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庭木の選び方を作庭者が解説-植栽場所やイメージから樹種を考える

作庭者と考える庭木選び-植栽実例も交えて代表種類をご紹介

庭木選びについてのこちらのページへお越しいただき、誠にありがとうございます。

住宅や店舗への植栽、造園、庭デザインを行っております新美園:新美雅之です。

こちらのページでは作庭・植栽に携わる私より、場所やシチュエーション、お好みやイメージに合わせた「庭木選び」についてお話を進めてまいります。

庭木選びについては「植物データや育て方」のみを参考に決める事は困難であり、実際に植栽した実例をご覧になったり、その後の成長考察も参考にする必要があります。

こちらでは私が実際に植栽した庭木の実例を交えながら、お持ちになられる庭木イメージや植栽場所の特性に基づくおすすめ種類もご紹介をしてまいりますので、庭木選びのお手伝いとなれば幸いです。

「庭木選び」のポイントと考え方

住まいに合わせた庭木選び:稲毛区S様邸

住まいに合わせた庭木選び:稲毛区S様邸

お庭へ植える木、庭木を選ぶ場合は、お好みや漠然としたイメージなどから考えられるかと思います。

しかし実際に庭木選びで大切な要素は他にもあります。
おすすめでありますのはまずは以下の様なポイントを骨格として考え、植える場所やお好みと照らし合わせてみる事です。

庭木選びの骨格となるポイント

  • 常緑樹・落葉樹の選択
  • イメージされる庭木の樹形
  • 植えた木の成長はどの位の樹高まで許容出来るか
  • 庭木を植える事で生活動線に支障が出ないか
  • そもそもその場所での生育に適しているか

これらは庭木を選ぶにあたり最も大切な事であり、私が庭づくりの際に庭木を選ぶ場合は上記の要因と「お客様のご希望・イメージ」を照らし合わせ、幾つかの樹種候補をお出しする形としています。

 

また、庭木選びには以下の様に様々な考え方があります。明確に決めるのも良いでしょう。

庭木をデザインの素材として考える

庭木は単独・1本植えでも十分に楽しめる存在ですが、庭というキャンパスに素材としてレイアウト・コーディネートをする様に考えれば、無限のデザイン性を生み出す事が出来ます。

庭木による「植栽デザイン」

庭木による「植栽デザイン」荒川区F様邸

写真の様に一見して狭い場所や単調な四角形の場所である程、庭木をデザインの一環として考える事が有効になってきます。

写真では植栽の骨格となる庭木を、常緑樹と落葉樹を交互させる様に植栽しており、適度な「抜け感」を取り入れています。

低木類におきましても葉状や葉色を組み合わせてデザインしており、一つの風景に見える様に組み合わせています。

エクステリア工事によるデザイン性も魅力的ですが、庭木を用いればさらに繊細な表情・動き・季節の変化まで、これらをデザインとして生活に取り入れる事が出来るのです。

目的や用途を考える

庭木を選ぶ際、木を植える目的や用途が定まっているケースも多いものです。
庭木を植える目的で多くお聞きしますのが、

  • 目隠しの為
  • シンボルツリーとして
  • 季節感を得る為
  • 空間を埋める為

といったケースです。

目隠しの為の木であれば常緑樹、しかも葉密度の高い樹種が必要になってきますし、シンボルツリーであれば1本植えとなりますので面積上の樹種選択自由度は高いものの、きちんと整った樹形の庭木を植栽する事が大切になります。

これらの様な「目的」に合わせた庭木選びのヒントも下の方でご紹介してまいりますので、引き続きご参考下さいませ。

庭木の組み合わせを楽しむ

庭木には様々な樹高・サイズがありますが、これらはあくまでも取引時・販売時における「規格」と考える事が重要です。

1.5mや1.8mという小さな木は、量販店でお買い求めになられた方が「ご自身で持ち帰る事が出来る」様に設定されたサイズであり、そのサイズがそのまま保たれる樹種は多くはございません。

庭木の組み合わせ例:荒川区F様邸

庭木の組み合わせ例:荒川区F様邸

樹木データや自生樹高等もある程度は参考となりますが、やはり庭植えその他での成長やクセは実際の成長観察から得るしかありません。

こうして知り得たそれぞれの庭木成長力を踏まえ、初めて植栽の組み合わせを考える事が出来ます。
植栽したての姿であれば絵を描く様に自由に完成とする事は出来ますが、数年後の姿を考えればそうはまいりません。

この様な点を踏まえつつ植木の形や色、高さを様々に組み合わせれば一帯の景色として考えられ、どんな場所でもお庭としてデザインを楽しむ事が出来ます。
高木や低木それぞれについても下で触れてまいりますので是非ご参考下さいませ。

 

それではまず、庭木を二分する、常緑樹と落葉樹それぞれの特徴やイメージを見てまいりましょう。

 

常緑樹と落葉樹、それぞれの特性と雰囲気を掴む

こちらはどなたでもご存知かと思いますが、常緑樹と落葉樹の明確な違いは冬季に葉を落とすかどうかとなります。

落葉樹は基本的に冬季は「冬眠期間」となり、春の新芽展開時期まで葉を落として休眠に徹する事となります。
また、落葉樹の剪定や移植(根巻き)は冬眠中に行うという事が基本となります。

庭木を選ぶ際も、この2種類の特徴を理解しておく事が有効と言えます。

常緑樹の印象と特性

青々とした常緑樹:写真はフェイジョア

青々とした常緑樹:写真はフェイジョア

常緑樹の印象は、しっかりとしたシルエットや明確なディテールであり、仕立てられた樹形によって印象も多岐に渡ります。
多くは枝振りというよりも表面的な形状が樹形として認識される事が多く、言うなれば「濃い存在」といった庭木が多いのも特徴です。

この為常緑樹は遠くから眺めても存在感があり、庭の中で目立たせたい場合やアイポイント的なレイアウトに向いています。

また、この特徴を利用して目隠しの為の庭木とする事が多く、この場合は特に枝葉密度の高い樹種や樹形を用いる事となります。

生垣を作る場合はほとんどが常緑樹を選ぶ事となり、苗木が真っ直ぐに成長した「生垣用」の木を使う様にします。

常緑樹の落葉

通年葉を茂らせていると思われがちな常緑樹ですが、春以降の生育期は新葉と古葉の入れ替わりが起こり、樹種によってはかなりの葉が落葉します。

例えばソヨゴは新緑が成長する際、古い葉が次々に黄色く染まり、やがてパラパラと地面に落ちます。
アラカシマサキプリペット等は葉の入れ替わり時にほとんどの葉が無くなってしまう事があり、目隠し用として選ぶ際には注意が必要です。

尚、新芽展開時期とは異なり冬季の寒さによって葉を半分程度落とす常緑樹もあります。
シマトネリコホンコンエンシスは特にその傾向が強い為、寒さを避ける場所への植栽が望ましい庭木です。

常緑樹の効果

常緑樹は古くから庭木として利用されており、デザイン上のみならず、防風や防火の役割を担ってきた歴史もあります。

風に強いマキの防風生垣、燃えにくいとされるモチノキの防火生垣など、これらは現在でもその姿を見る事が出来ます。

また、先述の様に常緑樹は基本的に一年中葉を付けている事から、目隠し効果を得る為の植栽として出番が多く、現在では庭デザインと目隠しポイントの組み合わせが必要不可欠となっています。

また近年では夏季の暑さが増してきている事から、樹高のある常緑樹を選んで日除けとして扱う様になってきています。

 

落葉樹の印象と特性

柔らかな印象の落葉樹:写真はアオダモ

柔らかな印象の落葉樹:写真はアオダモ

落葉樹の印象は繊細でナチュラルであり、常緑樹が「外形」を樹形とする事に対して落葉樹は「枝模様」を重要視する存在です。
その存在感は決して強くありませんが、風も通しやすく圧迫感が少ない為、数多くを庭木として植栽する事が出来ます。

枝葉の数は樹種によって大きく異なり、葉数が多い木ですとイロハモミジカツラ、葉数が少ない木ですとアオダモセイヨウカマツカ等が挙げられます。

落葉樹は総じて花を楽しめる樹種が多いのも特徴であり、特にハナミズキエゴノキヤマボウシ等の花は昔から好まれています。
また、シャラノキ(ナツツバキ)は茶花としても使われる上品な花を咲かせます。

