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シラカシ

シラカシ

シラカシはブナ科・コナラ属の常緑広葉樹で、やや古くから造園はもちろん、単体での植栽でも用いられてきた植木です。
用途は緑化や目隠し生垣や広い庭での景観作り(背景となる緑作り)、場所に余裕があればシンボルツリーとしても植えられます。

シラカシの基本データ

・科名と属名 ブナ科・コナラ属

・学名 Quercus myrsinifolia

・英名 bamboo-leafedoak japanese white oak

・常緑広葉樹 高木

・原産地 日本 朝鮮半島 中国

・主な植栽用途 シンボルツリー、生垣(高垣)、防風樹、緑化用樹木

古くは主に防風対策としての列植に用いられ、現在もモチノキ等と共にその姿を見掛られます。
シラカシの名の由来は木材とした際の白さから来ています。

 

シラカシの適応環境

シラカシは年間を通して緑の葉を保つ丈夫な庭木ですが、適応する場所や苦手な側面もあります。

暑さや乾燥には強い日向向きの木

基本的には日当たりを好む常緑樹であり、夏の暑さには十分に耐える性質を持っています。
元々剛健な庭木ですので土壌もさほど選ばず、とにかく生育を優先的に行う木である印象が強いです。
他の木がダメージを受けてしまう様な夏でも、シマトネリコやオリーブと共に活き活きとしている庭木です。

寒さに弱く、日陰では葉を少なくして背丈の伸びが早まる

シラカシは寒さに弱く、冬季には葉数を減らして色も黄色掛かってきますが、春になれば新芽や枝など至る所から新葉が展開して入れ替わります。

丈夫な庭木であるが為に日陰や暗い北側への植栽にも向いている印象を持たれやすいシラカシですが、経験上、やはり日陰気味の場所ですと下部や懐の葉が無くなり、寂しい印象となります。
この為、シラカシは日陰では目隠し用の植栽には向きません

また、日陰ですと上部へ光を求める為に背丈を伸ばす速度が増し、ますます下の枝葉が無くなっていく傾向が表れます。
広い北側への植栽であれば葉のツヤも増して綺麗に育つ事もありますが、暗い日陰への植栽時にはこれらに注意しておく必要があります。

建物脇への植栽時に注意する事

上でも解説しておりますが、シラカシは日光を求める力が強く、お住まいの壁際へ植栽をしてしまうと生育をしながら壁から離れようとする力が働きます。
ゆっくりと手前に曲がってくるイメージで育ち、それを支える為に幹も太くなり、太い幹が曲がった壁際のシラカシを見る事も多いかと思います。
シラカシを植栽する場合は、周囲に遮蔽物がなく、360度均等に生育させる事が可能な場所がおすすめです。

太い根張りによる水道管破損に注意

シラカシは枝葉の展開の強さと同じく根張りも強い庭木です。
地表まで姿を確認できる太い根を全方向に張り巡らせる傾向がありますので、水道管や排水管、ガス管等の地中埋設物付近への植栽は注意が必要です。
強風で倒木した際に根が配管類を持ち上げて破損するケースもございますので特に注意が必要です。

 

シラカシの樹形と雰囲気

シラカシ

カシ類の中では細葉で繊細な姿をしており、背の高さを3m前後で想定すれば、剪定次第で柔らかな見た目でも維持する事が出来ます。
生垣などの扱いで刈り込みを行う事も可能ではありますが、せっかくのシラカシであれば小枝が適度に透かされた様な姿にすると美しいのでお勧めです。

一般的なシラカシの樹姿

庭木用のとして最も多く流通しているシラカシは、この様な不均等の株立ち樹形、高さは2~2.4mの木となります。
シラカシは基本的には移植を嫌う庭木である事から、当初から多くの葉を付けているものは植え付け後の生育にもリスクがあります。
当初は葉が少なくても生育をすればすぐさま多くの葉を付けますので、植栽時はこの位の葉数で良いでしょう。

 

お庭での生育傾向

植え付け当初にコンパクトなものを植栽すると、生育後のギャップに困ってしまう程の生育力を持っています。

柔らかな樹形のまま高さを2m以下に維持する事は困難で、植栽当初からそれ以上の高さで維持する事を想定する必要があります。

狭い壁際など、風通しの悪い場所だと下枝や裏枝を枯らす事が早く、うどん粉病にも掛かりやすいうえ、この様な環境の場合毛虫(イラガ)の食害も受けやすく、かじられた跡が見受けられる場合は注意が必要です。

春植えのシラカシに注意

シラカシは寒さに弱い木ですので、市場に出回ってくるのは春以降となります。
ですが新芽(新葉)がまだ柔らかい時期に植栽をしますと、幹単位で枯れてしまう事が非常に多いです。
出来る事であればシラカシの植栽は、葉の固まった夏前あるいは秋に行うのが安全と言えます。

実生で育ちやすい性質

シラカシは苗木を植えると根付きにくい為、直接種を撒いて生垣を作る手法もあります。
種からの生育をしやすい性質である為、特にアラカシ等では周囲から同じ木が種から育ってくる姿を見る事が出来ます。

 

