「庭に目隠しをしたいけど、フェンスを設置する程でもないし、圧迫感が心配」

そんなお悩みにお応えするのが、目線をカットしたい場所へ庭木を植えて目隠しとする、つまり植栽によって目隠しをする方法です。

庭木で目隠し対策をする方法とメリット・デメリット-視線カットにおすすめな常緑樹32種類もご紹介

目隠し対策といえばフェンスが連想されますが、庭木による目隠し対策なら自然な景観で気持ちが良く、私もこれまでに多くの庭木を目隠しとして植栽してまいりました。

こちらのページでは庭木で目隠し対策を行うメリットやデメリットを始め、庭木による目隠しの具体的方法や対策パターンにも触れながら、視線をカットしやすい常緑樹の種類やそれぞれの特性を解説していきます。

 

庭木による目隠しで得られる5つのメリット

フェンスとは異なり庭木の植栽によって行う目隠し対策では、得られるメリットも多くあります。
まずは庭木による目隠しが持つ、独自のメリットを解説していきます。

メリット①:対策費用がフェンスより安く済む

フェンスよりも安い、庭木による目隠し対策

フェンスよりも安い、庭木による目隠し対策

目隠し対策をフェンスによって行う場合、その素材や高さにもよりますが材料費だけで約2m辺り40,000~50,000円程の価格となる事も珍しくはありません。
これに対し庭木による目隠し対策であれば樹種による価格の選択幅も広く、幅約1mの目隠しが可能な庭木であれば約8,000~30,000円という中から選択する事も出来ます。

工事費については更にフェンスの場合よりも安くなり、庭木による目隠し対策は費用面で優れていると言えます。

 

メリット②:目隠しの存在感が自然に見える

存在感も自然な植栽による目隠し

存在感も自然な植栽による目隠し

フェンス類による対策をしますと、隣家対策であった場合に「見えない様に塞がれた」という心象を持たれる事がありますが、植木を植えた目隠しであれば存在感は自然なものになります。

これは庭に植樹をするのは自然な事であり、視線対策である事を感じさせない為です。

フェンス類は工事期間もある程度必要な他、電動カッターやコンクリート生成などを伴いますので、いかにも目隠し設置工事という印象も強くなりますが、庭木の植栽であれば庭に緑を添えるのみだので工事期間も短く済ませられるというメリットがあります。

 

メリット③:ピンポイントの目隠しに対応出来る

フェンスなどでは不自然に見えてしまう幅1m以内の目隠しも、庭木が1本植わっている風景ならごく自然に見えるものです。

例えば「玄関ドアだけを隠したい」「窓の前だけを隠したい」等、こんなピンポイントの目隠しであれば庭木による対策が大変おすすめと言えます。

単独の植栽で玄関を目隠し

単独の植栽で玄関を程好く隠す

窓の前や玄関ドアの為だけに目隠しフェンスを設置すると、余程デザイン性に優れたものでないと圧迫感を感じてしまう他、いかにも目隠し対策を行っているといった見た目にもなります。

尚、玄関周りなどへの植栽をお考えの場合は、人の背丈ほどの低木タイプの庭木を選ぶのが良いでしょう。
庭木の傍を歩く事が多い場合は、成長が緩やかな木や、毛虫が発生しにくい木を選んでおくのも大切なポイントです。

目隠し効果を取り入れながら、おしゃれな玄関周りへイメージチェンジをしてみましょう。

 

メリット④:庭木ならお住まいの景観向上に

目隠しの庭木が景観の向上に

目隠しの庭木が景観の向上に

目隠しを目的とした植栽とはいえ、庭木はお住まいを格段に引き立ててくれるものです。

美と実用性を兼ねた庭木による目隠し対策は古くから行われてきた美的文化でもあり、建物や樹種が変わった現代でも必要とされています。

目隠し対策に適した樹種は数多くあり、樹姿のお好みや建物とのマッチングを取り入れた目隠しをする事が可能です。
美しい葉や花のある目隠しも実現可能ですし、是非お住まいの景観向上も併せて考えてみては如何でしょうか。

 

メリット⑤:フェンスでは難しい高い場所も目隠し出来る

フェンスでは届かない場所まで目隠し

フェンスでは届かない場所まで目隠し

一般的なフェンスの高さである1.8~2mですと、目隠しが必要な高さに到達出来ないケースもあります。

しかしこの点、庭木であれば樹高2~3mは小振りな部類に入る程で、生育に適した広さのある場所なら数mの高さまで目隠しをする事が可能になります。

数mの高さを持った庭木の列植は高垣とも呼ばれ、特に背の高い生垣を指します。
一昔前は目隠しと防風を兼ね備えたマキやモチの木を使った高垣が多く作られ、現在でも山間や土手沿いにその姿が残っています。

尚、高垣の剪定・管理は技量も要し危険も伴いますので、年に一度でも植木屋さんによるお手入れが必要と踏まえ、予め管理コストを考慮しておく必要があります。

 

庭木による目隠しで生じる3つのデメリット

ここまでは庭木で目隠し対策を行うメリットを解説してまいりましたが、反対に目隠し対策に庭木を用いた事で生じうるデメリットや注意点もあります。

対策前に踏まえておきたい事ですので、是非ご参考下さい。

スペースを狭くする事がある

フェンスであれば厚みが10cm以下というスリムである所、どうしても庭木は幅とほぼ同じ位に奥行きも持っています。
多くの場合庭木を上から見れば円形の形を持っており、植栽を行うと手前にも出てくるという訳です。

