木であり、春の新芽展開時期まで休眠に徹する事となります。
また、落葉樹の剪定や移植(根巻き)はこの冬眠中に行うという事が基本となります。

柔らかな印象の落葉樹:写真はアオダモ

柔らかな印象の落葉樹:写真はアオダモ

落葉樹の印象は繊細でナチュラルであり、常緑樹が「形」を重視される事に対して落葉樹は「枝模様」が重視されます。

落葉樹の存在感は決して強くありませんが、風も通しやすく圧迫感が少ない為、多くの本数を植栽する事が出来ます。

枝葉の数は樹種によって大きく異なり、葉数が多い木ですとイロハモミジカツラ、葉数が少ない木ですとアオダモセイヨウカマツカ等が挙げられます。

落葉樹は花を楽しめる樹種が多いのも特徴であり、特にハナミズキエゴノキヤマボウシは昔から花木として好まれています。

また、シャラノキ(ナツツバキ)の花は茶花としても使われる上品な花を咲かせます。

 

落葉樹をシンボルツリーにするコツ

落葉樹をシンボルツリーとして植栽する際は、冬に落葉した際に寂しさを感じさせない様な場所を選びたいもの。
落葉樹に葉がなくなっても樹形を美しく見せられるのは、スクリーンとなるものが背後にある場所です。

外壁沿いで映えるヤマボウシ

外壁沿いで映えるヤマボウシ

こちらのヤマボウシは美しい外壁沿いの花壇へ植えられており、少ない葉数でも樹形の美しさが引き出されています。
落葉時期は外壁がスクリーンの効果を発揮し、繊細な枝もくっきりと浮かび上がります。
同じ効果を得る為、ウッドフェンスや樹脂フェンスなどをスクリーンとして施工するのも有効な方法です。

落葉樹の「葉焼け」を軽減させる工夫

落葉樹は種類によって夏の直射日光で葉がやけどしてしまう事があります。
少々の葉焼けであれば生育上に問題は生じませんが、あまりにも葉焼けを起こす環境ですと、年々木自体が傷んできてしまいます。

落葉樹の葉焼けを抑えるには、

  • 東側など日長が半日程度の場所に植える
  • 建物付近などに添える様に植える
  • 雑木林の様に何本かを寄せ植えする

などの工夫をすると効果的です。

イロハモミジやジューンベリー、アオダモなど、ある程度の直射に耐える落葉樹もありますので、これらの木は積極的に日向へ取り入れても良いでしょう。

落葉樹らしい樹形を維持する為に

枝透かしをされたイロハモミジ

枝透かしをされたイロハモミジ

例えば代表的な落葉樹であるイロハモミジといえば、写真の様にスッキリと軽やかな姿を想像されるかと思います。

落葉樹の剪定は「背丈を詰める」ことは二の次であり、まずは徒長枝や重複枝を間引く事が肝心となります。
樹高が高くても枝葉の数が少なく留められていれば圧迫感も感じません。

特に落葉樹の場合、切り戻し剪定を繰り返しますと樹形が崩れ、元に戻すのは至難の業となります。
自然樹形をお庭へ取り入れる際はある程度自由に成長させられる様な、周囲に余裕を持った植栽計画がお勧めです。

この様に落葉樹を維持するポイントは「成長の放任」であり、木の幅を制約する事が必要な場所への植栽は避けるべきです。

しかし狭小部でも維持出来る落葉樹もあり、成長の緩やかなアオダモアロニア、スリムな樹形を維持しやすいハナミズキ等がおすすめです。

 

