S様邸のリビングは広いウッドデッキと繋がっておりましたが、既に植わっていたシマトネリコが大きくなり過ぎてお困りになってしまっている状況でした。

成長が早く電線を揺らしていたシマトネリコ

成長が早く電線を揺らしていたシマトネリコ

シマトネリコは高さを強引に詰めれば詰める程に縦方向への成長力が増し、毎年2m弱程に伸びてしまう枝を落とし続ける、そんなサイクルになってしまいがちです。

植栽当初から3~4mの樹高を想定するのであれば良いのですが、頭上に電線のある場所や屋根の軒に近い場所へは植栽しない事が無難です。

シマトネリコの抜根作業

シマトネリコの抜根作業

植え替え作業に伴い、まずは既に植わっていたシマトネリコは伐採・抜根をします。

シマトネリコは重い枝葉や幹を支える為、根も相当に太く走りやすく、周囲に配管類が埋設されている場合は注意が必要です。

この抜根作業においてもやはり配水管の下を太い根が潜っており、シマトネリコの揺れと共に埋設管も揺らしている状況でした。

新規に植栽するソヨゴの株立ち

新規に植栽するソヨゴの株立ち

新たに植栽するソヨゴは樹高3m~の株立ち樹形であり、目隠しとして機能する様に枝葉の多いものを吟味しています。

ソヨゴと言えば枝葉が少なく軽やかなイメージがありますが、目隠しとして十分に頼れる様な樹形も存在します。

 

目隠しとしてしっかり役割を果たすソヨゴ

目隠しとしてしっかり役割を果たすソヨゴ

新たに植栽をしたソヨゴの株立ちとなります。

樹高3m~のソヨゴは存在感もあり、特に枝葉の多いものを選んでおりますのでボリュームもあります。

植栽株数は2株であり、これで約2mの範囲を自然に目隠しする事が出来ます。
目隠しの有効高さは3m以上あり、これはフェンス類ですと難しい高さと言えます。

成長のおとなしいソヨゴであれば大きくなってしまう心配も軽減され、緑濃いグリーンを庭へ取り入れる事が出来ます。

 

ソヨゴと合わせるイロハモミジ

ソヨゴと合わせるイロハモミジ

ウッドデッキの端から端まで目隠しの植栽をしてしまいますと、陽当たりが極端に少なくなって風通しも弱くなってしまいます。

そこで左端のみを自然樹形のイロハモミジの植栽とし、景観の変化と明るさを確保する事にしました。

イロハモミジの樹高は4m程ありますが、枝葉の整理を行う事で圧迫感を和らげ、自然に生えてきたモミジの様に仕立てております。

植栽で自然の中のウッドデッキを演出

植栽で自然の中のウッドデッキを演出

せっかくのウッドデッキであれば、外からの目線を気にする事無くくつろぎたいものです。

しかし目隠しの手段としてフェンスをくまなく設置しますと構造物としての硬さが感じられ、なかなかナチュラル感を演出するのは難しい事です。

しかし庭木の植栽であれば自然の中にあるウッドデッキといった雰囲気も容易に作り出す事ができ、樹種選びさえ慎重に行えばメンテナンス性も良くなります。

ソヨゴの枝葉は縦方向のシルエットが強いのですが、イロハモミジの横枝が横断する事で山間の様な雰囲気となる事がお解りいただけると思います。
最奥部にある既存のヤマボウシの存在感もあり、まさに森林浴の様な気持ちよさを味わえます。

 

住まいの景観も変える植栽

住まいの景観も変える植栽

目隠しとして内側の景観を重視しがちな植栽ですが、外側からの眺めも大切に考えたいものです。

今回植栽をした庭木は十分な樹高を有している為、外側から眺めた場合も存在感を感じられます。

いわゆる外観を意識した植栽でありますが、これらは樹木と建物の調和を楽しむ上で重要な存在です。

今回の植樹効果としては、ソヨゴの濃いグリーンが通年お住まいに緑を添え、イロハモミジが季節の移り変わりを演出してくれる事でしょう。

目隠しと景観のバランスを考えた植栽は大変効果的ですので、お悩みの際は是非お声掛けを戴ければと思います。