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ヒメシャラ

ヒメシャラはツバキ科・ナツツバキ属の落葉樹であり、近年は住宅のお庭にもよく植えられる様になりました。
一昔前ですとシャラノキがよく見られましたが、より繊細でやや生育しやすいヒメシャラに人気が高まっております。

爽やかなヒメシャラの枝葉

爽やかなヒメシャラの枝葉

雑木といえば野趣溢れる幹や逞しさを連想させますが、ヒメシャラは幹や枝も細く繊細で、高原に近い雰囲気を醸し出します。

雑木の庭はもちろん、使い様によっては和風デザインのお庭へも植栽をする事もあります。

ヒメシャラの基本データ

・科名と属名 ツバキ科・ナツツバキ属

・学名 Stewartia monadelpha

・落葉広葉樹 小高木

・原産地 日本(本州中部より西)

・別名 ヤマシチャ アカラギ サルタノキ

ナツツバキ(シャラノキ)と比べて樹木全体が小形で繊細なことから「姫(ヒメ)」を冠して呼ばれる様に。
木はもちろん、枝や葉、花に至るまでシャラノキよりも繊細な雰囲気を持ちます。

箱根のヒメシャラ原生林が有名で、ヒメシャラ本来の美しい幹肌を観察する事が出来ます。
この赤褐色の美しい幹肌から、アカラギと呼ばれる事もあります。

 

ヒメシャラとシャラノキの違い

シャラノキとの違いは、葉のある時期ですと非常にわかりやすいかと思います。
葉の大きさは明確に異なり、ヒメシャラの方が小さな葉をしています。

葉で見分ける

ヒメシャラの葉

ヒメシャラの葉

ヒメシャラの葉はやや細く、触れた際も細毛の感触を感じにくい特徴があります。
シャラはいわゆる「ナツツバキ」でありますが、ヒメシャラの葉はツバキには似ていない印象があります。

シャラ(ナツツバキ)の葉

シャラ(ナツツバキ)の葉

シャラノキの葉はヒメシャラよりも大きく、葉脈もはっきりとしています。
葉の印象もどことなくツバキと似ており、「落葉のツバキ」という印象があります。
触れた際は細かい毛の感触がありますので、ヒメシャラとの明確な違いがわかります。

幹で見分ける

ヒメシャラもシャラノキも幹肌が美しい事で知られていますが、この幹にも違いがあります。

ヒメシャラの幹

ヒメシャラの幹

ヒメシャラの幹は成長と共に皮が剥けていく為、常に新しい幹肌を見る事が出来ます。
この皮の剥け方ですが、ヒメシャラは剥ける皮が非常に薄く、細かい毛が抜けていく様な剥け方を見せます。

シャラノキの幹

シャラノキの幹

一方、シャラノキの幹は剥ける際にパリっとした皮が剥がれる印象です。
この為、幹皮の剥け跡が斑模様として残りやすく、これはこれで美しいものでもあります。

しかしヒメシャラもシャラノキも、適切な環境でなければ美しい幹肌を見る事は出来ません。
むしろ、幹肌が美しい状態であれば適切な環境である、という指標にもなり得ます。

樹形の違い

樹形にも異なる印象があります。
シャラノキは斜め上方へ伸びた枝がそのまま樹形を作っているケースが多いのですが、ヒメシャラの場合は上方へ伸びた枝が柔らかい為、枝垂れやすい傾向があります。

この為、ヒメシャラの方はある程度の大きさになると横へ枝を伸ばした様な樹形になってきます。

 

ヒメシャラの特徴

ヒメシャラは日本の落葉樹らしい美しい樹姿を見せてくれる他、6月の白花、うっすらと色付く紅葉も楽しむ事が出来る庭木です。

庭づくりのデザインにも積極的に取り入れたい庭木ですが、まずはヒメシャラの特徴を見てまいりましょう。

ヒメシャラの美しい新芽・新緑

ヒメシャラは細かな枝を持つ為、新たに新芽が出て葉が開く時期も美しいものです。

ヒメシャラの新芽展開

ヒメシャラの新芽展開

柔らかく赤み掛かった新芽の展開は、イロハモミジなどと比べますとゆっくりした速度で行われている感じを受けます。

ヒメシャラの新緑

ヒメシャラの新緑

ヒメシャラは葉が小さくても葉の数が多い為、決して寂しげに見える庭木ではありません。
新緑時はこの様に葉の充実した美しい姿を見る事ができ、お庭へ植栽すれば春の季節感を感じる事が出来るでしょう。

 

