新宿区O様邸マンションのバルコニーは面積が広く遮る建物も無く、都会にいながらも非常に開放的な環境となっておりました。景観用としてプランターが設置されておりましたが、年月が経過し植物も傷んでおりました為、この度植木の植え替えをご依頼いただきました。年間を通して葉が見られる様に常緑樹を中心とした植栽プランとし、同時に土壌の改良もさせていただきました。

 

オリーブや柑橘類など常緑樹の植栽レイアウト
オリーブや柑橘類に併せ、ギンバイカやヒメシャリンバイなどの花物も植栽されております。ユズや大実キンカンの柑橘は一つのプランターに収め、プランター毎に植栽樹種を分ける構成となっております。この為、多くの樹種が植わっていながらも、景観的にはどこかまとまりのある雰囲気に見せる事が出来ます。1プランターへ多種の植栽を行う事は施工時には賑やかに見えますものの、景観維持は非常に難しくなる事を踏まえておくのが良いでしょう。

 

足下のコニファー類が根の周辺の保護の役割も果たします。
反対側からの眺めです。特に手の掛からないヒメシャリンバイは2プランターへ植栽。柑橘類を除き、毛虫による食害が起こりにくい樹種でまとめております。植木の足下には乾燥に強いコニファーを植栽し、立ち木の根周りを直射日光から守ります。プランターにはツル植物が用いられる事も多いのですが、マンションバルコニーの場合ですと反対側や隣室バルコニーまで伸びてしまったツルに気付かないケースも考えられます。早期に領域を広げてしまう種類は避けるのが良いと考えます。

 

左右のプランターにはバークチップによるマルチング
左右に配されたプランターには、背の低い植栽を施しております。隣地へ日陰を作ってしまったり頭上で枝が越境してしまう事を避けるのに有効となります。寒さで葉を落としてしまっておりますがキンシバイ、反対側はプリペットを植栽しております。どちらも伸びる力は強いものの、背が低い為ご自身でカットを行うのも容易となります。

 

青空の下、活き活きとした雰囲気を出す植栽群
都心とは思えない好環境で活き活きとした雰囲気を出す植栽群。あまりにも高層階の場合ですと生育が難しいところではございますが、低層マンションの場合ですと相応に成育をさせる事が可能です。プランター用土などを多用しますと非常に乾燥を起こしやすく、その際は土に含まれる肥料焼けも併発しやすいので注意が必要です。庭木を育てる場合は必ずしも肥料が必要な訳ではございませんので、庭土に近い軽量な土で植栽し、生育状況を考慮したうえで必要に応じた施肥を行う事が良いでしょう。