狭い庭で庭木による目隠しを行うとそれだけで庭の面積を使い切ってしまう事もあり、事前に木のサイズ感を立体的に考えておく事が大切です。

 

掃除が必要になる

目隠し対策として庭木を植えれば、必ず必要になるのが掃除です。

目隠し対策として選んだ木であれば常緑樹、だから落ち葉は無いのでは?というご意見もあると思いますが、常緑樹は成長期に多くの葉を落とします。

また、落葉樹の落ち葉であれば幾らか飛散していきますが、常緑樹の葉は真下へボタボタと落ちて溜まっていき、さらに自然に腐りにくいという特性もあります。
ですので常緑樹の葉だからこそ掃除が不可欠であり、花を咲かせる樹種であれば落ちた花の掃除も必要になります。

特に常緑樹の落ち葉を堆積させると湿度が高まって病虫害の発生に繋がりますので、目隠し対策として庭木を使う場合は「掃除がしやすい環境かどうか」も検討されるのが良いでしょう。

 

メンテナンスが必要

フェンスとの最も大きな違いが、目隠し対策後のメンテナンス有無と言えるでしょう。

目隠しフェンスであれば設置後は本体の拭き掃除程度のメンテナンスで済みますが、庭木の場合は

  • 水やり(植栽した年は特に)
  • 剪定
  • 病虫害対策

が必要になってきます。

特に剪定については、目隠し目的の庭木の場合は枝葉密度を保持する必要があり、枝透かしを行った庭木よりも病虫害のリスクが高まります。

これについては

  • 少しでも害虫や病気の害を受けにくい樹種を選ぶ
  • 庭木の目隠しは風通しの良い環境で行う

といった様に事前計画において回避出来る事もありますので、庭木による目隠し対策を検討される場合はこれらも考慮しておくのが良いでしょう。

 

庭木による目隠し方法:6つのパターン

庭木の植栽によって目隠し対策を行う場合、目隠しが必要なレベルや場所によって植栽方法は大きく6つのパターンに分けられます。

どの植栽パターンを採用するかは場所や目隠しの必要具合によって決まりますが、せっかく庭木を使って目隠しを行うのであれば、景観的にお好みのパターンを選ぶのも良いでしょう。

それでは目隠しを目的とした植栽パターンを順番に解説していきます。

1本ずつの植栽でピンポイントに目隠しをする

最もポピュラーで、手軽に取り入れられる目隠し方法です。
目隠しをしたい場所や方向が明確に定まっている場合に応用する事ができ、植栽する庭木も最低限の本数で済みます。

リビング窓をピンポイントで目隠し

リビング窓付近へピンポイントで植栽

目隠ししたい場所の前にピンポイントで庭木を植栽するという方法で、これは一か所に限らず点々とレイアウトしても植栽デザインとして自然に見えます。

尚、庭づくりの際は予め目隠しが必要な箇所をデザインに組み込んでおき、植栽時には目隠し効果のある木を植える様にしています。
つまり庭木による目隠し対策は庭作りの中でも自然に含まれるケースが多いのです。

ピンポイントの目隠し植栽であれば1本ずつが独立している為、風通しも良く庭木の生育も良好となり、歩行や駐車などの生活動線を踏まえた植栽計画をすれば生活の邪魔になってしまう事も避けられます。

このピンポイントの目隠しを目的とした植栽の場合、その庭木が目隠し対策とシンボルツリーを兼ねる事が多い為、樹形が美しい木、単独植えでも見栄えの良い木を選ぶ事となります。

 

庭木を寄せ植えして目隠し範囲を広げる

庭木1本ではカバーしきれない、やや広い範囲を目隠ししたい場合に有効なのが寄せ植えであり、同じ種類の庭木を植える事もあれば、異なる樹種を組み合わせて賑やかな景観に見せる事もあります。

庭木同士の隙間は植栽する樹種のサイズや成長速度によって取り決め、多くの場合は植栽当初に成長の為の間隔を設けておきます。

生垣では目隠しするのが難しい、高い位置を広範囲で目隠しする方法としても有効です。

同じ種類の庭木を寄せ植えした、自然な目隠し

同じ種類の庭木を寄せ植えして目隠しに

同じ種類の庭木を寄せ植えして目隠しに

上の写真の事例では2株のシラカシを寄せ植えして、幅広い範囲の目隠しを行っております。

同種の庭木の寄せ植えであれば、枝同士が接触・交差をしても違和感が無い為、隙間を感じない緑の壁に育てていく事が出来ます。

同種の寄せ植えであれば枝葉同士が接触しても自然に見えるというメリットはありますが、枝葉が密生し過ぎると病虫害が発生したり圧迫感も感じる様になる為、主に枝透かしを目的とした剪定を適宜行う事が必要になります。

シラカシの場合は成長力が非常に強いので短期間で強い目隠し効果を得る事が出来ますが、この様な管理が必要になる事を想定しておきましょう。

成長が緩やかなソヨゴを目隠し用に列植

成長が緩やかなソヨゴを目隠し用に列植

上の事例では、シラカシとは対照的に成長が非常に緩やかであるソヨゴを列植して目隠しを構築しています。

木々の隙間が成長によって埋まるまでには年月を要する為、植栽当初から目隠し効果を発揮したい場合は間隔を狭めて本数を多くする必要が生じます。

基本的にソヨゴの様に成長が緩やかな樹種は高価である事が多いのですが、成長が遅ければメンテナンスに追われたり越境等を気にする機会も少なくなり、植栽時の費用が大きくなったとしても後々の管理費用は確実に軽減されます。