落葉樹の効果

落葉樹を庭木とする上での最大の効果は、お庭へナチュラル感を取り入れられる事ではないでしょうか。

また、写真の様な中庭において本数を多く植えても圧迫感が無く、落葉する冬季には存分に日光を通す存在となります。
直射日光に耐え得る落葉樹であれば、夏の日除けと冬の採光の両方を兼ね備える事が出来ます。
この場合はイロハモミジジューンベリーなどがおすすめの庭木となります。

落葉樹の注意点

落葉樹で注意したいポイントは、やはり落ち葉の飛散が挙げられます。

中庭や敷地内部であれば落ち葉も大きな問題にはなりませんが、道路沿いや隣地境界ですと周囲へ飛散しやすく、植栽計画時から注意が必要となります。

また、落葉樹のナチュラル感を維持する最大のポイントは「枝先の放任」であり、木の幅を制約する剪定が必要な場所ですとおすすめする事が出来ません。
この様な場所へ落葉樹を植える場合は成長の緩やかなアオダモアロニア、スリムな樹形を維持しやすいハナミズキ等がおすすめの庭木と言えます。

尚、落葉樹の葉は柔らかく、毛虫の被害を受ける樹種が多い事も事実です。
イロハモミジやヤマボウシ、ハナミズキなどのポピュラーな落葉樹は毛虫が発生する事があり、環境によっては予防的な農薬散布の必要があります。

常緑樹・落葉樹の選択ポイントまとめ

  • 常緑樹は外形・シルエットが樹形として捉えられる
  • 常緑樹は存在感を活かしてアイポイントや目隠しに
  • 落葉樹は枝模様が樹形として捉えられる
  • 落葉樹は自由に伸ばせる場所でナチュラル感を維持できる植栽を

 

イメージする樹形から庭木を選ぶ

「庭木」という言葉で連想される樹形はお客様それぞれであり、このページをご覧の方々も実に多彩な樹形イメージをお持ちであると思います。

庭木は樹種ごとに大まかな樹形が決まっている訳ではなく、同じ種類の木でも実に多くの樹形が存在します。

庭木を選ぶ時はまず「こういう形の木を」という樹形イメージから始まるケースも多いので、ここでは庭木として扱う事の多い樹形を5つに絞り、代表的な樹種をご紹介致します。

株立ち樹形

近年で人気が高まってきた「株立ち」は、地表から複数本立ち上がる幹で構成される樹形を指します。

樹高に対して幹が細い事が特徴で、これにより繊細で自然なイメージが感じられ、近年の庭木に対するナチュラル志向とマッチしていると言えます。

注意したいのは一つの根株から複数本の幹が生える「本株物」と、人為的に小さな木を寄せて根を一つに見せた「寄せ株」の存在があるという事です。

長い目で見ますと本株物の方が全ての幹が健全に育ちやすく、寄せ株はどれか一つの幹だけが枯れてしまう可能性がある他、落葉・新緑のタイミングがそれぞれの幹によって異なってしまうというケースも見られますので意識しておくと良いでしょう。

株立ち樹形についてはさらに二種類の雰囲気に分かれますので、それぞれの雰囲気や樹種をみてみましょう。

均整の取れた株立ち

株立ちの庭木には左右のバランスがほぼ均等に見える樹形があり、いわゆる「お行儀の良い株立ち」といったイメージです。

バランスが取れた株立ちの庭木は1株を単独で植栽しても見栄えが良い為、シンボルツリーとして最も使われる樹形と言えます。

それでは均整の取れた株立ち樹形の代表樹種を見てみましょう。

均整の取れた株立ちヤマボウシ

均整の取れた株立ちヤマボウシ

落葉樹であるヤマボウシは流通するほとんどがこのタイプの樹形であり、シャラノキと同じく少し前に流行が見られた庭木です。

ヤマボウシについては本幹を切断してひこばえを発生させ、それぞれを幹として仕立てた樹形が多く、部分枯れや不具合を起こしにくいのが特徴です。

初夏に咲く、頭巾を被った「法師」に例えられた白花はとても野趣を感じられ、庭の中のワンポイントにナチュラル感を添える庭木としておすすめが出来ます。

尚、ヤマボウシの特徴や植栽実例の解説ページも併せてご覧いただければと思います。

3本幹による樹形の常緑ヤマボウシ

3本幹による樹形の常緑ヤマボウシ

バランスの良い株立ちが多く存在する常緑樹としてホンコンエンシスも選択肢に挙がります。

株立ち常緑樹で花も見られるという樹種は少なく、この点でホンコンエンシスは重宝される庭木です。

樹形については1本幹も株立ちも流通しやすく、株立ちの場合は多くが小さな木を寄せて育てた「寄せ株」となります。

この為ホンコンエンシスの株立ちを選ぶ場合は、その木の勢いや健康具合をよく見極め、弊社ファームにて仮植えをして経過観察を行っておく事が多いです。

尚、ホンコンエンシスは寒い季節に風が当たる場所ですと葉が半分程まで落葉する為、「半常緑性」と位置付けられる一面もありますので注意しましょう。

尚、別ページとなりますがホンコンエンシスについての詳しい解説や植栽実例の方も併せてご参考を戴ければと思います。

均整株立ち樹形が多いエゴノキ

均整株立ち樹形が多いエゴノキ

均整の取れた株立ち樹形が多い庭木はエゴノキも挙げられます。

自然の中で見掛けるエゴノキは太くしっかりとした幹を持つのですが、庭木用の生産樹形としてはほとんどがこの様に均整の取れた株立ち樹形となります。

若木の成長力が強い為、エゴノキについては既にある程度の樹高がある木を選ぶのがおすすめで、3m程の高さであればいくらか成長も大人しく感じられます。

度重なる剪定や切り戻しを行うと樹形が硬く変化しやすく、これを避ける為にも周囲が開けた場所への植栽が望ましい庭木です。

自然な姿を保持できれば大変自然味のある雑木であり、下垂する小花を咲かせた際はとても美しい姿を見る事が出来ます。

別ページではありますが、エゴノキの特徴や植栽方法のご紹介もご参考下さいませ。

 

自然な株立ち(山採り等)

均整の取れた樹形とは異なり、庭木には自然な姿を楽しむ株立ち樹形もあります。

それぞれの幹の高さはもちろん、方向性や勢いも異なる様な木で、主に落葉雑木類で見る事が出来ます。

山からそのまま掘り出してきた山採り物などは最たる例であり、自然に育った枝模様や幹の高低差を楽しむ、いわば自然の姿をそのままお住まいへ持ち込む庭木と言えるでしょう。

植栽の際は自然な曲がりを活かしてアプローチ方向へ被せたり、左右から中央に向かって樹冠を繋げ、夏の日除けとしてレイアウトする事もあります。

それでは自然な株立ち樹形、その一例を見てみましょう。

形の異なる幹が美しいイロハモミジ

形の異なる幹が美しいイロハモミジ

和風の庭づくりの中でもナチュラルな雰囲気を添えたい、という想いで植栽したイロハモミジです。

イロハモミジは実に自由で様々な樹形が存在し、庭づくりのイメージに合わせて樹形を最も選ぶ庭木ではないでしょうか。

自然そのままの姿をお庭へ取り入れる庭木として代表的であり、この様にワンポイントでお庭を締める場合の他、枝葉の少ないイロハモミジを複数本植栽して林の様に見せる事もあります。

イロハモミジは人為的に高さや幅を留め続ける事には向かず、ある程度の放任と枝透かしを繰り返す事が理想でありますので、庭木とする場合はある程度自由に成長させられる場所を選ぶのが最良と言えるでしょう。

 

アプローチへ傾ぐコハウチワカエデ

アプローチへ傾ぐコハウチワカエデ

山採りの自然な株立ちであれば、その方向性を活かして「動き」も植栽デザインに取り入れる事が出来ます。

均整の取れた株立ち樹形で木の動きを表現する事は難しく、どうしてもワンポイントへの植栽、という形になります。

しかし写真のコハウチワカエデの様にどちらかへ枝を伸ばす自然な樹勢があれば、アプローチの方向へ枝を被せる事も出来ます。
コハウチワカエデはモミジと呼ばれる種よりも葉の切れ込みが浅くて可愛らしく、小さな団扇に例えられる庭木です。