ポイント③:日向や日陰など、お庭の環境で選ぶ

植木を選ぶ際、陽が当たらないと育たないのでは…と心配されるお客様も多くいらっしゃいます。

その際、私の方からは「半日陰や日陰の方が植木選びの選択肢が広いのですよ」とお伝えしております。

夏の直射日光と乾燥に耐える木

強い日射に耐える植木は、常緑樹から選ぶのが通常となりますが、ソヨゴやハイノキなどは葉または木そのものが傷みやすく、あまりにも暑い場所は植栽を避ける様にします。

直射日光を好むオリーブ

直射日光を好むオリーブ

反面、オリーブなどは日当たりや直射日光を好みますのでこうした環境にも困らず選択出来ます。むしろ乾く時はしっかり乾く様な土壌を好みます。

2階窓まで生育させる計画のシマトネリコ

2階窓まで生育させる計画のシマトネリコ

こちらも直射日光を好むシマトネリコです。

日当たりが少ない場合は葉が大きくなりすぎ、尚且つ葉数も少なくなっていきます。ですが生育力があまりにも旺盛な為、植栽場所は生活環境を考慮する事が必須です。

半日陰を好む植物で庭を構成した例

日陰向きの植物でデザインされた庭

半日陰向きの植物でデザインされた庭

実は半日陰の環境は、日向よりも様々な種類の植木を選択する事が出来ます。

半日陰や日陰は広くない場合が多いので小さな植木や下草を選ぶのがお勧めですが、庭に広さがある場合は落葉自然樹の寄せ植えなどを構成出来ます。

こちらではソヨゴやヤマボウシなど日陰で美しい植木を選び、下草類で庭をデザインしています。

暗い日陰で育つ植物をレイアウト

暗い日陰を好む植物で和風デザインを

暗い日陰を好む植物で和風デザインを

陰地で美しい庭と言えば、坪庭を思い浮かべる方も多いかと思います。坪庭や中庭は元々が日陰である事が多いので、和風の美しい庭が発達した場所とも考えられます。

ですので日陰でもしっかりと成長できる植木を選択すれば、日陰も明るい緑が溢れる空間へ変える事が出来るのです。

こちらは日陰でも美しく育って葉も残りやすいソヨゴやイロハモミジといった植木を選び、マホニアコンフューサやヤブラン、セキショウなど日陰向きの低木・下草類をレイアウトしています。

 

ポイント④:植木と生活環境との兼ね合い

庭木が生活の邪魔になってしまう様なレイアウトは避けたいものです。
これを考慮しますと、植木は植栽後の生長速度を考慮して選ぶという事になりますが、どんな樹種が適しているのでしょうか。

玄関や駐車場へ植えるなら、生育の緩やかな植木を

庭と異なり玄関や駐車場などは、毎日の様に歩く場所です。

植木を植えても通るのに苦労しない様に見えましても、時には荷物を手に持ったり、傘を差す事もあります。

この様な場所へ植える木は、生育の緩やかな種類を選びたいものですから、
ソヨゴ
ヒメシャリンバイ
アロニア
など、生育が緩やかな植木がおすすめです。

通路の妨げにならない植栽レイアウト

通路の妨げにならない植栽レイアウト

こちらは通路を小庭としてデザインしておりますが、植木はヒメシャリンバイ1本というシンプルな構成です。

ヒメシャリンバイやソヨゴは、植栽時のサイズをほぼ維持していく事が出来る数少ない樹種です。

この様な樹種を選べばアプローチにも手軽に植木を植える事が出来ますので、緑を添えられる場所の幅も広がります。

アプローチ沿いなら下枝の無い雑木もおすすめ

狭い通路で背の高い自然樹を楽しむなら、枝葉を頭上に見ながら歩ける雑木を選ぶのもおすすめです。

園路の傍へ植えても邪魔にならない雑木の魅力

園路の傍へ植えても邪魔にならない雑木の魅力

ヤマモミジやアオダモ、コハウチワカエデなどは生育に連れて下の枝を枯らしていきますので、背の高いものは幹周りがすっきりとしたものが多いです。

下枝が少ない植木であれば木の側を歩いても干渉する事がなく、歩行部分も広く確保する事が出来るのです。

 

ポイント⑤:花や実、紅葉等の季節感で植木を選ぶ

お庭で植木の季節感を楽しむのは、今も昔も変わらない文化と言えます。

植木はそれぞれ季節ごとの美しさがありますので、ここでは花・実・紅葉の代表種を選び、植木選びのご参考として紹介致します。

お好みの花や実が見付かれば、お庭へ植える木として検討してみるのも良いのではないでしょうか。

常緑樹で花を楽しめる庭木

常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス)

常緑ヤマボウシの花
5月~7月開花
ヤマボウシやハナミズキに良く似た花を木全体に咲かせます。
花弁に見えるのは総苞片であり、花は長く咲くのが魅力です。
基本は白花で、赤模様が入るものも流通します。

フェイジョア

フェイジョアの花
6月開花
花弁を食する事が出来るエディブルフラワーとしても有名な花を咲かせます。
花弁は表裏で白と赤に色が分かれた艶やかな花で、洋風・南国調の雰囲気を楽しむ事が出来ます。

オガタマ

オガタマの花
3月~4月開花
バナナの様な芳香が特徴的な白花を咲かせます。
花弁は白ですが、付け根付近が紅色に染まる為、紅白が混じった印象の花になります。
ポートワインと呼ばれる赤花品種もあります。

