今回は大田区のオフィスビル様よりご依頼を戴き施工を致しました、垣根(人工竹垣)のご紹介です。

オフィスビル横には石塔が建てられておりましたが、裏手がネットフェンスでありました為に集合住宅の駐輪場が筒抜けになってしまっておりました。

施工前の石塔周り
駐輪スペースは居住される方々もよく通られます。物置も境界近くまで接近しており、景観上も宜しくありません。
そこで今回は目隠しと石塔の背景作りを兼ねまして、人工竹垣(御簾垣タイプ)を施工する事となりました。

 

人工竹垣の柱へチャンネル材を取り付けます。

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今回の人工竹垣は、円柱材(マルチポール)を使用しております。 施工箇所に一部屈折した箇所があります為、自由な角度設計が可能な部材が必要になります。 据え付け前の柱へ、人工竹の積み上げ高さに加工したチャンネル(溝)材を取り付けます。

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チャンネル材がアルミ柱へ取り付けられた様子。柱に加工された溝模様と同じデザインの為、柱とチャンネル材は一体感があります。

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マルチポールに屈折の角度を合わせてチャンネル取り付けを行った様子。円柱材は僅かな屈折から直角の折り返しまで、様々な施工条件に対応する事が出来ます。

 

据え付けた柱材へ横フレーム(銅縁材)を取り付けます。

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コンクリートによって据え付けられた柱材が固まった所で、竹材を受け持つフレームを取り付けます。 重ね上げた人工竹材の重量がかかる部分ですので、ビス留めは2箇所ずつ行います。 裏手に廻って施工する事が可能な場合は、ビス留めは裏側へ施すと目立ちませんのでお勧めとなります。

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銅縁材を取り付け終えた様子です。 見た目も一直線となり、材質的にも目立ちにくい仕上げとなっております。

 

人工竹材のカット~積み上げを行います。

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人工竹材のカットにおきましては設計上決められた長さは無く、据え付けられたフレームを改めて計測して取り決めます。 左右の柱に対してきつ過ぎず緩過ぎず、適切な長さをミリ単位にて決定します。

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基準となる人工竹材をカットします。カット後に再び合わせを行い、適切な長さであればこちらの人工竹材を基準にカッターでカットしていきます。

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1スパン毎に人工竹材をカットした物をまとめておきます。

 

押し縁として縦方向に人工竹材を縛り付けます。

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人工竹材は積み上げをしますとなかなかの重量となり、全て積み上げしまいますと「たわみ」が発生するばかりか、縛り付けの際に綺麗に持ち上がりにくくなります。 ですのでまず少量の積み上げを行い、その都度縛り付けを行います。 そうしますと写真の様に綺麗に積み上げが進み、縛り付けもきつく丈夫な仕上がりとなります。

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縛り付けは従来の竹垣と同様に「やとい」を通して行います。 最近の人工竹材は表面処理も良くなっており、金属のやといを通しても傷が付きにくくなりました。

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全高の半分まで人工竹垣が仕上がった様子です。ここまで積み上げを終えた所で、中間銅縁を取り付けます。

 

中間銅縁を取り付け、人工竹の積み上げを進めます。

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中間の銅縁を取り付けます。中間で一旦銅縁材を入れる事で、フレームに掛かる重量を半分ずつに軽減する事ができ、同時に柱同士の結束力も向上します。

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人工竹材を最上部まで積み上げ、下部同様に縛り付けによって固定します。

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縛り付けまで終えましたら、アルミ材や竹垣部分を清掃します。 今回仕様致しました竹材は1本ずつ個体差を持った特別品で、自然に御簾垣らしい模様が浮き上がり、美しい仕上がりとなります。

 

完成した目隠しの人工竹垣です。

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石塔の背景にふさわしく、明るさが抑えられた垣根風景が出来上がりました。 背景が暗く感じられる事もなく、人工竹垣特有の繊細さが心地良い眺めとなりました。

こちらの人工竹垣につきましてはお庭の施工例-大切な石塔の背景として、御簾垣タイプの人工竹垣を-大田区オフィスビル様にてご紹介をさせていただいております。

それでは失礼致します。