葉数も適度に少なく幹の模様を感じる事ができ、成長も比較的緩やかである事が特徴です。

コハウチワカエデの特徴と解説ページもございますので併せてご参考下さいませ。

この様に自然な株立ち樹形は、庭木をお住まいと一体化させるデザインに向いており、近年では自然な株立ち樹形の庭木を、お住まい設計段階から全体デザインに取り入れておく事もある様です。

私も近年では建築士の方のイメージや設計する建物に合わせて庭木選びを行っており、自然樹形の庭木の必要性が年々高まってきている事を感じています。

 

繊細な幹模様を持つアオダモ

繊細な幹模様を持つアオダモ

写真のアオダモアオハダトネリコ等の雑木類は山採り物の自然な樹形が多く流通しており、近年の雑木ブームの中でも注目された庭木です。

特にアオダモは樹高の割に枝葉も少なく、成長も緩やかで手が掛からない庭木と言えます。
この恩恵によって人気が高まり、現在は品物の数も少なく価格も高いという状況ではあります。

しかし最も品薄であるのは2.5~3mの比較的手頃なサイズであり、それ以上の樹高であればまだ手に入りやすいかと思います。
アオダモであれば背が高くても圧迫感がなく、大木になってしまう心配もない為、自然で背の高い木を植栽する事をお勧めできます。

山採り自然樹としてコナラクヌギを植栽するケースもありますが、大木となる事が前提の木であり、通常の規模の住宅では不向きであると考えます。
この様な雑木を植栽をする場合は周囲が開けた場所を選び、6~7mの樹高をキープする事を前提としましょう。

 

低木ながら自然樹形を楽しめるアロニア

低木ながら自然樹形を楽しめるアロニア

自然な株立ち樹形は背の高い庭木に限らず、低木に位置付けられる木でも楽しめます。

山の高木の足下で生育する小さな雑木には多くの種類もありますので、ナチュラルな可愛らしい庭木としてお庭へ植える事も出来ます。

写真のアロニア(セイヨウカマツカ)は、花・実・紅葉の全てを楽しむ事が出来る上に成長も遅く、病気や害虫の被害もほとんど受けない優れた庭木です。
アロニアの解説ページもご参考下さい。

存在感自体は薄い為、他の雑木類との寄せ植えレイアウトを行うのが通常で、密接させた寄せ植えによって高木の幹と絡ませる植栽手法にも向いています。

低木の自然樹形は雑木の幹とのマッチングも美しい

低木の自然樹形は雑木の幹とのマッチングも美しい

自然な株立ち樹形のアロニアを、アオダモの幹へ寄せた植栽実例です。

アロニアの細い幹とアオダモの曲がった幹が一体化し、小さな自然風景を見る様な組み合わせとなります。

この様に低木の自然な株立ち樹形は、他の庭木へ思い切って寄せ植えする事に向いており、お互いの存在感を引き立て合う事も出来ます。

アロニアの他、低木で自然な株立ち樹形を楽しめる庭木としてナツハゼオトコヨウゾメウグイスカグラ等もおすすめとなります。

 

単幹樹形(一本幹)

ここまでは株立ちの樹形について触れてまいりましたが、ここからは一本幹の樹形、いわゆる単幹と呼ばれる樹形についてご紹介致します。

単幹の樹形と言えば整った洋風の木を連想される方も多いかと思いますが、単幹樹形は実は自然な形であり、植栽レイアウト次第であらゆる庭デザインで活かす事が出来ます。

単幹樹形については常緑樹と落葉樹に分け、それぞれの代表的な樹種を見てみましょう。

常緑樹の単幹樹形

常緑樹の単幹樹形は上から下まで枝葉が付いて整った庭木である事が多く、主にシンボルツリーや目隠し、アイポイントへの植栽に使う事が多いです。

単体で存在感のある庭木が多い事から、庭木を飾る、いわゆるオーナメントの様な植栽に向いています。

単幹(一本幹)樹形のソヨゴ

単幹(一本幹)樹形のソヨゴ

一本幹で樹形が整ったソヨゴをシンボルツリーとして玄関前に植栽した実例です。

株立ち樹形のソヨゴですと樹高と比例して幅も広くなりますので、樹高は欲しいけども幅は抑えたい、というシチュエーションに向いている樹形と言えます。

実際にソヨゴは単幹樹形の方が剛健である事が多く、部分枯れや病虫害も少ないという面も経験則から感じております。

何よりもこの様な存在感を持ちながら剪定維持が容易という面が最大のメリットと言える庭木です。

 

輪郭が整ったフェイジョア

輪郭が整ったフェイジョア

洋風の常緑果樹として親しまれているフェイジョアは、流通する庭木のほとんどがこの様な単幹樹形となります。

一本幹である事は共通しながらも枝葉の数によって印象が異なる庭木ですが、この枝葉の数は剪定によって容易にコントロールをする事ができ、少々透けた印象からどっしりとした目隠し、オーナメント的な植栽に至るまで、フェイショアは幅広い仕立てを行う事が出来る庭木です。

この様に存在感のあるフェイジョアですが、樹高は2m以下という低さでも維持していく事が可能であり、南国調の花も楽しめる優れた庭木です。

 

自然を感じる単幹樹形:オガタマ

自然を感じる単幹樹形:オガタマ

単幹樹形と言いましても全てがどっしりとした存在感を持つ訳ではなく、こちらのオガタマの様にナチュラルな印象を感じさせる庭木もあります。

飾り気のない庭木ではありますが半日陰でも美しく育つ常緑樹であり、香りの良い花も咲かせます。

株立ちでは少々重く感じてしまう様な場所であれば、この様なスッキリとした単幹の庭木がおすすめであり、株立ち樹形でなくてもナチュラル感を出せる事がお解りいただけるかと思います。

 

落葉樹の単幹樹形

落葉樹と言えば先にご紹介の株立ち樹形が主流と思いがちですが、自然を見ますと多くの単幹落葉樹が生育している事が解ります。

落葉樹の単幹樹形は自然に習った姿そのままであり、お庭デザインの中へ溶け込ませる事は技量を要しますものの、最もナチュラル感を得られる樹形と言えるのではないでしょうか。

また、落葉樹でありましても整った一本幹の樹形はあります。

単幹樹形の落葉樹:イロハモミジ

単幹樹形の落葉樹:イロハモミジ

株立ちのご紹介でも挙がりましたイロハモミジですが、私はこの単幹タイプの木をよく植栽しております。

仕入れの際から作庭・植栽時のイメージを持って選ぶ必要があり、そこが面白いという事なのですが、これがお客様のお庭にマッチした際はとても喜ばしいものです。

写真の様に単幹樹形のイロハモミジは自ら曲がりを持つ事がほとんどであり、逆に垂直に立ち上がる木はほとんど見掛けません。

この曲がりを活かしつつ、さらに植え付け時の向きや角度に工夫をする事で、より魅力ある樹形に見せる事が出来ます。

しかし単幹のイロハモミジは上部の成長が強い傾向がありますので、植栽計画時は「上へ伸ばしても良い」というご認識をお持ちになる必要があります。

単幹のイロハモミジは小さく低く留めておく事には最も向かないタイプの庭木ですので、ご参考下さい。

 

単幹樹形が主流のハナミズキ

単幹樹形が主流のハナミズキ(白花種)

昔から花木として親しまれているハナミズキは、流通する木のほぼ全てがこの様な単幹樹形であり、落葉樹としては珍しく端正な樹形を保つ事が出来る庭木です。

落葉樹の花木でありながらスリムな樹形を保持できる事は稀な存在であり、植栽場所もそれほど選ばずにお庭へ取り入れやすい庭木と言えます。

花色は紅・ピンク・白と様々な品種がありますが、花の色に合わせて葉の色も異なるのも面白い所です。

特に紅花種のハナミズキは成長も緩やかで紅葉も美しいという特徴があり、日照りが強すぎない環境であればおすすめ出来ます。

白花種のハナミズキは成長力もあり葉も青々としており、生育面で丈夫である印象があります。

別ページとなりますが、ハナミズキの特徴や植栽についての解説も併せてご参考下さい。

 

円錐形や細身の樹形

細身で円錐形をしている庭木と言えば、コニファー類が思い浮かぶのではないでしょうか。

コニファーについてはお客様ご自身で量販店でお買い求めになって植樹するケースが多く、その後の急な成長や根張りの弱さが原因の傾き・倒木が起こって困ってしまう事があります。