ヒメシャラの美しい幹肌

先にも述べておりますが、ヒメシャラの見所として有名なのが幹肌です。

しかし美しい幹肌にする為には、
・幹や植え付け地表に直射日光が当たりにくい事
・土が適切な湿潤を保ち続ける事
等などの条件が必要であり、これに伴って成長したヒメシャラは、美しい幹皮の更新を見せてくれます。

適切な環境で育つヒメシャラの幹

適切な環境で育つヒメシャラの幹

細かく幹皮が剥けた樹皮は滑らかで赤褐色をしている事から、アカラギという別名も持ちます。
シャラノキも赤味を帯びた部分を見る事が出来ますが、ヒメシャラの幹は全体的に赤味を帯びます。

 

ヒメシャラの花

ヒメシャラは6~7月、シャラノキと同じく梅雨時期に花を咲かせます。
花の直径は約2cm程、花弁は5枚であり、雌雄同株である事から両性花となります。

白く小さなヒメシャラの花

白く小さなヒメシャラの花

ナツツバキ属であるだけにツバキとよく似た形状の花ですが、繊細な枝にたくさんの花を付ける為、下垂した枝に咲く様はとても美しい景観になります。
ですが花の散りが早く、そこがまた可憐な印象を感じさせます。

 

ヒメシャラの紅葉

ヒメシャラも環境によりオレンジ~真紅まで、秋の色付きを見せます。
住宅のお庭では年によって色付き方が異なる事もありますが、木が生長して落ち着くと色づきも安定してきます。

色付きを始める頃のヒメシャラ

色付き始めのヒメシャラは葉色がランダムに染まり、雑木らしい風情を見せてくれます。

紅葉の色付きを始めるヒメシャラの葉

紅葉の色付きを始めるヒメシャラの葉

ヒメシャラの枝は横へ広がって下垂している事が多い為、この様な枝垂れた紅葉を見る事が出来ます。
この印象としては紅葉の代表格であるイロハモミジに似た風情を感じられます。

ヒメシャラの紅葉を見上げる

ヒメシャラの紅葉を見上げる

樹高のあるヒメシャラであれば、この様に頭上に紅葉が展開する様子を楽しむ事が出来ます。

染まりきった紅葉を見せるヒメシャラ

ヒメシャラの紅葉

ヒメシャラの紅葉

住宅で紅葉を見せるヒメシャラ。繊細な枝葉もよく見える自然樹形が赤く染まる様はとても美しいです。
夏に強い葉焼け・乾燥を起こさない環境であれば、秋まで健全な葉を保つ事ができ、綺麗な色付きに繋がります。

 

ヒメシャラの樹形:株立ちと単幹(一本幹)

ヒメシャラはナチュラルガーデンでも使われる雑木でありますものの、樹形は株立ちと単幹(一本幹)の両方が流通する庭木です。

これはイロハモミジと同じく、庭づくりのデザイン性や環境考慮によって樹形を選ぶ事となります。

ヒメシャラの株立ち

株立ち樹形のヒメシャラは均等な太さの幹が集合しているケースが多く、「均整の取れた」印象となります。

株立ちのヒメシャラ

株立ちのヒメシャラ

自然樹形というよりは美しく作られた雑木という雰囲気であり、この樹形の場合はヒメシャラを独立して見せたい場合に有効と言えます。

ヒメシャラだけの植栽で雑木林風に見せたい場合や、植える場所が限られている際に賑やかさを出したい場合におすすめな樹形です。

ヒメシャラの単幹(一本幹)

一本幹で仕立てられたヒメシャラは、私もよく扱う樹形です。
株立ち樹形と異なり、一本幹の場合は本当に出来の良い樹形であるかどうかが如実に表れる事となります。

雑木ガーデンに溶け込む一本幹のヒメシャラ

雑木ガーデンに溶け込む一本幹のヒメシャラ

一本幹のヒメシャラは自然の状態に近く、雑木類を寄せ植えするナチュラルガーデンにも良く馴染んでくれます。
しかも単幹樹形は株立ち樹形よりも幹に対する根の大きさがあり、成長もやや剛健であると思います。

 

お庭での成長・生育傾向

ヒメシャラはシャラと異なり枝を上へ伸ばすという解釈をされる事もありますが、経験上やはり横方向へ伸びる傾向はあります。
斜め上へ伸びた枝も、枝が細い為にしなって下を向き始め、やがて枝垂れていくといった樹形が多く見られます。

伸びた枝が枝垂れ状に見えるヒメシャラ

伸びた枝が枝垂れ状に見えるヒメシャラ

反面、全く枝垂れず真上へ向かっていく枝は徒長枝である事が多く、これは太くなる前に外しておくことをお勧めします。
枝が太くなってからの剪定は切り口の直径も大きくなり、保護剤の塗布が必須となります。