尚、目隠しを目的とする場合は幹が複数本立ち上がる「株立ち樹形」に拘る必要は無く、一本幹の「単幹樹形」の木を柔らかく伸ばした方が美しく見え、木自体の価格も抑えられるというメリットがあります。

また、幹の本数が多い株立ち樹形よりも剪定の手間が軽くなるという点も抑えておくべきでしょう。

異なる種類の庭木を寄せ植えした、賑やかな目隠し

多種類の庭木を寄せ植えして目隠しに

多種類の庭木を寄せ植えして目隠しに

同じ種類の庭木の寄せ植えは「緑化」や「生垣」というイメージでありますが、この様に多くの種類の庭木を寄せ植えすれば、眺めるのも楽しい目隠しとなります。

目隠し効果を得られる庭木の種類は限られますが、葉の色の違いを楽しんだり、花を楽しんだり、樹種によっては実も楽しめる目隠しを作る事が出来ます。

写真ではトキワマンサクやギンバイカ、フェイジョアやホンコンエンシス等を適切な隙間を空けて植栽しています。

異なる種類の寄せ植えで肝心なのは木々同士の隙間を程よく維持していく事であり、同種の列植よりも適切な空間作りを意識した剪定が必要となります。

樹種だけでなく樹高やレイアウトにも変化を持たせる

樹種だけでなく樹高やレイアウトにも変化を持たせる

こちらの事例でも多種類の庭木を目隠しとして植栽していますが、樹種だけでなく樹高にもリズム感を持たせています。

窓の前など、特に目隠しが必要な箇所へは樹高の高いフェイジョアやソヨゴを植栽し、それ以外の場所へは樹高を抑えたトキワマンサクや斑入りマサキによって視線をカットしています。

また、単純に横並びに植えられた列植にも見えますが、実際は樹種ごとに木の位置を僅かに前後させたレイアウトを行っています。
この「木を前後させる」植栽レイアウトは木々が伸びた際にすぐさま木同士が接触する事がなく、重なり合う様に交差して育っていく事になります。

目隠し目的であればこの交差して育っていく形が非常に有効で、木が前後に重なり合って育つ事で異なる樹種同士の隙間も塞ぐ事が出来るという訳です。

目隠しの為の植栽であれば効果を高められるレイアウトですので、木々を前後させる余裕があるかどうかを是非確認されてみては如何でしょうか。

 

生垣を作って長距離を目隠しする

生垣とは、丸太や竹を使用して組み上げた骨組みに植木を列植して縛り付けた、壁状の植栽を指します。

生垣は施工直後ですと十分な目隠し効果を得られない事もありますが、木の成長と刈り込み剪定を繰り返して枝葉の密度を高める事で、緑濃い壁として仕立てていく事を想定します。

道路側全面を目隠しする生垣

道路側全面を目隠しする生垣

道路沿いに境界となる塀やフェンスが全く無いケースですと目隠しをしたい距離が2mや3mでは収まらず、10m以上の目隠しが必要な事もあります。

この場合は長距離でも圧迫感も少なく済む生垣の設置がおすすめで、目隠しを兼ねた美しい景観を取り入れる事が出来ます。

生垣は樹種によって和風・洋風それぞれの持ち味を表現でき、これはお住まいのイメージに合わせて選ぶ事となります。

生垣用の庭木は成長力やメンテナンス性もそれぞれ異なりますので、条件に合った樹種選びを行いましょう。

関連記事>>>生垣とは?メリットや注意点、生垣におすすめな25種類を花・洋風・低木等のテーマ別にご紹介

 

庭木以外の素材と組み合わせておしゃれな目隠しに

上で解説の生垣ですと目隠し面は緑の壁といったイメージですが、庭木と他の素材を組み合わせる事で軽やかでおしゃれな目隠しを作る事も出来ます。

枕木と庭木を組み合わせた目隠し

枕木と庭木を組み合わせた目隠し

こちらの例では立てて設置した枕木と庭木を組み合わせて目隠し対策を行っています。

生垣の場合は全面が一つの壁になりますが、この方法ですと一本一本の庭木のディテールを残す事が出来ます。

例えば写真のコニファーは円錐型の樹形が持ち味でありますが、生垣にしてしまうとこの樹形を見る事が出来なくなります。

しかし他の目隠し素材と組み合わせれば写真の様に樹形を残して育てる事ができ、おしゃれな目隠しとして楽しめます。

剪定の際は都度、樹形を大切に維持する様にしましょう。

 

フェンスの目隠し効果を庭木で補助する

目隠しフェンスは多くの種類がありますが、完全に目線を遮断するタイプから、やや視線を通すタイプもあり、フェンスの構造によっては「隙間」が存在する事もあります。

少し目隠し効果が不足しがちな場合、フェンスの側に庭木を植える事で目隠し効果を向上させる事が出来ます。

フェンスの目隠し効果を補助する庭木

フェンスの目隠し効果を補助する庭木

写真はルーバータイプの樹脂フェンスですが、構造上、板材同士に1cmの隙間が生じます。

この隙間は目線を通してしまう為、フェンスの前に庭木を植えて目隠し効果をアップさせています。

通常ですと目隠しの為には常緑樹のみの選択を行いますが、フェンスの補助の場合は落葉樹でも効果をまかなえる事があります。

また、目隠しフェンスがスクリーンとなって庭木の存在を引き立てる効果もあり、目隠し面だけではなく景観向上の効果も得られる手法です。

 

プランターでの目隠し植栽

土の無い場所で目隠しが欲しい時は、プランターを利用して植栽をセットする方法もあります。
バルコニーやコンクリート土間、既に整備されたアプローチ上など、土の無い場所でも植木を植える事が出来ます。