この様な特性から私からコニファーの植栽を強くおすすめする事は少なくなりましたが、コニファーの中でも維持がしやすい樹種というのは存在します。

葉密度も幅も維持しやすいゴールドライダー

葉密度も幅も維持しやすいゴールドライダー

通常のコニファーですと幅を抑える刈り込み後、葉密度が落ちてしまったり、切り口からの萌芽が弱く、一部が枯れてしまう事もあります。
これを避ける為にコニファーはついつい薄く遠慮気味に刈り込みを行う事が多く、これが段々と全体が膨らんでくる原因となります。

しかし写真のゴールドライダーというコニファーは、枝葉が細かく高密度であり、萌芽力も非常に強い品種と言えます。
年に一度の刈り込みによって整形するだけで幅や高さが保たれ、葉の密度もほとんど落ちる事がありません。

また、樹高についても2m前後で仕立てる事が可能であり、これも一般的なお庭や花壇へ十分に植えられる感覚ではないでしょうか。

列植の間隔を狭く設定すれば生垣の様な雰囲気づくりも可能であり、強い目隠し効果が必要な時にはおすすめとなります。

尚、見た目が似ているコニファーとしてゴールドクレストがありますが、庭植えには向いておらず鉢植え向きの庭木となります。
生育の仕方が全く異なりますのでご注意下さいませ。

 

スリムな樹形が楽しいスカイペンシル

スリムな樹形が楽しいスカイペンシル

スリムでユニークな樹形が楽しいこちらの庭木はスカイペンシルです。

列植された姿を遠くから見ますとコニファー類かと思われる事もありますが、スカイペンシルはツゲの仲間であり、その系統から刈り込みと萌芽力に優れた庭木と言えます。

横向きの枝はほとんど発生せず、枝は垂直に上方向へ向かって成長します。
上への成長を優先する庭木としては他にもマサキゲッケイジュが挙げられますが、これほどまでにスリムな状態を保ち続ける事は困難です。

スカイペンシルは乾燥にも耐えやすい剛健な面を持ち、コニファーが苦手である半日陰でも生育する事が可能な庭木です。
日向植えと比べますと葉数が減るのは否めませんが、シャープなシルエットはモダン建築と良く調和し、写真の様に連続して植栽するケースに用いられます。

 

植えたい場所から庭木を選ぶ

さて、常緑・落葉樹の違いを始め樹形についてのお話をしてまいりましたが、ここからはまた違った視点から庭木選びのお話をしたく思います。

庭木を植えたい場所が「ここ」という様に、植栽箇所が先立って決まっているケースですが、この場合はそれぞれの場所の植栽条件や特有の環境を考えて庭木を選ぶ事となります。

それでは庭木を植栽したい場所ごとに、注意点やおすすめの樹種などを見てまいりましょう。

玄関周りに植える庭木を考える

玄関に植える庭木:練馬区F様邸

玄関に植える庭木:練馬区F様邸

玄関周り(門)等へ植える庭木は、ストレートにお住まいとの関係性が結びつくケースが多く、いわゆるその家の顔や象徴となる木と言えるでしょう。

この為玄関近くへ植える庭木はシンボルツリーとしての位置付けになり、樹形や種類に最もこだわりを持ちたい木なのではないでしょうか。

玄関周りへ植える木を選ぶ時は以下の様なポイントを意識してみましょう。

玄関の庭木(シンボルツリー)選びで意識したいポイント

  • 1本植えでも景観の良い木を選ぶ
  • ドアの開閉や歩行に支障が無いかをチェック
  • 葉が落ちても掃除がしやすいかをチェック

尚、他コーナーではありますが、シンボルツリーの種類と選び方についてのページもございますので、玄関の庭木選びのご参考となるかと思います。
併せましてご覧下さいませ。

 

1本植えでも見栄えの良い庭木とは?

植木として流通するのは実に多くの種類や樹形がありますが、その中には単独で植えても見栄えが良い様に美しく仕立てられた木があります。

庭木にはレイアウトの一部として植えたい自然な木から、玄関へ植え飾る為の仕立てに拘った木があり、シンボルツリーや玄関様の木は後者の様な庭木を選びます。

玄関の庭木と住まいの調和:横浜市K様邸

住まいと調和するアオダモ:横浜市K様邸

株立ちの木でも左右均等に揃った仕立てや、山の雰囲気をそのまま持ち込む木など様々で、これはお住まいの雰囲気やお客様のお好みで取り決める事となります。

近年では木そのものが美しく飾られるというよりも、住まいと庭木が調和した景観が好まれる為、シンボルツリー選びの自由度が実に高まっていると言えます。

ドアの開閉や歩行に支障が少ない庭木は?

これは玄関周りに限らず、庭木選びにおいて常に意識する課題と言えます。

植物である以上は必ず成長し、周囲へ干渉したり付近を歩きにくくしたりする事があります。

これを未然に解決する為には、

  • 落葉樹であれば下枝が少なく傍を歩きやすい木
  • 常緑樹であれば伸びが緩やか、もしくは刈り込みによる成型維持が可能な木

これらを満たす庭木を選ぶのが無難と言えます。

玄関周りにおすすめな庭木の例

上で述べました様な理想ポイントを踏まえますと、玄関周りにはどんな庭木がおすすめなのでしょうか。

実際の植栽写真を交えて一例をご紹介致します。

アオダモ
枝葉の下を歩けるアオダモ:中野区N様邸

枝葉の下を歩けるアオダモ:中野区N様邸

アオダモは落葉樹の中ではトップクラスで維持が容易な庭木と言えます。

多くの枝葉を付けない性質から、基本的に生育と共に下の方から枝を枯らしていき、枝葉があるのは上半分のみといった樹形がほとんどです。

この樹形の恩恵により、玄関脇へ植えても傍や枝下を歩行する事ができ、この点で非常に重宝します。

葉数もそれほど多くない為、落葉期にありがちな落ち葉のお悩みも軽減されます。

しかしながら近年は価格が高めであるのが難点であり、費用面をクリアした際でも「良い樹形の手頃のサイズ」が少なく見付かりにくいという実情があります。

アオダモについて詳しくご紹介をしたページ、アオダモの特徴や生育考察、植栽実例も是非ご参考下さい。

イロハモミジ(単幹・一本幹樹形)
下枝の少ない単幹モミジ:北区マンション

下枝の少ない単幹モミジ:北区マンション

近年ではイロハモミジも株立ち樹形が主流となりつつありますが、私は現在でも単幹樹形、いわゆる1本立ちのイロハモミジを多く植栽しております。

イロハモミジは陽を求め上部を優先させて伸ばす傾向が強く、この特性を上手に生かした植栽シチュエーションは多くあります。

開けた玄関周りもその一つで、足元がスッキリとしたモミジは歩行箇所の邪魔になりにくい庭木と言えます。

例えばこれが株立ち樹形でありますと、地面付近まで枝幅(葉張り)があり、植栽すると同時に周囲を歩く事が出来なくなってしまいます。

玄関の庭木選びに困った際はこの様な樹形のイロハモミジを上手にレイアウトし、玄関をナチュラルに引き立てるのは大変おすすめです。

イロハモミジについては、イロハモミジの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介も併せてご参考下さいませ。

ソヨゴ
玄関でコンパクトに維持するソヨゴ

玄関でコンパクトに維持するソヨゴ

ソヨゴは手入れや維持管理が容易な庭木の代表格であり、野趣・自然味も感じられる常緑樹です。

ソヨゴは成長が特に緩やかな部類となる庭木ですので、これはそのまま歩行箇所の近くへの植栽に向いている特性と言えます。

玄関周りは本当によく歩く箇所でありますので、ソヨゴの様に毛虫の害を受けにくい木は特に重宝します。

写真の様な小振りの株立ちから逞しい単幹樹形まで、ソヨゴは実は樹形バリエーションに富んだ庭木でもあります。

樹高も植栽時に近い状態で維持しやすい庭木ですので、成長によるギャップが起こりにくいおすすめな木と言えるでしょう。

ソヨゴの詳しい解説は、ソヨゴの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介をご参考下さいませ。

 

花壇や道路沿いに植える庭木を考える

道路沿い花壇を彩る庭木:練馬区T様邸

道路沿い花壇を彩る庭木:練馬区T様邸

花壇や道路沿いに設けられた植栽スペースは、あらゆる方の目にも留まりやすく、庭とは大きく異なるシチュエーションとも考えられます。

また、花壇や植栽用スペースは独立した存在感を持っており、小さな舞台の様な印象である事もしばしばです。
この様な場所への植栽は、美しく趣向を凝らしたデザインとするのがおすすめであり、装飾的緑化という観点から庭木選びを行うのも宜しいかと思います。

