今回は葛飾区のH様邸にて施工を致しました和風のお庭づくりの様子をご紹介致します。

格子フェンスに囲まれた空間に、蹲を備えたお庭を施工します。
格子フェンスは目隠し効果があまりございませんので、植木は常緑樹を中心に植栽する事で落ち着けるお庭とする事に致しました。
目隠し効果があまり無い代わりに、格子フェンスは強すぎる直射日光を防ぎ、風通しも確保してくれます。
植木にとっては隣接しても生育に悪影響が無いという利点がございます。

くつぬぎ石の設置
まずは最も重量のある資材、くつぬぎ石を据え付けます。
仕上がったお庭の砂利のレベルからくつぬぎ石の高さ、そしてそこからサッシ下端までの高さをお客様とよくご相談の上、使い勝手の良い据え付けを致しております。

植木の吊り込み 搬入したシラカシを植栽
そして次に搬入が困難な高木、シラカシをクレーンにて搬入し、植栽します。
お庭の角を充実させ、道路側からの目線を優しくカットするに適した樹種となります。
シラカシは枝を透かす剪定や消毒をしっかりしておく事で自然体を維持する事が可能な常緑樹です。

蹲周りの庭石組み付け 前石と庭石の接続
高めの植木を植栽し終え、蹲周り、手水鉢を囲う鳥海石を組み付け始めます。
手水鉢部分は周囲よりも思い切ってレベルを下げ、景観にメリハリを。
人が立つ前石との組み付けも隙間が無い様に組み込んでいきます。
小さな庭石ほど後で動いてしまいがちです。
全ての小石を繋げる様に、土留めを兼ねたコンクリートも入れていきます。

コンクリートによる土留め処理 手水鉢周囲を庭石組み
手水鉢背後の土をせき止める様に周囲を庭石で組んでいきます。
隙間無く組んだ部分も強度対策としてもう一度掘削し、細部までコンクリートの壁を目立たない様に施します。

織部燈篭を合わせます 灯篭と手水鉢
水照らし灯篭として3.5尺の織部灯篭を合わせます。
住宅のお庭としては必要にして充分な大きさで、適度な存在感を持っております。
蹲には手水鉢左右に役石が設置されますが、今回の製作では景観上配さない作りとなっております。
また、手水鉢背後に鏡石として大きめの立ち石を据える事が多いのですが、スペースの都合やバランスを考えコンパクトな蹲構成となっております。

手水鉢設置部の排水処理 筧の水落ち調整
仮設置しておりました手水鉢を移動し、底部の排水処理を行います。
設置された排水管へ水が集まる様、モルタル処理で整えます。
給水される筧は水落ち位置と同時に、水勢を左右する高さの設定も同時に行います。
この設置を終えて蹲周りが完成となります。

植栽周囲の庭石組み 庭石の表情
中低木を植栽しながら、周囲の庭石組みを進めていきます。
小さなお庭の中でも大小曲線のリズム感を付け、趣ある表情に仕上げていきます。

下草類を植栽 植栽が整った蹲周り
庭石が整った周囲へ下草類を植栽し、庭石の輪郭をぼかしていきます。
下草類は、コケ類や山野草などを多用すればより自然味が生まれますが、住宅のお庭にてお客様が管理される環境下におきましては、やはり丈夫かつ剛健な種でなければなりません。草類に元気が無くなってしまった際、お客様の管理上の問題とされてしまう様な事が無い様、お庭完成時の姿を維持しやすい植栽計画を大切に考えます。

防草シートの施工 錆砂利を敷き込みます
造園の整ったお庭へ、仕上げを兼ねた雑草対策を施していきます。
今回は非常に庭石が入り組んだ中へのシート処理となりますが、入念に施工をしていきます。
あまりにも細かな部分におきましてはモルタル処理を施し、雑草の発生を防いであります。

庭石材を散水洗浄 錆砂利や庭石の洗浄
防草シートの施工が済んだお庭へ錆砂利を敷き込み、お庭全体へ散水洗浄を施します。
細かな土汚れはもちろん、施工中に付着してしまいがちな汚れなどを最終チェックしながら作業します。

完成したお庭の風景です。

施工を終えたお庭を玄関から
完成したお庭を玄関前のアプローチから眺めた様子です。
奥へ歩いて行きたくなる様な渡りと、少々奥が見えづらい構成のお庭。
訪れたお客様の興味を誘います。

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格子フェンスの陰影が美しい小庭の様子。
蹲周りは小さな面積に見えない細かな作りを心掛けました。
重厚なくつぬぎ石と簡素な石材で、明るい雰囲気を大切にした和風のお庭です。

小さな空間で和の風情を感じる庭づくり。
ご興味をお持ちのお客様はぜひお問い合わせをいただければと思います。

それでは失礼致します。