実際に設置を行った様子につきましては、プランターへの植栽施工例一覧をご参考下さいませ。

プランター特有の環境を考える

プランターならバルコニーの目隠しも

プランターならバルコニーの目隠しも

あらゆる場所へ庭木の設置を実現できるプランター植栽ですが、非常に土が乾燥しやすい事は考慮する必要があります。
設置の際は付近に水遣りの為の蛇口・水栓設備があるかどうか等を確認する事をおすすめします。

また、プランターの庭木は生育上、どうしても庭植えの木程の元気さを見る事は難しい現実があります。

数年~毎の植え替えを視野に入れる事が望ましくはありますが、コスト面を考えてサイズの小さい木を選んでおく事も有効です。

景観面もアップする楽しい目隠しに

バルコニーをおしゃれに目隠しするプランター植栽

バルコニーをおしゃれに目隠しするプランター植栽

プランターによる目隠しのメリットとして、植栽そのものがおしゃれなマテリアルとして機能する事が挙げられます。

プランター自体をおしゃれな意匠の物にするだけで、設置場所の景色は格段に美しくなり、植栽された庭木との兼ね合いも楽しく見えます。

目隠しの必要な高さは一般的に1.8m程のご希望を戴く事が多いのですが、プランター植えの場合は根鉢が床面よりも上がる為、1.5m程の小振りな木でも高さのある目隠しが可能となります。

プランター植栽の設置で注意したいポイント

プランターは頑丈な物(強化セメント製)を使う事も多く、この場合はプランターの重量も重くなります。
バルコニー等、床面になるべく負荷を掛けたくない場合は強化プラスチック(FRP)製の軽量プランターを使用する事がおすすめです。
また、土も軽量な土や改良土を使用して、なるべく床面への負荷を軽くする事が望ましくあります。

植栽には強風対策が必須であり、プランターの転倒防止を視野に入れておく事が大切です。

通常は植栽同士を横棒で結束し、その棒を背後の手すりなどと縛って結束する方法を取ります。
植栽同士の距離を空けた場合は、木と手すりを直接結んでおくのが良いでしょう。

プランターや鉢植えに向いた庭木とは?

プランターや鉢植えに向いた庭木とは

プランターや鉢植えに向いた庭木とは

先にご説明の様に、プランターは水遣りが日課になる程乾燥しやすい環境です。

ですので植える木は必然的に「乾燥に強い木」が求められ、いわゆる剛健種と呼ばれる木を選ぶのが基本となります。

一般的には常緑樹を選択する事となりますが、明るい半日陰等の環境ですと乾燥が緩やかになる為、落葉樹を選ぶ事も可能となります。

プランター・鉢植えに向いた人気樹種ですと

  • オリーブ
  • シマトネリコ
  • ギンバイカ
  • マキ・ラカンマキ
  • ローズマリー
  • アベリア
  • コニファー類
  • 各種ツル性植物

が代表的であり、これらを組み合わせる事でおしゃれな目隠しポイントを作り出す事が出来ます。

目隠し効果だけを考えるのではなく、色使いも組み合わせて楽しんでみましょう。

 

目隠しにはどんな庭木を選ぶ?

植物による目隠し方法について触れてまいりましたが、肝心の庭木種類はどの様な木を選べば良いのでしょうか?
庭木の種類全体を考えてしまいますと多岐に渡りますので、ここでは目隠しに向く庭木の特性面をご紹介致します。

常緑樹

まず目隠しの樹種選びは、一年を通して葉が付いている「常緑樹」から選択するのが一般的です。
冬に葉が落ちてしまっては目隠し効果が激減してしまう為、まず押さえておきたいポイントと言えます。

もちろん多くの落葉樹を植える事で視線をカットする事も出来ますが、最低限の本数で効率よく目隠しを行う場合は常緑樹が向いており、この中から環境に合う樹種やお好みの樹形や葉を持つ樹種を選ばれるのが良いでしょう。

 

葉密度が高い木

目隠し用の庭木であれば、木の向こう側が透けて見えない葉の密度が求められます。
これは小さな葉がたくさん付いている庭木が優れており、美しい壁の様に見える事も求められます。

目隠しに向く、葉密度の高い庭木

目隠しに向く、葉密度の高い庭木

細かな葉が多く付いている庭木であればしっかりとした目隠し効果を発揮でき、美しい自然な仕上がりに見せる事が出来ます。

葉が大きい庭木を目隠しにすると?

目隠しの木と言えば大きな葉を連想する方もいらっしゃるかと思います。
しかし葉の大きな庭木は剪定を行って葉数が少なくなった際、驚く程に目隠しの効果が失われるケースが多いものです。
例えばカクレミノなどは昔から目隠しとして知られた庭木ですが、剪定の度にほぼ幹と枝しか残らないという結果となります。
大きな葉でも内側に葉が残る庭木であれば、ツバキ類などが該当しますのでご参考下さい。

 

萌芽力が強い木

庭木は必ず成長・生育するものであり、定期的な剪定・刈り込みは必須となります。
これにより枝がカットされた際、再び切り口付近から芽が出て枝が再生する力、この「萌芽力」が目隠しの庭木にとっては重要となります。

切り口からの萌芽力

切り口からの萌芽力

こちらはソヨゴの枝、切り口から2か所に芽が吹いてくる様子です。
普段は枝葉が少ないソヨゴですが、意外にもこの様な萌芽力を持っている為に目隠しの庭木としても活用する事が出来ます。