花壇や道路沿いに植える庭木選びのポイント

  • 庭木の組み合わせを考える
  • 越境を考慮して、管理も行いやすい庭木を
  • 花壇や道路沿い特有の乾燥に耐え得る植物を

 

樹高や色の違いによる庭木の組み合わせ

樹高の違いで面白みを:江戸川区O様邸

樹高の違いで面白みを:江戸川区O様邸

庭木には様々な種類がありますが、最も視覚的に解りやすい個性として「樹高」が挙げられます。

上の写真の様に、ほんの僅かであっても庭木の樹高の違いは視覚的に面白さが生まれ、葉状や色合いが異なればさらに華やかなスペースとして演出できます。

この樹高については樹種それぞれで適正サイズが異なりますが、維持していく事を前提に、庭木に「高低差」を付ける組み合わせもおすすめです。

色合いや個性を活かした低木類の植栽
「低木類」を組み合わせに活用する

「低木類」を組み合わせに活用する

写真のナリヒラヒイラギナンテン(マホニアコンフューサ)斑入りツゲなど、樹高が1mに満たない低木類は個性もあり、立ち木との組み合わせが非常に楽しい庭木と言えます。

低木の個性はそのまま植栽デザインとして直結する他、小さな庭木がもたらす色彩変化は変化に富んだ景色となり、玄関周りをおしゃれに見せてくれるでしょう。

斑入りヒメトベラの色彩:松戸市A様邸

斑入りヒメトベラの色彩:松戸市A様邸

こちらはシンボルツリーの足下へ斑入りヒメトベラを組み合わせた事例です。
自然で上品なアオダモの足下へ、もこもことした形状のヒメトベラを組み合わせており、明るい色合いと面白さを演出しています。

樹高に限らず葉状や色合いも個性的ですので、この様な低木類を組み合わせる事で楽しく華やかなスペースを作る事が出来ます。

尚、低木でも幹を持って「小さな木」としてレイアウトしやすい庭木もあります。
少しご紹介をしてまいります。

ビバーナム(ティヌス)
ビバーナム・ティヌス:弊社ファームにて

ビバーナム・ティヌス:弊社ファームにて

ビバーナムと呼ばれる常緑性ガマズミですが、「ティヌス」という庭木は流通も安定しており樹高も1.8m以下である事がほとんどです。

花壇や道路沿いは日当たりが特に強い事が懸念されますが、この木はその面では剛健さを発揮してくれます。
春に咲く、いかにもガマズミといった印象の花は自然味があり、さほど広くない花壇や植栽スペースで取り入れたい庭木と言えます。

オガタマ
コンパクトで飾り気のないオガタマ:板橋区K様邸

コンパクトで飾り気のないオガタマ:板橋区K様邸

オガタマも低木に分類されるコンパクトな立ち木であり、バナナの様な芳香の花が特徴です。

こちらは逆に強過ぎる日光を嫌いますので、半日陰に位置する様な花壇、コンクリートをくり抜いた植栽スペースへレイアウトするのが良いでしょう。

飾り気のない濃緑色ではありますが返って自然味が感じられ、この様な木の足下へ色の明るい低木類を組み合わせると非常に良く引き立ちます。

別ページにおきまして、低木のおしゃれな植栽方法や種類についての解説もしておりますので、是非ご参考下さいませ。

 

越境の心配が少ない庭木とは?

お住まい敷地内の花壇であれば良いのですが、花壇は性質上道路沿いや隣地境界付近に設置されている事が多いものです。

この為、毎年枝が「走る」様な伸び方をする庭木は越境問題・ご近所トラブルや苦情に繋がりやすく、道路への越境の場合ですと通行人の方への危険も伴います。

この様なトラブルの元となりにくい庭木とは、どんな樹種があるのでしょうか?

ヒメシャリンバイ
越境の心配が少ないヒメシャリンバイ:練馬区T様邸

越境の心配が少ないヒメシャリンバイ:練馬区T様邸

特に道路からの距離が近い場合であれば、ヒメシャリンバイの様に生育も緩やかかつ、剪定からの萌芽力もある庭木もおすすめです。

流通する樹高は1.5~1.8mが主流であり、比較的コンパクトな庭木である事が解ります。

生育の緩やかな木は見た目の寂しい木が多いのですが、ヒメシャリンバイは葉数も多く存在感が維持されており、場合によっては生垣にも用いる事も出来る強さを持ち合わせています。

幹を持つ庭木でありながら全体がゆっくりと膨らんでいく様な成長をし、強い枝が発生して毎年越境する様な事はありません。
剪定自体も領域カット、いわゆる切り戻し剪定が可能である為、ご自身でも容易に行えるかと思います。

ヒメシャリンバイについては、ヒメシャリンバイの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介も併せてご参考下さい。

キンメツゲ
キンメツゲ:弊社ファームにて

キンメツゲ:弊社ファームにて

ヒメシャリンバイと同じく全体が膨らむ様に生育し、葉数も多い庭木としてキンメツゲも挙げられます。

キンメツゲは、通常のツゲであるイヌツゲとは異なり、かなり葉も小さく密生度が高い事が特徴です。

強い枝がそこかしこから走り出すといった成長はせず、全体が膨らんでくる様なイメージで、いつのまにか全体サイズが成長している様な庭木です。

膨らむ様な成長であればすぐさま道路やお隣へ越境してしまう事は考えにくく、剪定についても刈り込み鋏で整える程度で維持する事が出来ます。
この為キンメツゲは生垣材料として使われる事も多い庭木です。

尚、ヒメシャリンバイはある程度の日陰でも育ちますが、キンメツゲは十分な日光が当たりませんと葉数も少なく色も悪くなりますのでご注意下さい。

詳しい解説については、キンメツゲの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介もご参考下さいませ。

 

花壇や道路沿いの乾燥に耐え得る庭木を選ぶ

花壇という場所は周囲の地面よりも高くなっている事が多く、この中へ土を盛って形成されています。
周囲の地面よりも高く、しかもレンガやブロックで囲まれている環境はほぼプランターに近いと言えます。

プランター向きの植物は花壇にもおすすめです

プランター向きの植物は花壇にもおすすめ

ですので花壇へ植える植物はプランター植えに習う面も多く、とにかく乾燥に少しでも耐え得る庭木がおすすめとなります。

写真のコルディリネセダム類は乾燥気味の場所を好む為、店先の花壇やプランター・コンテナ植栽にもよく用いられます。
頻繁な水遣りが大変な場所や夏の直射日光が強い場所への植栽は最適と言えるでしょう。

左奥にはツル植物であるツルニチニチソウも写っています。
アイビーハツユキカヅラ等も同じく乾燥をものともしないツル植物ではありますが、成長による広がりが激しい為に、他種との寄せ植えに向かない面があります。

花壇にツル性植物を植える場合は、出来る事であれば単一品種でまとめてしまう事がおすすめです。
水遣りにも苦労する事無く、花壇全体を覆い尽くしてくれる筈です。

 

低木コニファーの耐乾燥性を活かす
乾燥にとにかく強い低木コニファー

乾燥にとにかく強い低木コニファー

同じく花壇や道路沿いの乾燥に耐える植物として、コニファー類が挙げられますが、立ち木タイプのコニファーは伸びが早く膨らみも激しい為に、道路沿い等には向きません。

そこでおすすめ出来るのが低木コニファー、いわゆる這性タイプのコニファーです。

上の写真はブルーマウンドという低木コニファーですが、この品種は成長も大人しく特に優秀な庭木です。

他にはブルーパシフィックブルーカーペット、イエロー葉が眩しいゴールデンモップが多く流通します。
これら低木コニファーは主にポット物を寄せ植えする形でレイアウトするのが通常ですが、成長に合わせて時折カットを行っておく必要があります。

ブルースターの個性的な葉色:江戸川区H様邸

ブルースターの個性的な葉色:江戸川区H様邸

こちらの写真はブルースターという種類のコニファーで、花壇の乾燥に耐えつつ個性的なブルーリーフが楽しめます。

この種類は寄せ植えよりも単体レイアウトを行う事が多く、ゆっくりと膨らんで大きくなるのを待つイメージです。

ハーブ類(ローズマリー・ラベンダー)
ラベンダーとローズマリー:流山市M様邸

ラベンダーとローズマリー:流山市M様邸

この他、ハーブ類も乾燥に強い品種が多く、花壇への植栽におすすめではあります。

しかしハーブ類は種類によっては増殖が激しく周囲へどんどんと広がってしまい、植栽レイアウト自体を崩してしまう事がありますので、私がレイアウトの一部として植栽する場合はローズマリーラベンダーを使います。