よく言われる様に剪定自体をあまり好まない植木ですので、植栽の際は雑木類としてのびのびと成長させてあげられる場所を選びましょう。

 

夏の日差しや西日に注意

ヒメシャラは強い直射日光や西日は厳禁であり、これは植栽時に環境を確認する必要があります。

強い日差しを受けたヒメシャラはまず葉焼けを起こしますが、その枝が翌年芽吹かないという事がよく見られます。
もちろんシャラノキも同様の傾向があり、「上から順に枯れてくる」というシャラ独特の枯れ方が見られるのは、多くはこの理由にあります。

ヒメシャラに適した植栽場所は?

ヒメシャラを植えるに適した場所は、

・日差しが半日当たる東側
・明るく開けた北側

が特におすすめではありますが、地表に直射日光が当たりにくい環境であれば南側でも適応します。

乾燥に弱い一面を知る

ヒメシャラは非常に乾燥に弱く、乾燥状態である木は見た目にもすぐに表れます。
上記の様に地表が乾きにくい環境である事は必須で、植え付け時には湿潤を保つ様、腐葉土を多く混ぜ込む土壌改良が有効となります。

乾燥を防ぐ工夫

乾燥状態を防ぐ方法としては植栽場所の検討の他、ヒメシャラの周囲へ低木や宿根草等で寄せ植えし、植物が群生して繁茂する環境を作る事が有効です。

植物が群生する事でヒメシャラの乾燥を防ぐ

植物が群生する事でヒメシャラの乾燥を防ぐ

他の低木落葉樹の他、クリスマスローズやリュウノヒゲ、宿根草のギボウシやシラン等も交えて群生を作った植栽例です。

この状態であれば乾燥も起こしにくく、散水した水が蒸発するのも遅らせる事が可能です。
何よりもお庭としての景観面でも有効な方法と言えます。

 

ヒメシャラをシンボルツリーに

上で解説を致しました様な環境を選び、乾燥を防ぐ工夫をしてあれば、ヒメシャラは美しいシンボルツリーとしてお住まいに取り入れる事が出来ます。

ヒメシャラをシンボルツリーにしますとお住まいの雰囲気が優しい印象となり、尚且つ雑木の持つナチュラル感を取り入れる事にも繋がります。

ヒメシャラであれば和風・洋風を問わずあらゆるお住まいにマッチするのではないでしょうか。

洋風ガーデンのシンボルとして

ヒメシャラ特有の透け感と清涼感は、洋風のお住まいやガーデンに似合います。

洋風ガーデンに佇むシンボルツリーに

洋風ガーデンに佇むシンボルツリーに

ヒメシャラのシルエットは軽い為、3~4mサイズの木を植栽しても圧迫感はありません。
むしろ樹高を低く留めようする程に自然味は失われていきますので、「放任するシンボルツリー」として植栽するのが良いでしょう。

単幹樹形のヒメシャラをシンボルツリーに

先にご紹介を致しました単幹樹形、いわゆる一本幹のヒメシャラは自生する姿そのものを楽しむ事ができ、もちろんシンボルツリーとしても活躍します。

一本幹のヒメシャラをシンボルツリーに

一本幹のヒメシャラをシンボルツリーに

こちらは明るく開けた北側へヒメシャラを植栽しております。
北側玄関のお住まいは珍しくございませんので、広いスペースがあればヒメシャラをシンボルツリーとしておすすめ出来ます。

自由に成長させた枝はやがて重みで枝垂れてきますので、早い段階で立派なシンボルツリーとしてお住まいを引き立ててくれます。

 

ヒメシャラにおすすめな植栽方法

ヒメシャラは繊細で優しい印象を与える為、お住まいのシンボルツリーとして植栽する事もありますが、先にご説明の様に夏場の直射日光が当たり続ける場所は避けなければなりません。

玄関横に元気に大きく育ったヒメシャラを見かける事がありますが、大抵は北~東向きの壁沿いなどに位置しております。
南主庭で植栽をする場合は他種の雑木類を周囲に植えて日光を軽減するなどの工夫が必要となります。

半日陰に作る雑木林にヒメシャラを

雑木林に見立てたヒメシャラの植栽

雑木林に見立てたヒメシャラの植栽

ヒメシャラは単体植えだけではなく、標高が高めの雑木林の様な風景を作る植栽も有効です。
上の様にヤマボウシなどの雑木類と共に植栽をする事で、他の常緑樹では演出しにくい清涼感を出す事が出来ます。

