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造園、植栽、千葉県・東京都の庭施工、坪庭・垣根施工。千葉県市川市の「住まいの造園施工専門会社」です。

イロハモミジ

イロハモミジ

カエデ科・カエデ属の樹木はとても多く存在し、葉の切れ込みが深い種類の木が「モミジ類」として呼称され、こちらで庭木としてご紹介を致します「イロハモミジ」もこれらに含まれます。
日本の美しい新緑や紅葉を代表する木であり、低山で自生する姿を始め、古い庭園・住宅造園でも目にする事が出来る庭木です。

イロハモミジの基本データ

・科名と属名 ムクロジ科・カエデ属

・学名 Acer palmatum

・落葉広葉樹 小高木~高木

・原産地(分布) 日本(福島県以南) 朝鮮半島 中国 台湾

・別名 イロハカエデ

・主な用途 シンボルツリー、雑木の庭

カエデの名の由来は、万葉集にカエデの葉の形をカエルの手に例えた「蛙の手(かへるで)」という名称が残っており、「かえるで」→「かえで」という呼び名となった説があります。

イロハの名は5~7つに尖った葉先を「いろはにほへと」と数えた事に由来したと言われております。

モミジの呼び名は「紅葉する」という意味の「もみず」が由来となった俗称であり、正式な植物分類名とは異なります。
しかし親しまれる呼称としてはモミジが圧倒的に多いのではないでしょうか。

 

混同されやすい他のカエデ類との区別

カエデ類は国内で35種類存在し、様々な葉の形状を楽しむ園芸品種は120種類以上も存在します。

庭木として混同されがちなヤマモミジとの区別は詳しい方でなければ難しいのですが、分布地や葉の大きさ・形状に明確な違いがあります。
また、オオモミジもイロハモミジと似ておりますが、こちらは葉の大きさで区別する事が出来ます。

一般的に庭木として流通するのはイロハモミジが最も多いのですが、イメージが近いからか現在もヤマモミジと呼ばれてしまう事が多々あります。

カエデとモミジ、呼称の違い

葉の切れ込みが深いイロハモミジ

葉の切れ込みが深いイロハモミジ

~モミジと呼ばれる庭木は葉の切れ込みが深く、5~7列に分かれた葉がシャープな印象を持ち、凛とした雰囲気をも感じさせます。
この雰囲気から社寺での植栽では崇高な雰囲気を感じられ、山の雑木でありながら特別な存在感を有します。

~カエデと呼ばれる庭木にはイタヤカエデハウチワカエデ等があり、樹高が高いトウカエデは街路樹で見る事があります。
カエデと呼ばれるこれらの木は葉の切れ込みが浅く、手のひらの様に見える可愛らしさがあります。

 

イロハモミジの植栽に適した環境

イロハモミジは他の雑木類と同じく適湿で肥沃な土壌を好む、とされておりますが、住宅地への環境適応性は高いのではないかと考えます。
夏の直射日光にもある程度耐えやすく、山間と異なり周囲を木々に囲われていない単独植えでも剛健に育ちます。

日向でも剛健なイロハモミジ

日向でも剛健なイロハモミジ

また、社寺などでは陽の照り返しも強い白川砂利や伊勢砂利の石庭等でもイロハモミジを見る事があります。
これは広大で日当たりも強い砂利庭でもイロハモミジが適応する事が垣間見れ、剛健な一面として捉える事が出来ます。
通常の落葉雑木であれば葉焼けの後、回復をせずに枝が枯れ込んでしまう所、イロハモミジであれば負ける事無く強く生育します。

日当たりの良い場所へ落葉樹を検討する際は、広大な庭であればコナラクヌギ、小~中規模の住宅の庭であればジューンベリーヤマボウシも候補に挙がる庭木です。

 

イロハモミジの花

イロハモミジの花

イロハモミジの花

雌雄同株であるイロハモミジの花は4~5月に開花します。
イロハモミジと言えば紅葉が連想されますが、花が咲いた様も風情があり美しく感じられます。

下垂した花序に10個~程、大きさ数mmの小花を咲かせる為、全体に花が咲いた際は賑やかな印象となります。
木そのものが雌雄同株である為、上記の花序内に雄花と両性花が混じって存在します。