この2種類であれば、周囲への増殖による植栽レイアウトの崩れを最小限に抑えられ、尚且つ乾燥にも強いという花壇においては頼もしい一面を持ちます。

もちろん株自体は大きく成長しますが、これを見越して予め周囲に空間を空けておくなど配慮をすれば、低木レイアウトとして十分に活用出来る植物です。

やはり柔らかな花物が添えてありますと花壇もおしゃれに見えますし、周囲の木も相まってナチュラルな雰囲気も作り出せます。

尚、別ページにて花壇での植栽レイアウト方法や実例の紹介もしておりますので、こちらも是非ご参考下さいませ。

 

庭の中心へ植える庭木を考える

庭の中心へ木を植えるというケースは、お庭が広い面積であるか、もしくは1本の庭木だけで景観をまとめたい場合が該当すると思います。

近年の住宅事情ではあまり行わない手法ではありますが、郊外の住宅街でありますとお庭の面積が驚く程に広く区画されている事があり、この様なお庭であればレイアウト的にも有効な植え方であると思います。

また、隣地までの距離が近い近年の住宅事情では、庭の端となる境界部分には庭木を植えず、距離を取ってお庭の中央への植栽を選ぶ事も有効です。

庭の中央へ木を植える場合のポイント

  • 成長力の強さで敬遠しがちな庭木も選ぶ事が出来る
  • 剪定をなるべく行いたくない自然樹形の庭木も植えられる
  • 強い日差し・直射日光に強い庭木を選ぶ

庭の中央なら、成長が旺盛な庭木を楽しめる

庭中央で佇むシマトネリコ:野田市K様邸

庭中央で佇むシマトネリコ:野田市K様邸

強過ぎる成長力がネックとされる代表的な庭木にシマトネリコがあります。

近年では知名度も高く様々な場所へ植えてしまうケースも見受けられ、あまりの成長力から最近では止む無く伐採抜根を行うご依頼が後を絶ちません。
まずシマトネリコは玄関アプローチ際や隣地境界部には植えてはいけない木であり、これをおすすめしてしまうかどうかが植栽業者様を見極める尺度にもなり得る程です。

植木を主とする庭づくり業者様であればほぼお勧めする事はありませんが、稀にシマトネリコについて「剪定で小さく維持する」「こまめな剪定でコンパクトに保つ」という解説をされるケースも見受けられ、「剪定」への誤解を招く要因ともなっています。

剪定を無理に行わずに放任生育をさせる事が出来たシマトネリコは、写真の様にとても美しい樹形であり、カットを繰り返した時の姿とは全く異なるのがお解りいただけると思います。

この姿を楽しめるのは庭の中央部が最適であり、シマトネリコ自体が日差しに強い事から日除けの効果も期待できます。
しかし上部の枝葉が重く風の力をまともに受けてしまいますので、しっかりとした風止め処置や適切な枝透かしが必須である事も押さえておきましょう。

シマトネリコの詳細につきましては、シマトネリコの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介をご参考下さいませ。

 

シマトネリコと同じく日差しに強く、自然に成長をさせた姿が美しい庭木としてオリーブが挙げられます。

放任成長をさせたいオリーブの木:杉並区S様邸

放任成長をさせたいオリーブの木:杉並区S様邸

写真はお庭の中央への植栽ではありませんが、放任生育した際の樹形としてご参考下さい。

オリーブは自由に枝先を伸ばした姿が美しく、混み入ってきた枝を透かす程度の剪定が本来の理想ではあります。
ブルー掛かった葉色がとても美しく、洋風住宅はもちろんナチュラルやモダンな建物とも不思議とマッチします。

オリーブの最も美しい姿は、伸びた枝がやがてややしなってくる時の樹形かと思います。
頻繁に枝詰めを行うと、切り口から垂直に飛び出す枝が増え、やがてすべてがこのタイプの枝で構成される樹形となってしまいます。

内側へ向かう枝や、絡み合った枝を取り外すに留め、庭の中央の様な広い場所で育てればとても美しい庭木となるでしょう。

シマトネリコと同様に夏の直射日光や乾燥に強く、芝生の庭とのマッチングも美しい庭木ですが、芝生へ木陰を作ってしまいますとその部分の芝生が傷みますので、きちんと共生できる様なレイアウトをお心掛けましょう。

併せまして、オリーブの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介のページも是非ご参考下さい。

 

ナチュラルな姿を維持したい落葉樹を選ぶ

ナチュラルな落葉樹であれば、自然そのままの樹形を楽しみたいものです。

しかしこの落葉樹を自然に育てるという事が近年の作庭では最も難しい事であり、ある程度の大きさの維持する剪定を行わざるを得ないのが通常です。

領域を制限せざるを得ない場所へ雑木を植えてしまいますと繰り返しの切り戻しによって瞬く間に樹形は崩れ、毎年の成長速度も増してしまう事を意識する必要があります。

しかしお庭の中心であれば制約も少なく、落葉樹・雑木本来の美しい姿を見る事が出来ます。

ヒメシャラ
庭の中央にヒメシャラを:杉並区S様邸

庭の中央にヒメシャラを:杉並区S様邸

お庭の中央へヒメシャラを植栽した事例です。
ヒメシャラは特に頻繁な剪定を好まず、落葉期に余分な枝や枯れ枝を取り払うに留めたい庭木です。

六月頃に咲かせるヒメシャラの白い小花は野趣も感じられ、シャラノキよりも繊細で細い枝葉が魅力的な雑木です。

自然な枝振りそのままの姿は非常に美しくなり、横幅もある程度自由に伸ばすと自らの幹へ木陰を作り、幹自体が自然本来の赤褐色へ染まりやすくなります。

ヒメシャラの枝は斜め上方向へ伸びていきますが、放任が可能な場所であればこの枝がしなり、うっすらと枝垂れた様な姿を見せてくれます。
イロハモミジとも共通する点であり、雑木本来の美しさを楽しむにはお庭の中央への植栽が大変おすすめな庭木です。

しかし強い直射日光を嫌う為、庭自体が東側であったり、広く開けた北側で応用したい植栽となります。

ヒメシャラについての詳しい解説は、ヒメシャラの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介を是非ご参考下さいませ。

 

上でご紹介を致しましたヒメシャラは自然樹形とはいえ、左右均等に整った株立ちである事が多く、さらに自然らしいナチュラルな雑木をお望みの場合は、おすすめの庭木もまた変わってまいります。

ジューンベリー
自然そのままに育てるジューンベリー:夷隅郡S様邸

自然そのままに育てるジューンベリー:夷隅郡S様邸

ジューンベリーはセイヨウザイフリボクの別名であり、花と食用可能な実、紅葉が魅力の雑木です。

3~4月開花の白花は桜にも似た可憐な雰囲気も持ち、6月には熟しきるジューンベリーの実は生食でも美味しい実として親しまれています。

ジューンベリーの多くは株立ち樹形ではあるものの、成長に伴い幹数を減らす剪定を行い、最終的に幹は2~3本のみで仕立てるケースが多いです。

庭の中央で自然に育てたジューンベリーはやがてしっかりとした幹によって骨格が整い、山に自生する樹木そのままの姿へ変わっていきます。
また、イロハモミジと同じく落葉樹にしては陽射しの強さにもいくらか耐える庭木である為、面積さえ許せば方角の制約は少ないかと思います。

庭の中央への植栽だからこそ可能な育て方ですので、広い面積のナチュラルガーデンをご希望の方は是非ご検討されてみては如何でしょうか。

魅力の多いジューンベリーについての詳しい解説は、ジューンベリーの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介をご参考下さいませ。

 

お庭の外周や角に植える庭木を考える

お庭の外周や境界フェンス沿い、お庭の角へ庭木を植えるケースは最も多いシチュエーションではないでしょうか。

特に庭の外周は道路や隣地に面している事も多く、この様な場所への庭木は目隠し効果と景観向上を両立させたいというお考えも多いものです。

この両立を実現させる庭木としては、葉が多く密生度が高い事、剪定からの萌芽力が強い事、この様な特性を持つ庭木が適していると言えます。
※庭木による目隠し方法やおすすめ樹種についてはこちらで詳しく解説を致しております。

それではお庭の外周や角への庭木を選ぶ際に押さえたいポイントや、おすすめの庭木樹種を見てみましょう。

庭の外周や角に植える庭木選びのポイント

  • 庭の輪郭を明確に見せる常緑樹がおすすめ
  • 目隠し効果も兼ね備える庭木も取り入れてみる
  • 常緑樹と落葉樹を組み合わせてみるのも良い

庭の輪郭を明確にする庭木とは?

