今回はシマトネリコの植栽工事の様子をご紹介致します。

シマトネリコを植える場所は広いお庭の中央にあるウッドデッキの前であり、植樹は目隠しとしての目的も持っています。

広いウッドデッキにマッチする様に樹高もある程度有するシマトネリコをご用意し、植栽を行っていきます。

 

シマトネリコの植え付け

植栽するシマトネリコは樹高2.8m前後の株立ちで、幹の数は4~5本で構成される樹形です。

葉張りは約1.2mあり、2株の隙間をやや広げれば2.6m程の距離を枝葉によってカバー出来るという事になります。

2株を列植したシマトネリコ

2株を列植したシマトネリコ

程良い間隔を空けて植栽した2株のシマトネリコは、お互いの枝葉が付かず離れずといった位置になっています。

シマトネリコは横方向への成長も速く、周囲が開けて陽当たりが良好だと幅も充実しやすくなります。

反対に狭く暗い場所へ植えると横幅が成長しにくくなり、明るく高い位置へ枝を伸ばそうとする傾向が強くなります。

目隠しに向くシマトネリコの樹形は?

シマトネリコは一言で樹高~mといった品分けが難しい庭木です。

同じ樹高のシマトネリコでも幅や枝葉密度がかなり異なり、そもそも幹の本数も違います。

この為単純に樹高で価格を決める事は難しく、あくまでも枝葉充実度が重要になってきます。

目隠しの目的でシマトネリコを植栽する場合、人の目線の高さに枝葉が多く存在する樹形を選ぶ必要があります。

シマトネリコは特に下半分の枝葉が少なくなっている事が多く、これでは目隠しをしたい肝心な部分が幹だけになり、目隠し効果を得られない事になるからです。

陽当たりの良い場所で育てられたシマトネリコであれば下部まで葉が残っており、植栽直後から目隠し効果を発揮してくれます。

シマトネリコが日除けに向く理由

シマトネリコは日除けの庭木としても重宝されますが、その理由はまず強い夏の日光にも負けない事が挙げられます。

実は夏の直射日光に長時間耐えられる庭木は多くはなく、昔から庭に用いられてきた樹種以外は夏に傷みやすいものです。

ツゲやモッコク、ツバキ等の常緑樹であれば問題なく夏も乗り切れますが、近年ではなかなか好まれなくなってしまっております。

シマトネリコなら夏も葉が傷みにくく、更には乾燥や高温にも耐える強さも持っています。

洋風樹木ではオリーブも挙げられますが、陰を作りやすい、扇状に枝が展開しやすい、といった日除け向きの特性としてはシマトネリコの方が優れていると言えるでしょう。

また、シマトネリコは樹高を伸ばす速度も速い為、放任して将来的に日除けとする、という植栽計画にも向いています。

低い位置の枝葉を大切に育てる為に

シマトネリコの植え付け状況

シマトネリコの植え付け状況

シマトネリコは根の成長も速く、浅い部分に根を張り巡らせる環境を作る事が大切です。

もともと水捌けも良く、常に湿っている土壌も好まない木である事から、理想としては浅めに植え付ける方が良いでしょう。

また、シマトネリコの植栽時は、地表部分もスッキリと風通しの良い環境にしておく事が大切です。

多くの低木類を植えたりすると風通しや陽当たりも少なくなり、低い位置の枝葉が枯れていく様になりやすいからです。

低い位置の枝葉をどの程度育てていけるか、目隠しのシマトネリコはここがカギとなります。

ウッドデッキ方向へ枝を伸ばす様に

成長によってウッドデッキに枝葉が伸びる様に

成長によってウッドデッキに枝が伸びる様に

庭木には樹勢というものがあり、これはどこか一方向への伸びの偏りを表します。

陽のある方向へ樹木が傾いでいく事は自然な事で、商品として育てられた植木にもこの樹勢は存在します。

しかしシマトネリコやヤマボウシ、エゴノキやヒメシャラ等はいわゆる均等株立ち樹形が多く、バランスが整っている事が多いです。

ですがシマトネリコであれば、幹の曲がりをよく観察する事で方向性を掴む事が出来ます。

その方向性を掴めたら、自然に曲がっている方向へ更に成長を促す様に、枝を伸ばしてほしい方へ向けて植え付けを行います。

今回の場合はウッドデッキに向かって枝を伸ばし、その姿が自然に見える様にシマトネリコの向きを調整しています。

成長後の樹形が美しく自然に見える様、些細な事ですが拘りたい部分です。

 