赤い小花は蕾の状態から目を引き、開花をすると小さな花火の様に存在感があります。
新葉の展開と同時に開花を見せる為、新緑の緑と花の紅色がコントラストを生み、春の訪れを賑やかに感じさせてくれます。

尚、カエデ類全体が雌雄同株な訳ではなく、雌雄が異株となるカエデもあります。

 

優雅で自然な枝振りを楽しむイロハモミジ

モミジはその優雅な枝振りを見せますが、この美しさは木が自然に伸びた造形そのものであり、人の手によって綿密に仕上げられたものとは異なります。
もちろん剪定は施されておりますものの、モミジ自身の意思を曲げない様な付き合いで行う事が求められます。

1本植えで庭の景観を締めるモミジの魅力

モミジの株立ち樹形

モミジの株立ち樹形

レイアウト手法上、「モミジは大いに威張らせる」という表現が昔からされており、落葉樹の中では最も主木として据えられる事が多いのではないでしょうか。
坪庭に一本、コーナーに一本など、その場を単体で締めてしまう程の存在感を持ち合わせています。

また、同種のモミジを連続させる様な植栽レイアウトを行っても、不思議と自然風景的な美しさを醸し出す力があります。

流通するモミジは株立ち物と単幹物があり、やはり単幹の方が生育が早い傾向があります。
ですがリアルな山間風景を求める際は単幹物の方が向いており、株立ち物は葉張りが必要な場合向きと言えます。

それではイロハモミジの株立ちと単幹について見てみましょう。

 

イロハモミジの樹形:株立ちと単幹

イロハモミジには庭植え用の植木として、
・複数本の幹で構成される株立ち樹形
・1本幹で骨格が整った単幹樹形
の両方が流通しており、それぞれが魅力的な持ち味を有しています。

株立ち樹形の魅力と植栽例

一般的な広さの住宅のお庭へモミジが植えられる際は、株立ち樹形の方を多く見掛けられるのではないでしょうか。
モミジの株立ちにつきましても、人為的に幹を繋げた寄せ株と天然で幹分かれをしている本株物があります。

寄せ株:整えられた樹形を添える

イロハモミジの株立ち

イロハモミジの株立ち(寄せ株)

こちらのイロハモミジは美しく作られた寄せ株物です。
1株の植栽によって左右の幅を出したい場合、または樹形が均等に整っている様を求める場合に有効な樹形と言えます。
寄せ株物を選ぶ際は、根が頑丈に作られているか、細めの幹にだけ生育不良が見られないかどうか等、しっかりとした見極めが必要となります。

本株:大小の違いのある幹で自然味を楽しむ

本株立ちのイロハモミジ

本株立ちのイロハモミジ

こちらは幹元から自然に幹分かれをした本株立ちのイロハモミジです。
本株立ちの特徴は幹が生え際からそれぞれ外側へ曲がっており、放射状の広がりを見せているケースが多いです。
自然な幹の曲がりを持っており、それぞれの幹の太さや高さにバラつきが見られるのも特徴です。
より自然な姿も幅のボリュームも欲しい際に選ぶ樹形であり、弊社でもこちらの株立ちを選ぶ事が多くなります。

単幹樹形の魅力と植栽例

自然そのままの樹形のイロハモミジ

自然そのままの樹形のイロハモミジ

山で見られるイロハモミジの姿は多くが単幹の樹形であり、古くからの庭園で見られるのも一本幹の樹形が多いものです。
イロハモミジの単幹は自然そのものの姿をお庭へ表現する場合に重宝し、その扱い方は技量を要します。
植栽時には鑑賞方向はもちろんの事、幹の角度や他の庭木との共存バランスも考える必要があります。

山歩きの雰囲気作りに

山歩きを連想させる雰囲気づくりに

山歩きを連想させる雰囲気づくりに

イロハモミジの単幹は下枝が少なくなっている事も多く、これは自然そのままの姿と言えます。
枝が無い事はデメリットではなく、頭上に葉が展開する様な山の雰囲気作りとしてはもちろん、大きなサイズのイロハモミジを植栽してもすぐ傍を歩く事も出来ます。
ですので単幹のイロハモミジを植えた際は木のすぐ脇までアプローチを作ったり、自然石を添えたり、あるいは他種の雑木低木を寄せ植えする事にも向いています。

