A様邸のバルコニーは中層階に位置しております為、新築されたお向かいのマンションからの視線が気になってしまう状況でありました。

採光の為に壁全面がリビング窓となっており、カーテンを全閉すると極端に暗くなってしまう事が懸念されました。

そこで今回は大型の長方形プランターを4基設置し、植木によって目隠しをする事となりました。

室内から眺めるプランター植栽

室内から眺めるプランター植栽

壁一面が窓ガラスとなっている開放的な空間ですが、植栽の緑によってまた一段と魅力的な空間へと生まれ変わりました。
設置した大型プランターは幅1200mmのサイズですが、FRP製でありますので非常に軽量な物となります。
バルコニーへのプランター設置を計画する際は、風による転倒リスクとプランターの軽量化を並行して考慮する必要がありますのでご注意ください。

 

スッキリと収まったプランターと斑入りマサキ

スッキリと収まったプランターと斑入りマサキ

4基のプランターは一体化する様に連続して設置されている為、景観的にも美しく感じられます。また、当初からこちらの様なダークカラーを選んでおく事で、水アカ等の汚れも目立ちにくくなります。
軽量化で検討するのは土についても同様で、バルコニーへのプランターの場合は軽量タイプの土を積極的に混ぜ込む必要があります。パーライト等に代表される発泡体は水捌けや発根も良く、生育面でもメリットとなる事が多いです。ただし培養土類を多用すると乾燥が激しくなりやすい為、注意が必要です。

斑入りマサキからヒメシャリンバイへと続く目隠しの庭木は色の変化も織り交ぜており、単調な生垣とは異なる見せ方を考えてみました。

 

ビバーナムからギンバイカへと続く目隠し植栽

ビバーナムからギンバイカへと続く目隠し植栽

葉密度も高く色濃い緑を楽しめる、ビバーナムティヌスギンバイカ(マートル)の組み合わせによる目隠しエリア。
双方とも密度の濃い常緑樹でありながら花を付けやすい、数少ない種類と言えます。この他にはエリカ寒椿等が挙げられますが、プランターという条件下では剛健とは言えず、難しい所です。
これらの庭木は刈り込みや切り戻し剪定からの芽吹きが旺盛な為、これも目隠し用途として向いている特性です。
乾燥にもいくらか耐える力がありますが、総じてプランター植栽の場合は散水管理は必須となります。

 

葉張りのあるヒメシャリンバイ

葉張りのあるヒメシャリンバイ

比較的低い位置への目隠しとして植栽する事が多いヒメシャリンバイですが、プランター植えの場合は背丈が30cm程高くなりますので、意外な効果を発揮してくれます。
根の動きも比較的おとなしく、根の強いシマトネリコやオリーブよりはプランター強度を懸念する必要はありません。
生垣風に列植えする場合はもう少し葉の少ない樹形を寄せて植えるのですが、今回はこの様に立派なヒメシャリンバイですので、1本を独立させて見せる植栽手法と致しました。
目隠し効果もあり生育も緩やか、ご自身での手入れも行いやすい、おすすめな庭木と言えます。