マンション1階にお住まいのI様は、専用庭を何とか有効に活かしたいというご希望をお持ちでした。

こちらのマンションの専用庭は奥行きこそ短いものの、左右の距離は8m程あり、専用庭リフォームによってお子様の遊び場としても活かせるのではないかとお考えでした。

固い土と砂利に悩まされていた専用庭

固い土と砂利に悩まされていた専用庭

しかし専用庭は非常に硬い土で覆われており、前居住者の方が何度か撒いた砂利や石も全体に露出している状態でした。
また、左奥に見えるのは共用設備である排水口で、これも景観上目立たない様に隠す必要がありましたが、この排水口の「低さ」が問題でした。

そしてご相談の上、排水口については周囲をレンガで囲んで土留めとし、周囲の土レベルを上げるという手法を取る事にしました。

既存土間の上から奥まで繋がる人工芝空間

既存土間の上から奥まで繋がる人工芝空間

リフォームを終えた専用庭は、既存のコンクリート土間の上から隣家境界まで人工芝空間が続く、広々としたお庭に生まれ変わりました。

足触りも柔らかく、細葉タイプでツヤの少ない人工芝はメンテナンスフリーでありながら天然芝の様な心地良い景観を実現します。

通常人工芝の下については砕石を敷き込んで転圧を掛け、不陸予防となる地盤を作りますが、マンション専用庭の場合は転圧機による騒音や振動がNGとなりやすい他、大量の砕石を搬入する事自体が許可されないケースもあります。

今回は通常よりも薄い砕石層を作って手作業によって締め固めておりますが、相応に固い地盤は作る事が出来ます。

既存樹木の下はレンガチップでマルチングを

既存樹木の下はレンガチップでマルチングを

専用庭には何本かのカクレミノが植栽されておりましたが、これは共用物に該当しますのでこのまま活かす事になります。
樹木の幹回りまで人工芝を近接させる事はせず、樹木下はレンガチップによってアクセントを付けています。
このレンガチップは人工芝の切れ目の「直線」を少し暈してくれる効果もあり、これが人工芝を更にリアルに見せてくれる事に繋がります。

人工芝のフラットな空間が専用庭の奥まで続き、遊び場としても活用出来る様になりました。

また、人工芝は防草シートと併せて施工するものであり、雑草対策としても非常に有効と言えます。
専用庭は陽当たりが少ないにも関わらず芝生を張られているケースも多く、この管理にお悩みの方にもぴったりなリフォームと言えるのではないでしょうか。

既存樹の幹回りは人工芝をくり抜いて施工

既存樹の幹回りは人工芝をくり抜いて施工

専用庭の中心部には既存樹が1本植わっており、こちらについては人工芝をくり抜いて施工する事で保護しています。

本来であれば既存樹の幹に沿って人工芝をくり抜けばよりリアルな芝生に見えるのですが、やはりこの幹も次第に太っていく事が考えられ、その際に人工芝へ干渉してくる事を避ける為にも、この様に余裕を持ったくり抜き加工を施しています。

排水口周りと隣家境界付近の仕上げ

排水口周りと隣家境界付近の仕上げ

懸念事項であった排水口の低さについては周りをレンガで囲んで独立させ、その上にレンガチップを被せて隠しています。
こうする事で周囲と排水口の高低差が全く見えなくなる上、レンガチップは完全に水を通しますので排水口はそのまま問題なく機能する事になります。

隣家境界部には目立たないエッジ材を埋め込んでおり、これによりレンガチップが隣家側へこぼれてしまう事も起こりません。

また、メッシュフェンスの上部にはフェイクグリーンを設置し、程良い目隠し対策も実現出来ています。
フェイクグリーンは他の目隠し資材よりも設置に嫌味がなく、近隣様へも閉鎖感や圧迫感を感じさせにくいというメリットもあります。
更にフェイクグリーンはかなり軽量である為、この様に既存物を利用した設置にも大変おすすめと言えるでしょう。
特にマンション専用庭ではこの様なライトな目隠し対策が有効であり、原状復帰(取り外し)も極めて容易に行えるので安心です。

今回の様に、マンション専用庭が広いにも関わらずに活かしにくい状況にお悩みの方も多いと思います。
使いにくい専用庭であっても、大規模なりリフォーム工事ではなくシンプルなリガーデンを行う事で、生活に寄り添う美しく実用的な庭へ生まれ変わります。
専用庭のリフォームをお考えの方は是非お声掛けをいただければと思います。

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