無限のバリエーションを持つ単幹樹形

曲がりを持ったイロハモミジ

曲がりを持ったイロハモミジ

単幹樹形と言えば真っ直ぐな1本立ちを思い浮かべる方もいらっしゃいますが、イロハモミジの単幹を用いる場合の多くは自然な曲がりを持った木を選びます。
株立ちでは表現できない表情や趣が表れており、その形も無限であることから私も庭木選びを行う際は慎重に吟味を行います。
写真のイロハモミジはデッキ方向へ陽を求めて曲がって育った様をイメージしており、枝葉の展開をダイニング窓からも眺められる様に植栽計画に盛り込んだ木となります。

 

イロハモミジと和風素材の組み合わせ

イロハモミジはナチュラルな景観を楽しむ庭木としてはもちろん、古くから楽しまれる和風の庭との兼ね合いも魅力的です。
和の庭に自然味を、という添え方をされてきたイロハモミジですが、現代におきましても和庭とのマッチングに人気があります。

イロハモミジと垣根(人工竹垣)のマッチング

背景の垣根によって映えるイロハモミジ

背景の垣根によって映えるイロハモミジ

古くから和風の庭の代名詞とも言える存在である垣根。その雰囲気とイロハモミジの組み合わせは和庭の魅力をシンプルに凝縮した美しさであり、お庭へ手軽に取り入れられる手法でもあります。
程よく枝が透かされたイロハモミジであれば枝の隙間から垣根が美しく垣間見え、この上ない和の風情が楽しめます。

灯籠や手水鉢など、和風添景物と合わせるイロハモミジ

和風素材とイロハモミジの組み合わせ

和風素材とイロハモミジの組み合わせ

和庭の代表格ともいえる蹲(つくばい)は灯籠や手水鉢等の添景物で構成されますが、イロハモミジは古くからこの様な構成部分に添えられてきた庭木です。
イロハモミジの柔らか味が石材の持つ硬さを視覚的に和らげ、添景物だけが主張して見えない上品な景観に見える様になります。
シンプルに、イロハモミジの足下へ小型の灯籠だけを添える手法もおすすめであり、こちらも手軽にお住まいへ取り入れる事が出来ます。

 

モミジの紅葉を楽しむ工夫

住宅の庭で楽しむイロハモミジの紅葉

住宅の庭で楽しむイロハモミジの紅葉

モミジといえば紅葉を思い浮かべられますが、これは植栽環境によって大きく左右され、排気ガスの影響を始めとした空気にも左右されます。
美しい紅葉には昼夜の気温差が必要なのはもちろん、車通りが少なめな場所が良いのかもしれません。

生垣の緑とイロハモミジの紅葉

生垣の緑とイロハモミジの紅葉

住宅地で紅葉を楽しむ場合は、夏に一日中日差しが当たる場所よりも、午前中だけ日向になる様な東側が良いかと思います。
また、植わっている足元へ直射日光があたらない場所を選んだり、低木植栽などで地表を保護する事も有効です。

自らの足元を日陰にするサイズのモミジであれば問題は無いのですが、その様なモミジを住宅地で維持する事は難しい為、植栽場所を工夫する方が現実的と言えます。

モミジの紅葉を意識する剪定時期

また、夏場などに剪定を施しますと、新しく吹いた枝葉が夏の日差しで焼けてしまい、紅葉時にも景観上悪影響を及ぼします。
新芽だけではなく日陰となる懐に元々あった小枝も日焼けする為、紅葉を意識するのであれば夏場は強い剪定をしない事が無難です。
出来れば落葉期である季節に剪定を行う方が紅葉への影響もなく、枝も見極めやすいメリットがあります。
切り口からの雑菌侵入を考えましても冬季の方が安全ですのでお勧めとなります。

 