枝分かれを促して葉密度を高める

萌芽力は切られた場所からの枝葉再生に有効ですが、この力を活かせば枝葉の数を増やしていく事が出来ます。

切り口から枝分かれを促す

切り口から枝分かれを促す

目隠しを念頭に行う剪定により、写真の様に一か所の切り口から2~3つの芽が吹く事により枝分かれが行われ、結果枝葉が多くなるという仕組みです。
つまり植栽当初は目隠し効果が薄い庭木でも、度重なる剪定に対する萌芽力によって葉密度の高い木へ成長させる事が出来るのです。

 

剪定・手入れがしやすい木

目隠しの為の庭木ですから、剪定の際は密度を薄くする透かし剪定を行う事は少なく、多くが表面刈り込みを中心とした作業になります。

刈り込み手入れのしやすさも重要

刈り込み手入れのしやすさも重要

ほぼ刈り込みによってのみ維持が出来る庭木であれば、ご自身での管理も行いやすいものです。
特に生垣などは年に2~3回程刈り込んだ方が仕上がりが格段に良くなる為、手軽に鋏を入れられる様な、手入れのしやすい庭木がおすすめです。

DIYにて庭木を手入れされたい方は、予め目隠しの庭木もコンパクトに設計しておくと良いでしょう。
後述でご紹介する低木類を始め、生垣の場合も高さを低く抑えておく事がおすすめです。

 

害虫が付きにくく病気にもなりにくい木

庭木による目隠しのデメリットの項目でも解説しましたが、目隠し目的の庭木は葉密度を維持する必要がありますので、これが病虫害に遭いやすいという見方も出来ます。

これに対しては予め虫や病気の被害に遭いにくい木を選ぶ事が有効で、特に
コニファー類
ソヨゴ
オリーブ
マキ類
フェイジョア
シャリンバイ類
が代表的ではあります。

しかし樹種選びと同じく植栽環境は非常に重要で、庭木による目隠しを計画する際は病虫害が発生しにくい「明るく風通しの良い場所」が最も適しているという事を踏まえておきましょう。

 

高さ2m以上の目隠しにおすすめな常緑樹

目隠し用として使える庭木は、具体的にどの様な種類があるのでしょうか。
ここからは庭でも使いやすく、実際に弊社でも目隠し用として植栽する事もある樹種をご紹介してまいります。

まずご紹介するのは高さ2m以上の目隠しにおすすめな常緑樹です。

これらの樹種は背を低く維持する事が難しい庭木であり、樹高を無理に低く切り詰めると返って成長が早くなって樹形も崩れますので、植栽時からある程度の樹高を許容しておきましょう。

シラカシ


シラカシは葉が細長く、正しい剪定によって柔らか味のある目隠しに出来ます。
無理に背を低く切り詰めた際の反動が激しく樹形を著しく乱す為、植栽計画時から高い位置への目隠し用と意識しましょう。
樹高の高い生垣として使う事もあり、葉密度を保持する為に刈込によって維持される事もありますが、シラカシは内部の風通しが悪くなるとうどん粉病を発症しやすく、毛虫の被害も受けやすくなります。
目隠し効果はやや下がりますが、適宜枝透かしを伴う剪定を施す事が大切です。

アラカシ

アラカシ
シラカシよりも葉が大きく少ない為、強い目隠しには不向きな一面も。枝透かしをした姿が美しい為、やや弱めの目隠し用として和風の庭へもマッチします。
関東ではシラカシが多く使われますが、関西ではカシと言えばアラカシを指す事もあり、京都では列植されたアラカシを多く見る事が出来ます。
通風を保持したいのはシラカシと同様であり、軽く透け感を持った樹形で程良い目隠しに使うのが良いでしょう。

ウバメカシ

ウバメカシ
シラカシやアラカシとは一風異なる雰囲気を持つ庭木で、小型で丸みのある葉が密生して強い目隠し効果を発揮してくれます。
1本植えはもちろん、大規模であれば生垣を構成する事もあります。
自然味も感じられる常緑樹ですので、落葉樹が多くなりがちなナチュラルガーデンの目隠しポイントへ植栽するのもおすすめで、耐陰性も持っているのでやや日陰の場所での目隠しにも使う事が出来ます。

チャボヒバ

チャボヒバ
古くは生垣用としても植栽されてきたチャボヒバ。ヒノキ系統としては稀な生育の緩やかさであり、きめ細かで密度の濃い壁を形成する事も可能です。刈り込みはさくさくとした感触で行いやすく、美しい目隠しを作りやすい庭木です。密度の高さから蜂の巣を作られやすいので注意しましょう。
また、針葉樹の特性として陽の少ない場所に植えるとすぐに枝葉が少なくなって枯れが広がってきますので、遮蔽物の無い明るい場所での目隠し対策に使う様にしましょう。

シマトネリコ

シマトネリコ
近年よく見掛けられる様になったシマトネリコですが、どこへでも植えられる植木とは異なります。
その生育の強さから、大きくするのを前提とした高所の目隠しとして植栽する事をおすすめします。
日中絶えず陽当たりを確保できる場所であれば下部の枝葉も健康に育ちますが、やはり上半分の成長が旺盛になってくる事を踏まえ、高い位置の目隠しとして植栽するのが良いでしょう。

