今回は小平市のH様邸にて施工をさせていただきました、花壇と植栽のご紹介です。

施工した花壇の内部へ植木を植栽し、賑やかな風景を作ります。
H様邸は状態の良い管理をされた植物が多くございますので、景観的にも相性が良いと思います。

花壇施工箇所の芝生を根ごと撤去します

花壇部分の芝生を撤去
花壇の形に沿って印(切り込み)を付け、芝生を根ごと剥がしていきます。
芝生の根は意外に地中深く厚みがあり、茎部分は多くがランナーとして浅い部分に広がっています。
根はもちろん茎の残りが無い様に、剥がしていきます。
剥がした芝生は処分に際し根と土を分離する必要がありますので、はたきながら作業を進めます。

花壇の輪郭
花壇の形状に芝生が撤去され、全景が浮かんできました。
花壇の施工に合わせて土壌も改良致しますので、この段階から既存土を搬出していきます。
芝生レベルよりも10センチ程下げておき、ここから花壇作りに入ります。

庭石(みかも石)と凝灰岩の縁石を組み合わせて花壇を形成します

出発点をみかも石で組み付け
既存ブロックとの接地部分から花壇がスタートする設計です。
この部分はみかも石を組み合わせてスタートします。
直線的な縁石をブロックと繋げてしまうと、色違いの同素材が接触した見た目になってしまいますので、この部分はブロックとは完全に異なる資材を使用します。

凝灰岩の縁石を曲線的につなげます
みかも石の曲線を引き継ぐ様に、素材を途中から縁石に切り替えます。
縁石は、完全な直線でない場合以外は、思い切りの良い曲線を作ると良い雰囲気が出ます。
遠慮がちな曲線ですと、単純に直線が崩れた様な印象になってしまいますので、短い距離でも曲げを強くするのがお勧めです。

奥へ進む花壇のライン 立体感を出す庭石
花壇の施工は庭の奥へ曲線で続いていきます。
縁石の曲線は途中で変化してしまわない様に、一定の曲線を維持して設置していきます。
対しまして庭石の方は、ある程度の曲線変化を許容します。
必要不可欠な曲げや、立体感を出す為に大小を組み合わせる様な施工が可能です。
縁石と庭石、こちらの2つが組み合わさる事で、どんなに小さな花壇でも立体的な景観を作り出す事が出来ます。
また、双方共に「石」である事は共通しておりますので、植栽と組み合わさった際の自然味も魅力的です。

目地セメント処理 目地を入れ終わった花壇
組みあがった花壇には、目地セメント用の隙間が設けてあります。
この部分に目地セメントを入れていくのですが、完成後にこの部分が大きくならない様に縁石と庭石が組んである事が大切です。
こちらの部分に最低限に入れたセメントにより、花壇外に土が流れる事がなくなります。
花壇の外側よりも内側の土の方が高い事が前提ですので、流土対策は万全にしておく必要がございます。
この工程を終え、植木の植栽作業に移ってまいります。

施工を終えた花壇へ植木を植えていきます

プリペットを植栽
花壇の奥には物置が設置されておりますので、ゆくゆく物置の側面を目立たなくさせる意味合いも込めてプリペットを植栽致しました。
無理に刈り込み続けるよりも、ある程度の柔らか味を残したい植木ですので、生長が許容出来る場所へ植栽する事が大切です。
刈り込みを頻繁に続ける事で、かなりの速さで枝が太り、植栽当初の姿と変わってしまいます。

新たな土を客土
ホンコンエンシス(常緑ヤマボウシ)、ブルーベリーをセットし、新たな土を花壇内へ客土していきます。
土は堆肥が混合された赤土ベースの物で、畑土に近い質感で保水性も適度に持っています。
堆肥といいましても樹皮を主原料としたバーク堆肥ですので、肥料効果などは持っておりません。
庭木にはこの様な優しい特性の土を使っておくと安心です。

風留め竹に植栽を固定します
横方向へ通した竹へ、植栽を縛って固定していきます。
花壇内は面積が限られておりますので、丸太を埋め込んで竹を横へ通して固定します。
無理に竹へ引き寄せて固定するのではなく、部分的にはある程度のたるみを持たせて縛っておきます。

植栽を終え、土を混ぜ合わせて完成です 完成した花壇・植栽
こちらにはヒメシャリンバイとギンバイカを植栽し、風留め竹へ軽く縛ります。
仕上げに腐葉土を敷き込み、赤土と軽く混ぜ合わせて、花壇植栽の完成となります。

完成した花壇と植栽の様子です

花壇と植栽の全景
曲線模様で変化を付けながら進む花壇の様子。
足元部分は草花などを楽しまれる様に空間を空けております。

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植栽は、ブルーベリーが落葉樹であります他は常緑樹によって構成致しております。
最も明るい部分にはホンコンエンシスを植栽し、やや日陰気味の場所へはヒメシャリンバイ、その中間的な部分にはギンバイカを植栽致しております。

花壇の内側へ様々な植物が植えられた際は、とても綺麗な花壇になると思います。

植栽に先立ちまして、「植栽をする部分」を設ける事が大切です。
花壇内で増えたり広がったりした植物も、花壇という境界があるだけで非常に管理がしやすくなります。
高さを抑えた花壇なら、乾燥しすぎる環境になるのを避けられますし、今回の様に面積が広くてもお庭に圧迫感を感じる事はございません。

自然素材を組み合わせた植栽用の花壇を、ぜひ取り入れてみては如何でしょうか。

それでは失礼致します。