緑化や庭のスクリーンを目的とした植栽をメインに

シラカシ株立ち
シラカシにおきましては周囲に余裕がある場合は緑化に近い扱いで植栽します。先述の様にシラカシは造園・庭づくり用としては株立ち物が出回る事が多く、1株を植栽すれば広範囲に緑を添える事が出来ます。※高さ2.4mであれば幅90cm程は葉が展開します
年間を通じてほぼ同じ姿をしている為、メインの庭木としてではなく、緑を添えるキャストの様な役割が適しています。

 

シラカシはシンボルツリーに向いているか

シンボルツリーとはお住まいの景観やお客様のお好みによって決める事が多いですので、シラカシにつきましてはとりわけシンボルツリーとしておすすめする事は少ないです。

どうしてもシラカシは年間同じ姿をしている為、花や紅葉等の季節感には乏しく、それであれば他の種類の庭木をおすすめする事が常となっている為です。

しかしながらシラカシは安価で剛健、背が高くなるという側面がありますので、選択肢の中の一つとしてご検討を戴くのも良いかと思います。
特に背を高くしたいシンボルツリーとしておすすめが出来ますので、社屋やビルエントランス、商用施設への植栽に向いています。

 

高さのある生垣風の植栽にもおすすめ

生垣風に植栽したシラカシ

生垣風に植栽したシラカシ

背丈も無理に詰めずに済むケースであれば、生垣風の植栽にも向いています。列植の場合はお互いの空間が少なくなる為、生垣周囲はすっきりと風通しの良い場所が望ましいです。

「高垣」の代表種としてのシラカシ

シラカシの高垣

非常に背の高い生垣の事を高垣と呼ぶ事がありますが、その際に使われるのはほとんどがシラカシであり、背の高い目隠し用庭木の代表種とも言える存在です。

 

シラカシの列植なら、広範囲への目隠し対策も

シラカシ列植による目隠し

シラカシ列植による目隠し

樹高2.4m程の株立ちシラカシを、程好い間隔で列植えさせた植栽例です。通常サイズの生垣や目隠しフェンスですと高さ2.5m付近の目隠しは難しいものですが、予めボリュームのあるシラカシであれば、こちらの様に自然な列植によって目隠し対策とする事が可能です。

 

シラカシをコンパクトな生垣にはおすすめ出来ない理由

生垣用の庭木として名前が挙がる事もあるシラカシですが、厳密に申しますとお住まいなどへの通常サイズの生垣にはおすすめ出来ません。

理由と致しましては
・縦方向(高さ)への生育が早く、カット対応を施しても繰り返し起こる
・生育力の面から整形的な景観として維持する事が困難
・幅を小さく維持する事には向いておらず、越境や道路への枝伸びが懸念される
・毛虫(イラガ)の発生のリスク

等などが挙げられますので、目隠し用としてシラカシを植栽する場合は上の植栽例の様に「列植」という考え方で扱うのが無難です。

植栽後のシラカシについて、どの程度の高さを幅を許容する事ができるか、植栽計画に含んでおく事が大切です。

 

お庭での剪定・メンテナンス

生垣の場合は刈り込む事も容易に行えますが、何度も同じ箇所を切られているとその部分が傷む傾向が顕著です。
その場合は周囲にある小枝に景観をバトンタッチするつもりで傷んだ箇所を外す事が望ましいです。

毎年の様に必ず一直線に上へ伸びる徒長枝は元より外し、残った小枝の数を2又~3又程度にするのが基本です。
柔らかな樹形を望む場合は枝先には触らず、「形を揃える」という概念は無くした方が自然体に仕上がります。

樹高と幅に余裕を持たせるシラカシの剪定

サイズに余裕を持たせたシラカシの剪定

サイズに余裕を持たせて剪定したシラカシ

3m以上の樹高が容認できるケースであれば、シラカシは柔らか味を残した樹姿へ仕上げる事が出来ます。
枝葉の存在感は柔らかく維持し、目隠し効果を完全に求めない程度が最も美しく仕上がります。
樹高があれば高い位置からの目隠しはある程度可能となり、シラカシは存在感もありますのでお住まいからの眺めも非常に宜しくなるかと思います。

 

シラカシへの施肥

元々生育力は旺盛である事に併せ、肥料過多ですと葉が大きくなり過ぎる可能性もあります。
肥料については一般的な寒肥として1~2月に有機化成肥料を周囲へ埋め込む程度で十分となります。

 

シラカシで注意したい病害虫

日当たりが少なかったり風通しが良くない場所ですと、通年うどんこ病に掛かりやすくなる庭木です。
特にシラカシは生育力の面も併せて植栽時に環境を考慮しておくのが最も望ましくはありますが、植えた後にも正しい枝透かし剪定によって風通しを改善しておくのがベストと言えます。
周囲の風通しが良くてもシラカシの枝の中が滞留していては意味がございませんので、離れてみてもシラカシの幹や枝のシルエットが見える様な透かし具合にしておくのが良いでしょう。

シラカシは人に危害もあるイラガの発生も懸念される庭木です。
特に背の高い部分等、人目に付きにくい場所から発生していく事が多く、下まで降りてくる頃には数も大きさも増してしまっているケースが多いです。
毛虫の発生にいち早く気が付くためにも、普段から枝葉をスッキリさせておく事も有効です。

イラガの発生時は、確認箇所だけではなくシラカシ全体への殺虫剤散布がおすすめです。
イラガは至る場所へ広がっている事がありますので、現認した部分以外にもしっかりと殺虫剤を撒いておきましょう。

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