ブラシノキ(キンポウジュ)

ブラシノキ
5月開花
オーストラリアやニューカレドニア原産の常緑高~低木で、赤いブラシの様な姿が特徴的な花を咲かせます。
葉は小さく尖っており、シャープな印象を感じさせる木です。

アセビ

アセビ
2月~4月開花
古くから庭づくりに用いられてきた常緑低木で、房状に釣鐘の様な花が下がります。
花の形としてはドウダンツツジのにも似ています。
葉や茎にアセトポキシンという毒が含まれており、馬が食べると酔ってしまった様な足取りになる事から馬酔木(アセビ)の名が付いたとされています。

常緑ガマズミ(ビバーナム)

ビバーナム・ティヌス
4月~5月開花
ティヌスを始めレイフレアーズドワーフやハリアナムといった品種が有名です。
日陰でも花を咲かせる事が出来る剛健種であり、庭づくりにおいても重宝する木です。

ギンバイカ

ギンバイカの花
6月~7月開花
5枚の花弁を持ち雄しべが目立つ花が梅に似ている事から、銀梅花と呼ばれる様になった木です。
ハーブとしても有名な木であり、英名ではマートルと呼ばれて親しまれています。

マホニアコンフューサ

マホニアコンフューサの花
10月~12月開花
和名はナリヒラヒイラギナンテン。
寒い時期に黄花を付けるので、寒い時期もお庭を華やかにしてくれる常緑低木です。
しかし花期からスズメバチが寄ってくる年もあり、多くを寄せ植えしたりする場合は注意が必要です。

オオムラ・クルメツツジ類

クルメツツジの花
4月開花
寄せ植えによる造形などで使える低木の常緑ツツジ類。
特にツツジは品種によって花色の種類が豊富で、白や赤、ピンクから紫まで多岐に渡ります。
多くの株を寄せ植えして造形する植栽が一般的です。

キンシバイ

キンシバイ
6月~7月開花
葉が多く茂った中に黄色の花を咲かせる為、花の色がとても引き立つのが特徴です。
旺盛に伸びた枝先はやや枝垂れた樹形になる事から、花もうつむき加減に見えて風情が感じられます。

ビヨウヤナギ

ビヨウヤナギ
6月~7月開花
半落葉の木として位置付けられ、キンシバイの様に生い茂った葉の中でたくさんの黄花を咲かせてくれる低木です。
キンシバイよりも花弁が分かれて開き、雄しべが目立って美しい印象を感じられます。

アベリア

アベリアの花
5月~10月開花
花壇での寄せ植え等に植栽されるアベリアは、剛健かつ花も見られる低木種として重宝されます。
生育期のほとんどを開花して過ごす木で、剪定についても強い切込みに耐える丈夫な面を持っています。
乾燥にも強い為、ビルやマンションの花壇へ植栽される事も多く、賑やかさを演出したい場合に欠かせない低木と言えます。

 

落葉樹で花を楽しめる庭木

ヒメシャラ

ヒメシャラの花
6月~7月開花
白い小さな花が多く付くので、開花期は樹形が白く浮き上がります。
ヒメシャラの枝は放任していれば横から下へ枝垂れてくるため、多くの花が咲いた時にはとても美しい姿となります。

エゴノキ

エゴノキの花
5月~6月開花
垂れ下がる様に下向きの花を多く咲かせます。
花や実にはエゴサポニンという毒素が含まれており、魚毒として漁に使われていた時代もあります。
生育が旺盛なので、余裕のある場所へ植えてナチュラル感を保ちたい木です。

ジューンベリー

ジューンベリーの花
4月~5月開花
桜にも似た白花を多く咲かせ、風情もある美しさが魅力です。
開花期が非常に短いものの、後に付く実も魅力的な庭木です。

ヤマボウシ

ヤマボウシの花
5月~7月開花
中央の小花の集まりを僧の頭、花弁にも見える総苞片を頭巾に見立て「山法師」の名が付いた木です。
葉の中に花を咲かせる様は野趣も感じられ、花期も長いのが魅力です。

ハナミズキ:紅花

ハナミズキの紅花
4月~5月開花
春の新葉展開よりも先に咲かせる花は存在感があり、上を向いた花姿が上品な印象を感じさせます。
紅花~ピンク花は水彩の様に白地に淡く色が付いた印象で、上品な色付き方を見る事が出来ます。