シマトネリコへの風止め処置

シマトネリコは枝葉が重く、剪定をした際も枝葉の重さを実感できます。

この枝葉を支える訳ですから、当然強風に対する対策は施しておきたいものです。

今回の植栽場所は特に強い風が吹きつける為、通常の「八掛け」よりも頑丈な風止め処置を行います。

丸太の埋め込みと竹の打ち付け

風止めの要となる丸太を埋める

風止めの要となる丸太を埋める

今回の風止め処置は3本の丸太を地面へ立て入れ、そこへ横方向に竹を打ち付けていきます。

いわゆる「鳥居型」の風止めと似ていますが、今回は横方向に竹を通して木の結束する「布掛け」という手法を取り入れています。

使用する丸太は長さは1.8m、直径は12cmあり、この丸太を40cm~の深さまで埋める事になります。

丸太はコンクリートなどは使わずに「突き固め」を行いますが、かなり頑丈な支えになります。

丸太と竹を打ち付け

丸太と竹を打ち付け

しっかりと埋め込まれた丸太へ竹を釘打ちします。

この横方向へ通した竹にシマトネリコの幹をそれぞれ縛り付けていく事で、多少の強風では木も傾かなくなります。

幹と竹を棕櫚縄で結束

幹と竹を棕櫚縄で結束

シマトネリコと竹を結束している様子です。

幹には保護材を巻き付けてありますが、今回はゴムを使っています。

もちろん天然素材(麻)などを使う事もありますが、風止めはシマトネリコが根付くまでの一時的な処置でありますので、材質は特にこだわる必要はありません。

棕櫚縄は縛り付け時にかなりしっかりと結束出来る特性を持ちます。

棕櫚縄は表面が粗い為、縄を引いた力が逃げないまま縛り付けを終える事ができ、他の縄では難しい強固な結束を可能にします。

もちろん天然素材ですから朽ちるものではありますが、それまでにはシマトネリコの根が張ってしっかりと自立出来る様になっています。

 

植栽を終えたシマトネリコ

ウッドデッキ前へ植栽されたシマトネリコ

ウッドデッキ前へ植栽されたシマトネリコ

植栽を終えたシマトネリコは枝葉も充実しており、正面の目隠し効果も十分に担ってくれています。

植栽場所の陽当たりが良好であり、ウッドデッキからもやや話して植えている為、地表付近の枝葉にも日光がきちんと当たってくれます。

この環境ですとシマトネリコが成長しても下部の枝葉も元気に残りやすく、段々と下の枝が少なくなっていく事は避けられます。

これはシマトネリコを植える上で大切なポイントでありますので、植栽をご検討される方はご参考をいただければと思います。

更に樹高を育てる将来性

更に樹高を育てる将来性

今回植栽したシマトネリコは幹の数も多い為、放任成長させた場合も立派な樹形になっていきます。

こういった樹形のシマトネリコは扇形に整って育つ事が見込まれ、大きく成長させたいという植栽計画にも向いております。

隣家二階からの目隠しはもちろん、扇状に成長したシマトネリコは優れた日除けにもなります。

部分的なレイアウトであれば冬に暗くなってしまう心配もありませんので、特に日光が強く見込まれる部分に限定した植栽を行うと良いでしょう。

広いお庭で常緑樹を大きく育てたい、目隠しや日除けにしたい、この様なご希望であればシマトネリコは大変おすすめ出来る庭木ですので、是非ご検討されてみては如何でしょうか。