H様邸におきましては、お住まいご購入時より多くの植木が植わっており、土面は全て芝生を張ってあるという状態でございました。
多すぎる植栽、特に多種庭木の混植は生育によって剛健種のみが生き、おとなしい植物は全て枯れてしまう、もしくは姿が見えなくなってしまうのが通常です。

植栽リフォーム前の状況

植栽リフォーム前の玄関周り

植栽リフォーム前の玄関周り

システム門柱周りは全て低木で埋め尽くされ、細部まで芝生を張っている状況です。
芝生はアプローチに設けられた伸縮目地はもちろん、排水溝の蓋の隙間まで広がり、これらの撤去は手作業により行わざるを得なくなります。
低木類は手間が掛からない、という説明も目に致しますが実際には毎年の成型剪定は必須になります。
これを怠りますと全てが一塊の大きな植栽となり、ご自身ではどこに手を付けたら良いか解らなくなってしまう様になります。

カシ類や落葉樹が押し込められた状況

カシ類や落葉樹が押し込められた状況

植栽当初は小さな木が植えられる為、庭職に携わる者でありませんと将来の状況を予見するのは難しいものです。
始めは庭木同士の間隔が空いてはおりますが、木の種類によって適正な大きさというものがあり、そのサイズにまで生育した庭状況を植栽計画に盛り込む事が大切です。

今回はお客様の管理のご苦労を軽減する事を第一に、既存樹や芝生を伐採・全撤去する事となりました。
撤去後には新しく、手間の掛かりにくい植栽を施す事になります。

 

伐採・芝生撤去、植栽リフォーム後の様子

明るく生まれ変わった玄関周りの植栽状況

明るく生まれ変わった玄関周りの植栽状況

既存庭木はもちろん、芝生の撤去には根を土ごと搬出する必要が生じます。
こちらでは道路よりも高く盛り土がされ、その上に芝生を張って土を隠すという手法が取られておりました為、なるべく道路の高さまで土を削り取るという作業も伴っています。
手入れもしやすい丈夫な単幹ソヨゴをシンボルツリーとし、下枝の少ないアオダモをアクセントに、隣地境界付近には常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス)を植栽しています。
玄関周りは化粧砂利である錆砂利仕上げとし、底部には防草シートと継ぎ目テープによる雑草対策を施しております。

 

アプローチも歩きやすく開放的に

アプローチも歩きやすく開放的に

多すぎる植栽によって風も止まり、タイルなども汚れやすくなっていた玄関周りも、植栽リフォームによって明るく快適な空間へ生まれ変わりました。
風通しの改善は非常に体感しやすいものであり、お客様は景観面よりも強く実感される事もあります。
日当たりも改善され、アプローチタイルや外壁にも苔が付くような事は無くなるでしょう。

 

玄関から駐車場方向を眺める

玄関から駐車場方向を眺める

お住まい外壁沿いには植栽は設けず、この眺め部分が風の通る道となります。
窓を開けた際の室内への通風が非常によくなり、風の弱い日でも新鮮な空気を取り込める様になります。

駐車場周りは防草シートと砕石による雑草対策となっており、化粧砂利と砕石の区切りは「みかも石」の石組みを施し、お庭らしさを出せる様に致しました。

 

駐車場から玄関方向を眺める

駐車場から玄関方向を眺める

雑草対策をメインに行う際は、お庭が砂利によって殺風景に見えてしまう事を計算しておかなければいけません。
砂利を中心とした空間を設けた場合、両端などに小さくても良いので低木のグリーンをレイアウトする事をおすすめします。
小さな緑であっても景観面で効果であり、計算されたデザインとして見える様になります。
雑草対策の砂利であっても最低限の植栽と合わせる事で、美しいお庭として映える事となります。

 

芝生を撤去して雑草対策をした駐車場~主庭部

道路からフラットに続く駐車場周り

道路からフラットに続く駐車場周り

一面の芝生や土を削り取って高さを下げ、砕石仕上げも美しく見える駐車場周り。
玄関周りよりも面積の広い駐車場~主庭部は、コストパフォーマンスの良い砕石によって仕上げておりますが、庭石組みと低木コニファーよる区切りがデザイン性を感じさせてくれます。
単調な区切りにしてしまうとお庭らしく見えなくなってしまいますので、少しでも柔らかみを取り入れたいものです。

 

全面に雑草対策を施した主庭部

全面に雑草対策を施した主庭部

駐車場の細かい隙間から、主庭部まで全面が芝生となっていた空間ですが、今回のリフォームではメンテナンスフリーを最優先に考えた砕石敷均しによる雑草対策を行っております。
ですが防草シートと砂利・砕石による雑草対策であれば、将来的な撤去・リフォームが容易であり、良い意味で簡易的な対策とも言えます。
主庭には目隠しとなるソヨゴ2本が列植えされたおり、ちょうど窓から緑が眺められる様、レイアウト調整を行っております。