オリーブ

目隠し仕立てのオリーブ
オリーブといえば枝が揺れる爽やかな樹形をイメージされるかと思いますが、実はオリーブも仕立て次第で枝葉が密生した樹形にする事が出来ます。

オリーブは幅を詰める剪定、言い換えれば刈り込みの様な剪定を繰り返す事で密度の濃い目隠しになりやすいものです。

シマトネリコの様に下枝を極端に減らす事も稀で、陽当たりの良い場所であれば上から下まで枝葉が多く付いた目隠し向きの庭木にする事が出来ます。

ヤマモモ

ヤマモモ
ヤマモモは目隠し用としても古くから親しまれてきましたが、生育に伴い必然的に横幅が増してきます。おすすめの植栽としては広い庭の中で単独で植えるレイアウトになります。
ヤマモモの遠く向こう側に隣家の窓があったり、広い庭の角を緑で埋めたい場合等、視点から距離のある位置への植栽に適しています。
剪定からの萌芽力が強いので、剪定の際は思い切った枝透かしが有効です。

ゴールドライダー(コニファー)

ゴールドライダー
比較的刈り込み維持がしやすいコニファーとしては、ゴールドライダーがお勧めではあります。
他にもコニファーとしてゴールドクレストやエメラルドグリーン、エレガンテシマも挙げられますが、刈り込みが追い付かず段々と膨れ上がってきてしまうケースが多くあります。
何よりもコニファーは日陰に対して非常に弱い為、ある程度伸びて日陰になった枝元の葉がすぐに枯れていってしまいます。
この点、ゴールドライダーは懐の枝葉が生き残りやすい特性があり、これが目隠しに向く葉密度の高さの要因となっています。

キンモクセイ

キンモクセイ
古くから庭木として親しまれてきたキンモクセイは、目隠し植栽としても多く用いられてきました。
ですがキンモクセイが活躍した時代は個人邸の庭面積も広く、背の高さに比例して大きくなる幅にも対応が出来ていましたが、近年では中々維持が難しい庭木と言えます。
広い面積が確保でき、スケールの大きな目隠しが必要な場合には、剛健で目隠し効果の高い植栽としてお勧めする事が出来ます。

ツバキ

ツバキ
日陰や北側等で美しく目隠し効果を発揮してくれるツバキ類は、仕立てによって中木~高木まであらゆるサイズの目隠し範囲をカバーします。
ヤブツバキ等はスケールの大きな目隠しにも対応ができ、写真の木は1年に1度の刈り込みによって、30年程維持を続けています。目隠し植栽としながらも花を楽しめる側面が魅力的ですが、毛虫(チャドクガ)の発生を予防する措置は必須となります。

ラカンマキ(仕立物)

ラカンマキ
ラカンマキは生垣としてお勧め出来る木として下部でもご紹介を致しておりますが、古くはこの様な刈り込み仕立てをされた樹形も一般的でした。
3m程度の高さがあれば生育は非常に緩やかで、密度の高い濃緑葉によって確実な目隠し効果を保持する事が可能です。
また、マキ類はある程度の耐陰性も備わっているので北側への植栽にも向いており、暗い庭の木にありがちな、足下の葉が少なくなる事象も起こり難い特性があります。

ヒメユズリハ

ヒメユズリハ
ユズリハと言えばとても大きな葉を持つ常緑樹として有名ですが、こちらの「ヒメユズリハ」はやや葉が小さく、密生気味に付く葉が目隠しとして役立ちます。

丸みのある樹形で3m程の樹高で維持する点としてはヤマモモやツバキと共通しており、ヒメユズリハであれば洋風の目隠しとしても違和感なくマッチします。

ただし葉が大きい為、剪定によって葉が減った際は目隠し効果を失いやすい為、この点は留意しておくのが良いでしょう。

大名竹(ダイミョウチク)

大名竹
大名竹は細竹が株立ち状にまとまった竹で、竹類の中では小型で庭植え向きです。完全な目隠しとしては向きませんが、列植すれば竹林の風情で落ち着ける空間になります。ですが地下茎が走って竹が増えてきますので、花壇状に囲まれた場所への植栽が必須です。また、落ち葉が多いので頻繁に掃除が必要となる事も考慮しておきましょう。

黒竹(クロチク)

黒竹
黒竹は古くは鉢植え物などでよく流通しており、玄関先でその姿をよく見掛けたものです。
樹形は大名竹と共通して株立ち作りが流通していますが、黒竹の方が細い印象を受けます。
日陰地でもよく育ちますので、狭い場所へ植えて繁殖に手を焼く事も考えられます。必ず根が広がらない環境へ植栽し、水遣りは頻繁に行う様にしましょう。

 