ハナミズキ:白花

ハナミズキの白花
紅花と印象が大きく異なる白花ハナミズキ。こちらは凛とした表情を見せてくれます。
ハナミズキは白花の木の方が葉が青々としていて剛健、木の成長も良いという傾向があり、花色よりも生育面を優先させて白花を選ぶケースも多くあります。

アオダモ

アオダモの花
4月~5月開花
主にナチュラルな樹形を楽しむアオダモですが、花も魅力の一つです。
小さな白花の集合は遠くから眺めると綿の様な美しさを感じられます。

アロニア

アロニアの花
4月~5月開花
小さな花がいくつも寄せ合った状態(散房花序)で非常に美しい花で、花持ちも良いのが魅力です。
流通しているのは赤い実が成るアロニアと、アントシアニンを多く含む黒実が成るチョークベリーの2種類があります。
私が庭づくりで植栽するのは枝が繊細で葉も小さめな赤実のアロニアが多く、自然な雑木低木として重宝します。

ブルーベリー

ブルーベリーの花
4月開花
実が主役の印象のブルーベリーですが、花期はドウダンツツジにも似た花を見る事が出来ます。

ヤマブキ

ヤマブキ
3月~4月開花
レンギョウ等と並び黄花が古くから親しまれる植木。生育の旺盛さを考慮した植栽が大切です。

白山吹

白山吹の花
4月~5月開花
ヤマブキの黄花も美しいものの、樹形も異なり白花の付き方が上品な植木。直射日光は避けて植栽する。

オトコヨウゾメ

オトコヨウゾメの花
4月~6月開花
ナチュラルな低木雑木として魅力的なオトコヨウゾメ。新葉の展開後に付ける可憐な小花は野趣も感じられる美しさです。

リキュウバイ(利休梅)

リキュウバイ(利休梅)の花
4月~5月開花
茶花として親しまれた事から名付いたリキュウバイの花は品があり、枝先に咲く様が風情を感じさせます。

ダンコウバイ

ダンコウバイ
3月~4月開花
春早くに花を付ける黄花として、サンシュユやマンサクと共に知られています。低~中木の雑木として植栽する事が多く、野山での春の訪れを感じる様な植物です。

ハナズオウ

ハナズオウ
4月開花
白花~黄花の多い落葉樹の中で、ひときわ鮮やかな色彩を見せるハナズオウの花。花の色はツツジ類やユキノシタの色と似ています。

ユキヤナギ

ユキヤナギ
4月開花
柳の様に枝垂れた樹形へ一面に小花を咲かせる事で知られています。木のサイズを維持する為にも、花後の剪定作業が大切になります。

落葉のツツジ類

ミツバツツジの花
多くが4月開花
ミツバツツジやドウダンツツジの他、落葉ツツジ類の品種は多数あり、庭作りの際はなるべく剛健な物を選びたい。

 

実なりを楽しめる植木

お庭で実が成るのは楽しいものです。収穫・食用となる果樹は限られますが、庭木の実は観賞用も多く、食用だけではありません。

昔は大きな柿の木や栗の木、ミカン、ビワなどをよく目にしましたが、これらは成長によって樹高や幅が大きくなってくる為、近年の住宅事情では気軽に植える事が難しくなりました。

弊社は実成りの植木を選ぶ際は、生育面や環境を考えてご提案を致しております。

ジューンベリー

ジューンベリーの実
食用も可能で、多くの赤い実を付ける。ただし生育により樹高が高くなると収穫が困難になり、放置した実は落下して周辺が汚れやすくなる。

ブルーベリー

ブルーベリーの実(ハイブッシュ系)
食用が可能で庭木としても扱いやすい植木。特にハイブッシュ系の品種は葉も肉厚で実が大きく、樹形も乱れ難く丈夫。

ヤマモモ

ヤマモモ
食用も可能な有名な実で、実成り品種は「瑞光」「森口」が有名。放任では大木になる為、最低でも3m~での樹高管理を想定する。

アロニア

アロニアの実
実成り時期が早く、秋に赤く染まるまで付き続ける。鑑賞用の赤味の他、加工用として黒実が付くアロニアはチョークベリーと呼ばれる。

オリーブ

オリーブの実
造園・庭作り用としてはスプレッシーノと呼ばれる樹形重視のものが主流。実成りの為には他品種のオリーブとの近接が必要とされる。

ソヨゴ(雌木)