イロハモミジを使った庭づくりの例

先述の様に落葉樹としては稀に見る存在感を活かして主木として植栽したい植木です。

スペースが限られている場所ほど植木のレイアウトは難しくなりますが、モミジの存在感を活かしてシンプルなデザインを構築する事が出来ます。

下の施工例はモミジを植えて坪庭風のレイアウトを2箇所施しており、遠目から見ますと2本のモミジが表玄関を包む景色になっております。

東京 八角部屋様 表玄関を包む2つの小さな和風坪庭
東京 八角部屋様 表玄関を包む2つの小さな和風坪庭

 

下の施工例ではイロハモミジを他種の雑木類との混植として使用し、山間の雰囲気を演出しております。
モミジは最も自然を楽しめる樹形を持っております為、お庭の入り口にて出迎える位置へ植栽をしております。

狭い庭の概念を払拭させるナチュラルガーデン-板橋区N様邸
狭い庭の概念を払拭させるナチュラルガーデン-板橋区N様邸

 

モミジらしさを損なわない更新剪定を

モミジは剪定の最も難しい部類に属する木かもしれません。
実は生育も早く伸びも強く、かと申しましても単純に強く切り詰める訳にもいきません。

モミジがどう伸びたいのかは強い枝は除外して大人しい枝を観察すれば掴む事が出来ますので、矯正をしない限りは大人しい枝を放任させる様な意識が必要です。
当然背を低くでは維持しようとするのは難しい(樹形が崩れる)為、モミジについては特にある程度自由に展開出来る場所が必須です。
しかし上手に剪定をしていけば、建物脇から生える風情や狭い坪庭でも美しい景観を作る事が出来ます。

イロハモミジの更新剪定

更新剪定を施したイロハモミジ

更新剪定を施したイロハモミジ

モミジは根付き後は一年間で左写真の様に枝を伸ばします。
この特に強く伸びた枝(徒長枝)は途中を切り詰めてしまうとそこがそのまま樹形となって太り始め、これを毎年繰り返すとあちこちに団子状の塊が形成されてしまいます。
上の剪定では徒長した枝葉に隠れて見えなくなった小枝を探し出し、それらが次回の樹形になる様に「残す」事を目的として行っています。 これは切り戻し剪定とは異なる「更新剪定」という手法になります。
剪定後の樹形は手付けずの小枝だけで形成される為に仕上がりも自然で、次回の生育も緩やかになります。

手付かずだったモミジへ、枝振りを決める剪定を施す

枝数を半分以下にして樹形を形成

枝数を半分以下にして樹形を形成

左は植栽後数年間、手付けずの状態だったイロハモミジです。
庭職でなければとても元に戻せるという発想は浮かばない状態ですが、あちこちを切り詰めてしまっていない限りは、小枝を探して樹形となる骨格のみを残す剪定処置が行えます。
上の剪定は実に半分以上に上る不要枝や幹を取り外し、新たな樹形を切り抜く感覚で行っております。
切り跡の痛々しい強剪定はなるべく避け、まずはモミジ自身が持つ柔らかな必要枝を活かしきる事が大切です。

 

イロハモミジで注意したい病気・害虫対策

モミジ類が避けて通れないのが病虫害ではないでしょうか。
イロハモミジは人体にも有害なイラガの発生が起こりやすい為、予防としての薬剤散布を想定しておく必要があります。
予防の薬剤散布は発生後とは異なり、木全体への散布が必要となります。

しかしモミジは薬害が起こりやすい為、他の樹木の様に予防として全体に散布をするのはなるべくなら避けたいものです。
仕方のない場合は規定よりも薄い希釈にて、日焼けをしない夕方~夜間に散布する事を推奨しております。
ピンポイントの農薬散布で済ますには、日頃から発生箇所が無いか観察している事が望ましいでしょう。

モミジのへのアブラムシは予防措置を

モミジ類は新芽に寄生するアブラムシが非常に発生しやすい為、こちらは予防措置としてオルトラン等の粒状殺虫剤(浸透移行性)を株元へ撒いておくのが最も効果的です。
アブラムシが発生してしまった後ですと周囲を分泌液で汚してしまう上、モミジが苦手とする薬剤散布を行わざるを得なくなりますので、やはりアブラムシ対策については発生前の予防措置が大切となります。

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