目隠しに適した常緑低木

ここからご紹介するのは剪定によって人の背丈程の樹高で目隠しの維持が出来る庭木です。

目安としては高さ1.5m~2mエリアの目隠しに対応出来る庭木であり、この低木タイプの庭木であればご自身での剪定なども行いやすいメリットがあります。

狭小部や道路沿い、必要最低限の目隠しが必要な際におすすめな庭木です。

ソヨゴ

ソヨゴ
生育も緩やかで、安定した目隠しが期待できるのがソヨゴです。

生育の緩やかさを最優先するなら株立ちタイプの木がおすすめですが、均整の取れた単幹樹形も美しい佇まいを見せます。

大人しい成長により、伸びすぎて予想外の姿になる事が少なく、葉の多いタイプを選ぶ事で目隠し効果も申し分ありません。

また、ある程度の日陰でも生育が可能で、植栽選びに困った際は重宝します。

フェイジョア

フェイジョア
古くは果樹としての一面で有名だったフェイジョアですが、近年では洋風常緑樹としての存在感が強くなっています。

艶があって厚みのある葉は目隠しにも向いており、日向である程丈夫に育ちます。

日向であれば壁際などへの植栽に向いており、玄関付近の目隠し用として植栽する事があります。

日陰気味の場所ですと葉が極端に少なくなってきますので、目隠しが目的の場合は注意が必要です。

ヒメシャリンバイ

ヒメシャリンバイ
シャリンバイの小葉種であるものの、葉の小ささや密度が数段異なります。

庭木としての美しさはもちろん、葉の密生具合から目隠しの植栽にも向いています。

多少の日陰にも強い為、半日陰でも下枝が綺麗に残り、陽の少ない裏側の葉も美しく保ちやすい庭木です。

新芽の展開がやや赤く、古い葉が紅葉を見せる事もある為、年間を通して単色ではない面白さがあります。

モチノキ

モチノキ
モチノキは古くから庭植えとして植栽をされており、段作り仕立ての物の他、背を高く仕立てて列植えする防風林としてもその姿を見掛けられます。

大きな木としてのイメージが強いモチノキですが、年に一度の刈り込みを行う事で千沙な庭でも形や樹高を維持する事が可能です。

常緑樹としては寒さにも強いという特性も持ち、目隠し効果も申し分の無い頼れる庭木です。

ギンバイカ

ギンバイカ
ギンバイカはマートルというハーブ名でも親しまれており、葉の芳香や繊細な白花が楽しめます。

目隠しとして植栽する事は可能ですが、生育力を抑える様な剪定が必要になります。

生育が遅くなるプランターや鉢植えにも向いており、菱形の葉がシャープでおしゃれな目隠しとなるでしょう。

日陰ですと極端に葉密度が落ちますので、日当たりの良い場所への目隠しに使いましょう。

オガタマ(ポートワイン等)

オガタマ(ポートワイン等)
オガタマも古くから造園用として植栽されてきた庭木で、常緑低木として扱う事が多いです。
やや大きめ光沢のある葉は半日陰の庭に良く似合います。

大きめの葉を持つ自然な常緑樹である事から、自由に生育させれば目隠し用の庭木として活躍するケースも多くあります。
年間を通して同じ様な姿で佇む庭木ではありますが、花には甘い芳香があり、こちらを楽しまれる目的で植栽する事もあります。
夏の強い日差しや冷たい北風を嫌いますので、植栽場所には気を付けたい庭木です。

ビバーナム(ティヌス)

ビバーナム・ティヌス
常緑性ガマズミと呼ばれる庭木は「ビバーナム」と呼称され、その品種は数多く存在します。

写真のビバーナム・ティヌスは木立性の樹形で流通しており、幹を持った低木としてシンボルツリーや生垣、目隠し用の植栽としても使います。

ツヤの少ない濃緑色の葉が美しく、幹周辺の陰になりがちな部分にも葉を付けている事から、全体の葉密度が高く目隠し効果を発揮してくれます。

列植・生垣にも使う事が出来る樹種であり、刈り込み等の過酷なカットにも十分に耐え、暑さにも強い剛健性も持っています。

ある程度の日陰でも葉を保ち、その際は日向環境よりも葉の発色が良くツヤも出ますが、うどんこ病やハダニ類の害を受けやすくなる為、出来れば日向への植え付けが好ましい庭木です。

小花が集合する手毬状の花を咲かせますが、花期は春~初夏と秋~冬の2回に分かれており、目隠し用としてだけではなく、花を楽しむのにもおすすめな庭木と言えるでしょう。

マホニアコンフューサ(ナリヒラヒイラギ)

マホニアコンフューサ
古くは必ずお庭で見られたヒイラギナンテンですが、こちらは葉にトゲの無いヒイラギといった庭木になります。

植栽時は1mに満たない大きさで低木として植栽する植木ですが、狭い場所へ植えた際、背をとにかく伸ばす事があります。

その特性を活かし、写真の様に人の背丈にやや満たない程度の高さの目隠しとして利用する事が出来ます。

写真のマホニアコンフューサの背後には室外機等が設置されていますが、きちんとこれを目隠しする事が出来ております。

日陰にも問題なく植栽できる剛健種ですので、裏庭や地窓への目隠しにも向いています。

オオムラツツジ

オオムラツツジで目隠し
地面を覆う様な寄せ植えで使われるツツジ類の中でも、オオムラツツジは背丈も幅もボリュームある姿へ育てる事が出来ます。

刈り込み剪定を施しながら育てたオオムラツツジであれば高さ1.5~2m程の高さまでも目隠しする事が可能です。

ただし背丈を高くしたオオムラツツジは相応に幅も広くなります為、高さと同じサイズの幅も見込んでおく必要があります。

つまり高さ1.5mの場合、幅も1m~は必要となりますので、植栽計画時には横幅スペースも念頭に入れておく必要があります。

 

生垣として使える庭木

広範囲への目隠しとして列植を施す、生垣に向いた庭木です。
冬季も葉の残る常緑樹である必要はもちろん、繰り返し行う刈り込み剪定にも向いている植木を使う事が条件となります。
また、生垣は壁沿いに設置する場合以外は表裏両面の刈り込みメンテナンスが必要である事を留意しておく必要があります。
生垣を隣地境界等へ設置してしまいますと、お隣の敷地へ入らない限り刈り込みを行う事が出来なくなります。
生垣は両面ご自身の敷地内であるか、管理のしやすい道路側である事が望ましくあります。

紅花トキワマンサク

紅花トキワマンサク
近年では生垣の庭木としてすっかり定着したトキワマンサク。
中でも紅花種は最もポピュラーで、他の庭木には無いレッドリーフの見た目が人気です。
トキワマンサクの葉は非常に細かく密生しますので、高い目隠し効果が期待出来ます。
ですが伸びは決して緩やかではなく、すらっとした枝が伸び、全体的に速い生長を見せます。なるべくであればご自身での刈り込みを年に2~3回は行っておきたい木です。