ソヨゴの実
花は存在感が小さいものの、実がなると秋に色付いて美しい。実が小さい為、多く成ると繊細な美しさを見せる。

ナツハゼ

ナツハゼの実
黒い実が幾つか垂れ下がり、加工して食用とする場合もある、野趣ある植木。日向では葉焼けを起こすも、暗い日陰でも育ち難い。周囲に風通しが確保されたような明るい日陰だと育ちやすい。

ツリバナマユミ

ツリバナの実
食用ではないものの、実が成った姿が美しい。直射日光を避けて暗い場所へ植えてしまうと花~実が付きにくい。

ユズ・キンカンなど

キンカンの実
ミカンと比べやや小さな姿で樹形を維持する事が出来る柑橘類がお勧め。ミカンは美味しく作る事が難しいものの、ユズやキンカンなら薬味やハチミツ漬けで楽しめる。

 

紅葉を楽しめる植木

植木が美しく紅葉する様はとても美しいものですが、紅葉の具合は環境による影響が大きく、どこでも山の様な色合いを見れる訳ではありません。

しかしやがて根を張って落ち着いた頃になると綺麗に色付く例もありますので、長い目で期待する事も大切です。

尚、ジューンベリーやブルーベリー、アロニアなど、比較的簡単に綺麗な紅葉を見せる植木もあります。

イロハモミジ

イロハモミジの紅葉
夏場の環境や昼夜の寒暖差によって紅葉具合が異なる。

小さな繊細な葉が樹形に沿って染まる姿が美しい。

コハウチワカエデ

コハウチワカエデの紅葉
ヤマモミジよりも葉が少ないものの、それによる上品な樹形が紅葉を引き立てる。

ヒメシャラ

ヒメシャラの紅葉
植栽場所や年により色味が異なるが、赤く染まる際は非常に濃い紅色も見せる。

ナツハゼ

ナツハゼの紅葉
生育場所を選ぶものの、自然に生えてきたかのような山間低木の雰囲気が美しく、樹形と紅葉のバランスが特に美しい。

アロニア

アロニアの紅葉
実の色付きと共に葉も見事な紅色に染まる植木。自然味豊かな樹形に対して生育も緩やか。

ブルーベリー

ブルーベリーの紅葉
特にハイブッシュ系は枝までも真紅に染まる見事な紅葉。赤味は真紅と言える程で、かつ手軽に紅葉を楽しむ事が出来る植木。

オトコヨウゾメ

オトコヨウゾメの紅葉
ナツハゼと同様に生育場所を選ぶ植木。特に葉焼けを起こしやすいが、健康に育った際は自然味豊かな表情を見せる。

ドウダンツツジ

ドウダンツツジの紅葉
落葉樹の中では最も剪定方法を問わない植木で、刈り込みによって色々な形に整形が可能。

丈夫さの反面夏の直射日光には非常に弱く葉焼けしやすいので、紅葉前に葉が傷まない様に注意。

常緑樹(半落葉含む)ながら色付きを見せる植木


ヒメシャリンバイ:成育が緩やかで丈夫な為、植栽場所も自由が効く。古くなった葉が落ちる際に赤くなる事があり、通常の緑葉とのコントラストが楽しめる。

紅花トキワマンサク:元々紅色を帯びた葉が秋になると部分的に真紅に染まり、紫と赤が混じる美しい姿になる。日陰に植えると葉に艶が出て美しいものの、葉そのものが大きくなって花が付きにくくなる。

ビヨウヤナギ:低木類として扱える、黄花が美しい植木。半常緑(半落葉)の植木にあたり、落葉する葉が美しい紅色に染まるのが特徴。

 

まとめ

植木選びの5つのポイントを季節の美しさと共に解説致しましたが、如何でしたでしょうか。

植木には多くの種類がありますが、実際は住宅のお庭に向く樹種は限られているものです。

是非このページで解説を致しました「植木選びのポイント」をご参考戴き、住まいに合う植木を見付けていただければ幸いです。

また、庭木としておすすめな樹種の特徴や育て方の記事一覧の方も併せてご参考戴けると思います。

植栽・植樹工事のご依頼をご検討されるお客様は、弊社へのお問い合わせ方法をご参考の上、お声掛けをいただければと思います。

 

執筆者:新美雅之(新美園HP作成・作庭者)

執筆者:新美雅之図鑑や写真集では解りにくい庭木の解説や庭デザインについて、お気軽にご参考いただけるコンテンツを目指して日々執筆しています。