今回は千葉市花見川区よりご依頼を戴きました、玄関前の花壇への植栽作業のご紹介です。

お住まいに花壇(植栽スペース)はよく併設されるものではありますが、花壇の位置を優先に計画されて設置するという例は意外に少なく、どうしても
■外溝工事の結果、人が通るアプローチ以外に空白となった部分
■人が通らない、見えにくい部分
■コンクリートを流す際に端を空け、そこを花壇とする
こういった部分に花壇スペースがうまれ、植栽をする事が多くなります。

ですので花壇への植栽をご依頼戴く際、「この部分をどうしたものか思いつかない。」「ここで花を年間植え替えて飾る気にはなれない。」といったお考えの延長で、植木を植えるという結論となる事が多いのが実情です。

今回ご依頼いただきました花壇は玄関周りの二箇所となっております。
植栽をするとお住まいがとても引き立つ部分に設置されておりました。

植栽前の花壇
こちらの花壇は地面からの高さがあり、草花などを楽しむにも奥のほうは手が届きづらい欠点がございます。
ですが植栽つまり植木を植えますと、「手ごろなサイズの植木でも高さがある様に見え、立派に見える」といった別のメリットがでてまいります。

駐車場側の花壇

こちらは駐車場内に、コンクリートの空間を花壇に仕立てた花壇です。
お車の乗り降りの際に歩く部分でもあり、お荷物を持った状態でありますと、植栽が邪魔になってしまう事は避けなくてはなりません。
植栽は立派でありながらスリムな物を選びたいところです。

シンボルツリーの常緑ヤマボウシ

まずお住まいのシンボルツリーとなります、常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス)を搬入し、植栽します。
2.5メートル程の高さの植木ですが、高さのある花壇に植栽しますので、道路から3.5メートル程の高さとなります。
遠くから眺めてもお住まいと良く調和して見えます。

主木に添える低木を植栽 マホニアコンフューサの植え付け

植えつけた常緑ヤマボウシへ添える様に、低木のマホニアコンフューサを植えつけます。
高さのある花壇から、やわらかい枝がややお辞儀をするイメージで植栽します。
シンボルツリーと共に常緑樹ですので、冬も同じ様に緑を保ってくれます。
ですが常緑ヤマボウシは寒さにやや弱く、北風が強く当たると葉を多く落とします。
その場合の事も考えて取り扱うのが良いでしょう。

グランドカバーを植栽
空いているスペースへ、グランドカバー類を植栽していきます。
手前に植栽したのはグリーンマウンドです。
葉が非常に細かく、這性の枝は立派に育ちます。
花壇から枝が垂れ下がる様に育てていく事が出来ます。
奥に見えるのはハツユキカヅラです。葉が花の様な色で美しく、つる性で育つ内にカーペットの様に地面を覆います。

シモツケを植えて植栽が完成
シモツケを手前に添え、こちら側の花壇は完成となります。
小さな花壇の中に多くの色が植栽され、レンガ調の壁との引き立ちあいも美しい空間となりました。

続いて駐車場側の花壇への植栽に入ります。

トキワマンサクの植え付け
こちらの主木はトキワマンサクです。
生垣としてよく使用致しますが、こちらに植栽するのは1本で形になる、よく生長したタイプです。
植栽後は剪定を施し、ゆとりを持って生長できる様にします。

フッキソウの植栽
トキワマンサクの足元はほとんど陽がささない部分となりますので、適応する下草と致しましてフッキソウ(富貴草)を植栽していきます。
繁殖力のある草ですので、裏手や奥など影地一面を覆いたい際は重宝する品種です。

ヤブランを添え付け
フッキソウと共存する植栽としてヤブランも配置します。
正式には「斑入りヤブラン」なのですが、造園上ヤブランといいますとほとんどがこちらの葉が使われます。
暗い影地も明るくなり、画像の様に紫色の花も付けます。
逆に自然風、ナチュラルガーデンなどでは斑入りではなく濃緑一色のヤブランを植栽するのが良いでしょう。

出来上がった花壇の様子 12
植栽が仕上がった二箇所の花壇です。
この様に花壇の周囲がレンガ調で明るいイメージですので、植栽は彩り豊かでも、またはシンプルな色合いのみでも自然と調和します。
傍を歩くにも邪魔にならない植栽をする事が出来ました。

ちょっとした植栽部分であっても、計画的に植栽を施す事で、お住まいにとって欠かせない程の存在となり得ます。
小さな場所ほど本格的な植栽を行うのは思い切った事と思われがちですが、小さな場所ほど後々の管理もしやすく、散水が欠かせない季節も比較的楽にきちんと水を撒く事が出来ます。
小さな場所ほど植栽がきれいに維持されているのをよく見掛けるのは、そういった事も影響してるのではないでしょうか。

計画的に設置された花壇、思わぬ場所に空けられた空間、どちらも美しい空間になり得ますので、お困りの方はぜひご依頼を戴ければと思います。
それでは失礼致します。