この様な庭木を考える場合、シルエットがくっきりとした、小さくても存在感のある庭木がおすすめとなります。

整形的で遠くから眺めても存在が解る様な庭木が適しており、お住まいの庭の広さや敷地範囲が庭木によって明確に浮かび上がる様になります。

葉色については濃緑色の庭木を選ぶ場合が多く、レイアウトについては輪郭の整った庭木を列植えしたり、要所へ点在させたりすると効果的です。

フェイジョア
目隠しも兼ねるフェイジョア:国分寺市E様邸

目隠しも兼ねるフェイジョア:国分寺市E様邸

濃いグリーンと艶のある葉が魅力的なフェイジョアは、存在感と目隠し効果を両立する事が出来る常緑樹です。

花は南国調で存在感が強く、こちらについてはお好みも分かれるところではあります。
元々はパイナップルグアバとも呼ばれる果樹ではありますが、「クーリッジ」という品種以外は自家不結実性であり、他品種と共に栽培をしなければ結実は起こりません。

しかし剪定次第で枝透かしをして軽やかにしたり、濃いグリーンを保って整形的に仕上げる等、仕立ての幅が広い事がメリットと言えます。
この特性を活かせば、コンパクトでありながらもお庭の外周をしっかりと引き締める効果が期待できる庭木です。

庭の外周は日当たりも強く夏は過酷ですが、フェイジョアであればほとんど動じず、艶のある健康的な葉でお庭を彩ってくれるでしょう。

尚、フェイジョアの場合は同種を列植しますと雰囲気が暗くなりますので、写真の様にピンポイント又は目隠しが必要な箇所へ絞ってレイアウトするのがおすすめです。
お庭の角へしっかりとした庭木が欲しい場合にもおすすめが出来ます。

花や実も楽しめ、目隠しにもなるフェイジョアについては、フェイジョアの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介を是非ご参考下さいませ。

 

ソヨゴ
存在感のあるソヨゴで外周を引き締める

存在感のあるソヨゴで外周を引き締める

本ページでは2回目の登場となるソヨゴですが、これはソヨゴの持つ多彩な樹形バリエーションによる所もあります。

本来ソヨゴは枝葉の少ない軽やかな株立ち樹形が主流なのですが、私は作庭において「単幹樹形のソヨゴ」も多く植栽しています。

ソヨゴには写真の様にシルエットがしっかりとした葉数も多い樹形が存在し、お庭の外周の景観や目隠し用としても活躍してくれます。

外周を引き締めつつも生育は極めて緩やかであり、病気や害虫の被害も多くない、非常に頼れる庭木である事は間違いありません。

しかしながらフェイジョアとは異なりあまりにも強い日差しを受け続ける場所ですと、夏は傷みを生じる事があります。
多くの場合葉の黄ばみや部分枯れが起こる程度ですが、これが毎年蓄積していく事で衰弱する事もあります。

できれば半日陰や東向きの庭への植栽が望ましくはあります。

 

目隠し効果を兼ねる列植や生垣

庭木の列植で目隠しを育てる:中野区N様邸

庭木の列植で目隠しを育てる:中野区N様邸

敷地やお庭の外周へ植える庭木は、先述の様に目隠し効果を求める事も多いものです。

庭木による目隠しであれば圧迫感も無く景観的にも宜しいというメリットがあり、フェンスなどによる目隠しよりも安価で対策が出来るのも魅力的です。

庭木で目隠し効果を求める際は、

  • 庭木を並べて植える列植
  • 骨組みまで施工して壁を作る生垣

の2パターンに分けられます。

列植や生垣向きの庭木について一部をご紹介していきます。

シラカシの列植
シラカシの列植で程良い目隠し効果を

シラカシの列植で程良い目隠し効果を

シラカシは昔から庭づくりで使われてきた常緑樹であり、近年では緑化や目隠し用として位置付けされる事が多い庭木です。

強い日照りや乾燥に強い性質から、庭の外周目隠しにも向いています。

理想的な植え方としては生垣の様に間を詰めるのではなく、ある程度それぞれにゆとりを持たせた列植が望ましくあります。

これはシラカシにとって風通しの悪さが大敵である為で、密植して枝葉が混み入った部分はすぐさま枯れてきたり、うどん粉病等の病気に掛かりやすい事に起因します。
また、イラガという人を刺す毛虫も発生しやすくなる為、枝はなるべく整理し、程良い程度の目隠しをキープする事がおすすめです。

越境した場合も単純なカットではなく、枝抜きを伴う様な剪定を心掛ける様にしましょう。

シラカシは樹高が高くても比較的安価にてご案内が出来る庭木ですので、お庭の寂しい部分への緑化用としても大変おすすめが出来ます。

シラカシの詳しい解説は、シラカシの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介をご参考下さいませ。

 

カンツバキ
カンツバキの生垣:市川市M様邸

カンツバキの生垣:市川市M様邸

こちらも古くから庭づくりに用いられてきた庭木であるカンツバキです。

生垣用として仕立てやすい庭木であり、日向から日陰まであらゆる環境に適応する剛健さも兼ね備えています。

葉が密生する様は目隠しの庭木として最適であり、枝の走りも少なく全体的に膨らむ様な成長イメージとなります。

寒に咲くツバキとして知られている庭木でありますが、人間にとっても有害である事で知られるチャドクガの発生が懸念される庭木でもあります。

しかしながらチャドクガについては予防的な農薬散布を行っておく事でかなり未然に防ぐ事が可能で、これさえクリア出来ればとても優秀な庭木と言えます。

生垣としても非常に薄く仕立てる事が可能で、ラカンマキと並び美しい目隠しを実現出来る庭木です。

トキワマンサク
トキワマンサクの生垣:流山市N様邸

トキワマンサクの生垣:流山市N様邸

トキワマンサクは紅花と白花によって葉色が全く異なる庭木です。

近年では紅花種の方に人気が集まっており、生垣として見掛ける場合はほとんどが紅花種であると言えるでしょう。

しかしながら白花のトキワマンサクは清涼感のある印象で、和風洋風を問わずお庭の外周を上品に見せてくれますので、軽やかな外周植栽をお望みの際は大変おすすめです。

トキワマンサクは生垣の庭木として定着しておりますが、形が一旦整形された後の毎年の伸びの強さはあまり触れられる事がありません。

私がトキワマンサクの生垣を承りました場合は、まず将来形が出来上がってからの伸びの強さのお話を必ずお伝えします。
特に上面からの垂直枝はご自身での刈り込みがなかなか大変であり、少しでもご負担が軽減される様、トキワマンサクの生垣を作る際は「肩よりも低い樹高」で設計する事もおすすめしています。

トキワマンサクについての詳しい解説は、トキワマンサクの特徴や生育考察、植栽実例のご紹介をご参考下さいませ。

尚、生垣についての詳しい解説をするページもございます。
併せまして生垣の役割や目的、おすすめ樹種のご紹介のページもご参考戴ければと思います。

 

常緑樹と落葉樹の組み合わせを楽しむ

お庭の外周へ輪郭と目隠しの為に常緑樹をお勧めしてまいりましたが、常緑樹を列植し過ぎますとお庭が暗くなってしまう事も忘れてはなりません。

もちろん定期的な枝透かしによってある程度は明るさを維持できますが、予め落葉樹を効率的に植栽に加える事でバランスの良い風景を作り出す事が出来ます。

ソヨゴとイロハモミジの組み合わせ

ソヨゴとイロハモミジの組み合わせ

こちらでの植栽では外周への目隠しが主たる目的ではありましたが、落葉樹も加えてナチュラルな「抜け」を得られる様に致しました。

右手2株は3mクラスのソヨゴ株立ちであり、目隠し目的である事から特に枝葉の濃い樹形を選んでいます。

この為内側のウッドデッキは相応に暗さが出ており、もし全ての植栽をソヨゴとしますとかなりの暗さになる事がお解りいただけるかと思います。

そこで左手はイロハモミジの4mと3mの単幹樹形2本を寄せ植えし、自然に株立ち状に育った様な植栽デザインを加えています。
この為落葉樹による自然な「抜け」によって庭の端から光を取り込める為、目隠し効果を確保しつつ快適な庭にする事が出来ます。