 

ウッドデッキと合わせてナチュラルガーデンらしさを

ヒメシャラは枝葉が細かい為、よほど枝が混んでない限りは木の向こうまで透けて見えます。
この景観を活かせばヒメシャラ越しにお庭を眺める景色を作ることができ、遠近法を活かした奥深いお庭をデザインできます。

ウッドデッキ越しに植栽したヒメシャラ

ウッドデッキ越しに植栽したヒメシャラ

ヒメシャラの足下は低木・下草を繁茂させており、乾燥対策と景観向上を両立させています。
程よく透けてお庭が見通せる為、夏には清涼感を感じさせ、冬季は葉を落としてウッドデッキへ日差しを取り入れてくれます。

自然石や低木との組み合わせ

ヒメシャラはその自然樹形から、和風・洋風を問わずに庭デザインへ取り入れる事が出来ます。

石や下草といえば和風庭園を連想されるかもしれませんが、ヒメシャラとこれらの素材を組み合わせた場合、作り過ぎない自然な風景に近いデザインとなります。

自然石や下草との組み合わせも

自然石や下草との組み合わせも

ヒメシャラの繊細な樹形は自然石と良く似合い、「山林を散策している様な庭」の様見せる事が出来ます。

乾燥を防ぐ下草や低木は必要不可欠な植栽ながら、ヒメシャラの持つナチュラル感を一層引き立ててくれる事がお解りいただけるかと思います。

 

ヒメシャラの剪定・施肥

ヒメシャラを植栽する際はまず自由にある程度伸ばせる事を想定してある筈ですので、基本的にはローメンテナンスな庭木と言えます。

枝透かし剪定を中心に

健康に根付いて伸びも強まってきたあたりで、小枝に上から重なってくる様な枝を元から取り除く剪定を行います。
剪定の際は、枝先にはほとんど触れる事はありません。
背の高さも急に下げる事は避け、枝を「外す」という意識で少しずつ行っていく事が大切です。

剪定は、重なり合う枝が無くすという目的で行い、整形などは考えない様にすると良いでしょう。

枝透かしのみで整えるヒメシャラ剪定

枝透かしのみで整えるヒメシャラ剪定

こちらのヒメシャラは幅や高さを切り詰める事はせずに更新のみを行い、各所の枝分かれ数を2~3又まで減らす様にする枝透かしによって仕上げました。
同時に内側へ絡んでいく事が予想される枝も元から取り払う事で、切り痕の目立たない自然な木に見せる事が出来ます。

枯れた小枝の取り除き

ヒメシャラは健康に育っていても、内側や下部の小枝を多く枯らします。
冬季ですと生きている枝との区別がつきにくい為、素手で触れて軽い力で取れてしまう枝は枯れ枝として処分します。

または新緑の5~6月頃ですと芽の出ない枯れ枝の区別が付きやすいので、この頃に取り除いてあげるのもおすすめです。
葉が十分に展開してしまいますと、枯れ枝探しを行いにくくなりますので注意が必要です。

肥料・土壌改良について

ヒメシャラの場合、元気の無い場合に有機化成肥料などで追肥を行う程度で済ませます。

ヒメシャラは堆肥や腐葉土等による土壌改良の効果が期待出来ますので、これらを定期的に周囲に埋める、または既存の土と混ぜ合わせる事を行います。
これにより湿り気のある山の土に近付ける事が大切です。

 

ヒメシャラで注意したい病気・害虫(毛虫)

ヒメシャラは毛虫(イラガ)が付く事があるのが要注意ですが、周囲にある庭木や環境によってはチャドクガが発生する事があります。
チャドクガはツバキに発生するものと固定されがちですが、ツバキ科であるシャラノキとヒメシャラにも発生してしまう場合があります。

梅雨明け頃、発生初期はほんの一部分の食害から始まる為、目難い場所や高い位置を観察し、不自然に葉が一部変色していないかどうかを確かめます。
チャドクガの発生時は体長5mm程の大きさの個体が何匹も集まっておりますので、その枝を取り払って処分する事が効果的です。

チャドクガの予防と対策

発生歴のあるヒメシャラはその環境上毎年繰り返し発生する可能性が高い為、一度チャドクガが発生したヒメシャラは翌年から予防目的の農薬散布を行う事をお勧め致します。

予防で農薬散布を行う場合は、ヒメシャラの上から下、地面付近まで全てに薬剤を行き渡らせます。

薬害による葉焼けを防ぐ為、農薬の散布は夕方辺りに行いましょう。

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