白花トキワマンサク

白花トキワマンサク
こちらは白花のトキワマンサクです。葉の色は全く異なり、明るい緑色が特徴的です。
風通し良く日当たりも良好な場所へ植えれば綺麗に育てやすく、状態の良い木は非常に美しい生垣となります。
トキワマンサクは和風洋風を問わず幅広いシチュエーションに取り入れる事が出来ます。

斑入りマサキ・キンマサキ

キンマサキ
原種のマサキは濃緑色ですが、斑入り種やキンマサキであれば葉色が鮮やかで、洋風の目隠しにする事が出来ます。
マサキは縦方向に伸びる特性がありますので、生垣は予め刈り込みのしやすい高さに設定しておくのが良いでしょう。

マキ類

マキは古くから防風目的の生垣にも使用されており、潮風にも強く毛虫の被害を受けにくい特性があります。
マキを更に分別しますとイヌマキとラカンマキがあり、特性や雰囲気が異なります。

ラカンマキ

ラカンマキ
ラカンマキはイヌマキよりも葉が小さく繊細で、仕立てで使うマキとして扱われてきました。
生垣は刈り込み剪定を繰り返し行うものですので、ラカンマキの様に切り込みの後で細かな萌芽が行われる方が密度の濃い生垣へ生長しやすいです。
刈り込みによって完成された生垣は驚く程に葉が細かく、緑の壁に見えます。日陰にもある程度耐えますが、上から下まで目隠しをしたい場合は明るい日陰までの植栽にとどめておきましょう。

イヌマキ(写真は細葉タイプ)

イヌマキ(細葉タイプ)
イヌマキはラカンマキ程の枝の細かさは見られませんが、生育上の剛健さでは上回ります。
特に刈り込まれる頻度が高い生垣においては剛健さも求められますので、特に刈り込みが欠かせない場所の生垣におすすめ出来ます。

スカイペンシル

スカイペンシル
スカイペンシルは遠くから見ますとシルエットがコニファーに良く似ておりますが、ツゲの仲間に分類される庭木です。 ツゲらしく丈夫でツヤのある葉は濃緑色が美しく、シックでモダンな目隠しを作る事が出来ます。
しかし1本の幅がとても細い木でありますので、きっちりと隙間を無くす生垣を作る事は難しく、敢えて隙間を均等に空けた姿をデザインとして許容する事が必要となります。
スカイペンシルはある程度の日陰にも耐える庭木ですが、全体的に葉のある姿を維持したい場合は日向への植栽がお勧めとなります。

キンメツゲ

キンメツゲ
キンメツゲは新芽の鮮やかな色が魅力とされますが、私の見解では葉の小ささと密度の高さ、生育の緩やかさが特筆すべきポイントとなります。
また、背の低い生垣を自然に構成する事が出来ますので、下部だけを目隠ししたい場合や、境界線を庭木で表現したい場合にも向いています。
高さ50cm程度でも生垣を作る事が出来る、貴重な庭木です。

ボックスウッド

ボックスウッド
ボックスウッドもキンメツゲと同様に、低い生垣を構成できる常緑樹です。日当たりによって黄緑~濃緑といった色の違いが生じやすく、寒さの影響も受けやすい特性があります。
陽当たりが良すぎず、北風が当たりにくい場所ですと濃い緑色を維持して生育も良くなりやすく、刈り込みによって枝葉の密度を高めやすくなります。
陽当たりの強い場所への植栽時は、土表面に当初から直射日光が当たりにくい様に密度の高い寄せ植えを行う事がおすすめです。

寒椿(カンツバキ)

寒椿
古くから生垣用として親しまれ、現在でもよく目にする寒椿の生垣。植木業界では寒椿は這性と立ち性に区別され、市場ではそれぞれ「ハイカン」「タチカン」と呼ばれます。
生垣としては剪定もしやすく目隠し効果も高いのですが、知る方も多いチャドクガの発生リスクが最大の弱点となります。
もちろん予防的に薬剤を撒いておけば良いのですが、住宅地ですと中々気軽には行えない実情もあります。薬剤散布さえ可能であれば、花も目隠しも供えた優れた庭木としておすすめ出来ます。

カイヅカイブキ

カイヅカイブキ
カイヅカイブキも生垣としては古く、かつては丸み掛かった入道雲の様な仕立て樹形を多く見る事が出来ました。

生垣とした場合も葉密度の高さから申し分の無い目隠しとなりますが、とにかく刈り込みの手間が掛かる上、段々と膨らむ様に大きくなってくるのを抑制する事が難しい庭木です。

また、周辺の果樹へ赤星病を誘発させる木(ビャクシン類)に指定されており、果樹園のある地域では植栽してはいけない庭木となっています。

 

庭木の植栽による目隠しをお考えの際は、ぜひご相談下さい

如何でしたでしょうか。
フェンスや垣根とは異なる緑の目隠しですが、お住まいのちょっとした部分へ取り入れる事が出来たりします。

庭木の植栽による目隠しは随時承っておりますので、ご検討中のお客様はお問い合わせ方法をご参照の上、お声掛け下さいませ。

 

執筆者:新美雅之(新美園HP作成・作庭者)

執筆者:新美雅之庭木や庭デザインについて、作庭者の経験を活かして現実的に解説をするコンテンツを目指し、日々執筆しています。