樹形の違いも楽しめる組み合わせを

樹形の違いも楽しめる組み合わせを

常緑樹と落葉樹は樹形や葉の印象が大きく異なりますので、写真の様に明暗のコントラストも美しく感じられます。

垂直の幹で整ったソヨゴに対して手前のイロハモミジは特に自然な曲がりを持つ樹形を選んでおり、奥行き感・遠近感も感じられる効果を得ています。

枝越しに見る他の庭木の姿はとても野趣を感じられますので、ナチュラルな庭木がお好みの方は是非取り入れていただきたい組み合わせと言えます。

ソヨゴの代わりにシラカシ、イロハモミジの代わりにアオダモやアオハダを使うのもおすすめです。

 

大きく育てる庭木を選ぶ

さて、ここまでは様々な制約を考慮した庭木選びをお話ししてまいりましたが、最後は気持ち良く大きく育てたい場合の庭木選びについてお話をさせていただきます。

大きく育てる庭木:植栽時の理想樹高は?

庭木を大きく育てる場合ですが、庭木の成長による樹形変化を考え、予め相応に樹高のある木を選ぶ事がおすすめです。

小さな木を放任すれば大きく育つ事は間違いないのですが、例えば人の背丈ほどの樹高の木を植えますと、5m程に達するまでに樹形が大きく変わってしまう事が考えられます。

形よく樹高もある植木はそれなりにきちんと仕立てて育てられており、この様な木を植えて大きく育てるのが無難と言えます。

私の場合、樹種にもよりますが数mの高さへ育てる庭木であれば2~3m程の樹高の木を植栽する様にしております。
大きく育てる植樹をご検討の場合にご参考下さい。

大きく育てる事に向いている庭木と植栽実例

庭木を大きく育てるには、面積上の問題や近隣への配慮が伴います。
また、樹高だけを考えがちになりますが、木の幅も直径2~4mを見込んでおく必要があり、この直径を考慮した場所へ植栽を行うのも有効です。

それでは将来的に大きくする事を前提とした植栽実例を見てみましょう。

三方が開けた場所へ植栽したオリーブ

三方が開けた場所へ植栽したオリーブ:世田谷区J様邸

こちらのオリーブは三方向が広く開けた場所へ植栽しており、人が歩く階段よりも一段高くなった場所で育てます。

オリーブは陽光の方向へ枝を向けて成長する傾向が強いので、この木は斜め上へ向かって樹形を変化させていく事が見込まれます。

将来的にはアプローチステップの頭上へ枝葉が展開し、オリーブのトンネルの様な雰囲気にするイメージの生育計画となっています。

オリーブは木が重みで斜めになろうとすると、幹を太くして上部をしっかり支える様になります。
この成長した幹も美しいものであり、オリーブは樹高の割に幹が太くなる姿も見所です。

このオリーブについては人の頭上で自由に枝が伸びるのを待ちつつ、余分な絡み枝を取り払う剪定を行っていきます。

オリーブは強い日差しや乾燥に耐える庭木ですので、この様な環境で木を大きくしたい場合は大変おすすめ出来る樹種です。

 

全方向が開けた場所でギンバイカを成長させる

全方向が開けた場所でギンバイカを成長させる

上のオリーブと同じお住まいですが、オリーブの対面花壇の庭木にはギンバイカを植栽しています。

ギンバイカは放任しても樹高3m程度の低木ではありますが、成長の速度自体は速く、幅も相応に増してくる事を想定しなければなりません。

こちらの様に高い位置にある花壇内であれば、横幅の成長によって周囲を歩きにくくなるといった事も無くなります。
また、花壇の容積は小さいのですが、ギンバイカの様に乾燥にある程度耐える庭木であれば安心出来ます。

オリーブと共に、ギンバイカは陽当たりが強く乾燥しがちな場所で成長させたいおすすめな庭木です。

ギンバイカの特徴や植栽実例ご紹介ページも是非ご参考下さいませ。

 

6mクラスのコナラ

6mクラスのコナラ:横浜市K様邸

こちらで大きく育てる庭木はコナラです。

お住まいの2階リビングから充実した庭木の緑を眺める為には、上部の枝葉展開が広くなった樹形の庭木を選ぶ必要がありました。

コナラの様な山間の木であれば大きくなるにつれて樹冠が広がる成長を見せる為、2階から眺めた際に広く展開する枝葉を楽しめる様になります。

コナラやクヌギなどを検討される場合は周囲の環境をよくチェックし、近隣のご迷惑とならない事を確認の上で植栽計画を立てましょう。
こちらの場所の様に擁壁上の立地で隣家と接しない場所であれば植栽は可能ですが、強風対策は通常の庭木よりも厳重に行う必要があります。

普通の風止め処置であれば竹材3本による「八掛け」で良いのですが、このクラスの庭木ですと重量があり、強風で揺れただけで竹材を簡単に折ってしまいます。
この様な庭木の場合は梢丸太によって八掛けを組み、丸太の接点には太い釘を貫通させておく必要があります。

 

2階の窓を目指すシマトネリコ

2階の窓を目指すシマトネリコ

成長力が敬遠されがちなシマトネリコも、この様に2階の窓を目指す成長をさせるつもりであれば大変おすすめな庭木です。

シマトネリコは上部展開を放任すると下枝を自然に枯らしていく傾向があり、樹高が高くなった時には意外にもスッキリとした樹形となります。

シマトネリコも樹高が上がっていくに従い上部の葉張りが広くなり、2階窓へ到達する頃には左右いっぱいに枝葉が広がっている事が見込まれます。

シマトネリコは狭い場所への植栽は不向きな庭木でありますが、大きく成長させたい場合は優秀な庭木と言えるでしょう。

 

全体が膨らむ成長を見せるヤマモモ

全体が膨らむ成長を見せるヤマモモ:夷隅郡S様邸

甘酸っぱい果実と充実した枝葉が特徴のヤマモモは、放任次第では非常に大きな木となる樹種です。

しかし定期的な剪定によって樹勢は抑えられるのも特徴で、3m強の樹高であれば樹形自体も保つ事が出来る庭木です。

萌芽力も強く、葉がほぼ残らない様な強剪定にも全く動じす、大きくなり過ぎた際の切り戻しも可能です。

ヤマモモは果樹と言いますよりも目隠しや緑化用としての側面が強く、元々面積の広いお庭での植栽に向いています。
スケールの大きな目隠しに対応でき、いったん根付けば病気や害虫の被害も受けにくい剛健な庭木です。
しかしハマキムシの被害が出やすい環境もありますので、こちらには注意が必要です。

ヤマモモの実成り品種「瑞光」

ヤマモモの実成り品種「瑞光」

実の成るヤマモモの品種として「瑞光」や「森口」が庭木として流通しています。

花期は3~4月で、その後すぐに6月~7月上旬に実の完熟期を迎えます。
多く成る実は次々と自然落下しやすく、地面に落ちてすぐに傷んでしまうという難点があります。

この点からもヤマモモの実成り品種を植える場合は、実が次々に落ちて汚れては困る場所へは植栽しない事が無難です。
アプローチやカーポート等に実が落ちますと汚れが落ちにくくなりますので要注意です。
尚、同じ点で気を付けたい庭木としてジューンベリーが挙げられます。

 

庭木選びのまとめ

庭木選びについての解説を、代表的な樹種も交えてご紹介してまいりましたが、如何でしたでしょうか。

庭木は選ぶ事も楽しみの一つであり、植樹前に樹種の情報等を集める事が非常に有効かと思います。

庭木については植物考察的な説明や苗木の増やし方、肥料などの情報は多く見られますものの、実際にお庭に植えた後の生育考察やその姿を見られる情報は少ないかと思います。

庭木は根付いた後はそれほど気を遣うものではなく、肥料や散水なども必要最低限で十分に成長します。
山の木や街路樹をご覧になれば解る様に、植物は基本的に強い生命力を持っています。

是非こちらのページをご参考いただき、お庭づくりのお手伝いとなりますと幸いです。

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