K様邸のプランター植栽におきましてはお住まいの設計段階よりお声掛けを戴き、プランターの設置方法等を取り決めさせていただいておりました。

今回設置致しましたプランターは直径1mの大型円形です。
ウッドデッキテラスとなっている中庭中央へ予め直径1mの穴を空けていただいており、こちらへ沈める様にプランターをセット致しました。

当初より植栽コンセプトはナチュラルなデザインに設定しており、実施工を行いながらデザインを組み立てる事となりました。

小さな自然感を見せるプランター植栽

小さな自然感を見せるプランター植栽

リビング側から眺めるプランターの様子です。 ビューポイントとしてはこちらがメインとしてデザインをしておりますが、ほぼ反対方向、入室口からの眺めも意識したレイアウトを行っています。
デッキ中央へセットしたプランターは、キッチン周りも含めた3方向から眺められる大切なポイントとなっています。 メインとなるトネリコは4mサイズの双幹樹形を植栽し、圧迫感の無い軽やかな風景を演出してくれます。

 

「中央」に拘らないナチュラルなレイアウト

「中央」に拘らないナチュラルなレイアウト

円形プランターへ植栽を施す場合、主木を中央へレイアウトして周囲を均等に見せるのが通常ですが、ナチュラルレイアウトを行う場合はこの限りではございません。 こちらのプランターではシンボルツリーのトネリコを斜め後方へセットバックする事で、自然石と苔で構成される空間を全体の半分まで確保しています。 造園におきましては「空間」とは余った場所を指すのではなく、当初から設計に組み込まれる大切な位置付けとなります。
低く構える苔エリアを設ける事で、「近景」「遠景」のエリアを分け隔てる事ができ、これが全景としての立体感へ繋がってまいります。

 

雑木類の自然な共生を表現

雑木類の自然な共生を表現

雑木類の共生もまた、ナチュラルデザインの醍醐味であるかと思います。山歩き等をしますと、1本だけ雑木が独立して生育している事は稀であり、高木の下には中木、さらには低木・灌木類や下草等が共生しています。
お住まいへの庭植えでも同様に、この植栽群の構成を表現する事でより自然味を感じられる様になります。
こちらでは高木としてトネリコ、中木としてオトコヨウゾメとセイヨウカマツカをレイアウトしています。
共に花と紅葉を持ち味としており、生育も緩やかな雑木と言えます。

 

冬季も残る常緑葉のレイアウト

冬季も残る常緑葉のレイアウト

雑木類と言いますと一般的には落葉樹を指す事が多いのですが、標高の低い野山ではナチュラルな常緑樹も多く見られます。庭植えの場合、常緑雑木類としてカシ類、ソヨゴ、椿等をレイアウトする事も出来ますが、プランター内では生育維持的にも無理が生じてきます。
そこで冬季でも緑が残る様、こちらではナリヒラヒイラギを始め、バックにアオキもレイアウトしています。カレックスやイネ科植物、セキショウ類も各所へ植栽しており、それぞれ異なるグリーンを楽しめる風景になっております。

 

切り立つ石も柔らかに見せるナチュラル感

切り立つ石も柔らかに見せるナチュラル感

前景となる苔エリアと後景を分ける役目を持つ自然石は、鳥海石をレイアウト。デザインの境目となる役目に併せ、いわゆる景石という景観面の役割としても欠かせません。どんなに小さな庭石におきましても微弱な高低差を付ける事が大切であり、これによりメインの一石の存在感が増す事に加え、庭の方向性も明確になります。
こちらでは主石のみを立石として切り立つ表情に据え付け、他の小石は全て伏石として面も柔らかな向きにしております。
手のひらサイズの小石でも、組み合わせや表情の工夫によって自然味豊かに構成する事が出来ます。

 

小さな石とコツボゴケが見せるナチュラル感

小さな石とコツボゴケが見せるナチュラル感

陰地はもちろん、木の下や石が接近した暗所でも適応を見せるコツボゴケ。冬季の寒さによって枯れ傷んだ葉の間からは、春先に新芽が展開して胞子を付ける様も観察できます。 葉も小さく背丈も低く維持する特性がある為、小石を使う小さな庭に良く似合います。 日照や乾燥を伴う場所であればスナゴケで近似の景観を作る事が出来ます。
コケも生育によって思わぬ高さへ成長する種類がありますので、コンパクトに美しく育つ種類を選ぶのが良いでしょう。
こちらでは、春以降に頭上の植栽の葉が展開して苔への日除けになる事を想定したレイアウトを行っています。小さな工夫が後々に大きな効果をもたらしますので、自然に習った植栽計画も大切です。